広島は矢崎拓也、DeNAは上茶谷大河…現役ドラフトでの「元ドラ1放出」で広がった〝波紋〟
東スポWEB / 2024年12月30日 6時4分
【赤ペン! 赤坂英一】この決断は球団と選手本人にとって、吉と出るか凶と出るか。今オフの現役ドラフトで広島、DeNAが元ドラ1を放出して球界やファンは一時騒然。2025年の成り行きが注目されている。
広島の16年ドラフト1位・矢崎拓也投手(29)はヤクルトへ移籍。23年は栗林の離脱中に抑えで24セーブを挙げ、24年も中継ぎで2年連続の10ホールドをマークした。
それほどの実績があるだけに、地元メディアの反響は大きかった。一部スポーツ紙広島版は矢崎の放出を1面で大々的に報道。地元テレビ局でも「驚きの情報」とアナウンサーが伝えている。
「球団としては矢崎より若い(26歳の)森浦、(25歳の)黒原をリリーフとして大きく育てたいんじゃ。彼らも矢崎が抜けてチャンスだと意気込んどるはずよ」とは、ある広島OBの解説だが、どっこい矢崎がヤクルトの抑えとして、広島の前に立ちはだかる可能性も十分にある。
矢崎について高津監督は「長所は球の強さとフォークボール。荒れるところもあるけど、打ちづらい」と評価。「もちろんリリーフ」とすでに起用法を明言している。
高津監督は23年の1年だけながら、巨人から移籍してくすぶっていた田口を抑えに抜てきし、33セーブを挙げさせた。その田口も最近は下半身のコンディション不良で振るわず。指揮官は矢崎に白羽の矢を立てることを考えているはずだ。
DeNAが放出した18年ドラフト1位・上茶谷大河投手(28)はソフトバンクへの移籍が決まった。これに大きなショックを受けたのは、本人はもちろん、周囲のチームメートだという。
上茶谷はチームきってのムードメーカー。森原、中川颯、堀岡など他球団から移籍してきた選手とも積極的にコミュニケーションを図り、投手陣を盛り上げる存在だった。
23年はシーズン途中にバウアーがやってくると、新しい知識を得ようと連日質問攻め。「彼は何でも教えてくれるからどんどん聞こうよ」と、他の投手にも勧めていたほど。その上「日本語でこう言ったらウケる」と、バウアーにお立ち台用のいろんな日本語ネタを伝授していたそうだ。
そんな上茶谷がいなくなって、寂しいと感じている選手は1人や2人ではない。が、いくら人気があっても、成績が悪ければ放出されるのがこの世界だ。同じくドラ1で伸び悩む20年の入江大生投手(26)、21年小園健太投手(21)も、これを機に危機感を持って頑張ってほしい。
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