井岡一翔 リベンジ戦の前日中止決定にＪＢＣ「早い段階で決断した方がよかった」

試合中止が発表された井岡一翔（右）。左はロドリゴ・カラブレッセトレーナー

ボクシングのＷＢＡ世界スーパーフライ級王者フェルナンド・マルティネス（３３＝アルゼンチン）に同級６位・井岡一翔（３５＝志成）が挑戦する同タイトルマッチ（３１日、東京・大田区総合体育館）が試合前日の３０日に中止決定となったことについて、ＪＢＣの安河内毅執行理事は主催者の判断に理解を示すとともに、「理想的なことを言えば、早い段階で決断した方がしたよかったと思う」と、改善策を検討する考えを示した。

マルティネスは発熱を理由に２６日の公開練習と２９日の調印式をキャンセルしていた。志成ジムの二宮雄介マネジャーによると、２０日に来日したマルティネスは２５日に体調不良を起こし、２６日にインフルエンザと診断されたという。医師からは体調が戻れば試合はできるとの見解を得ており、陣営も試合出場に強い意欲を示していたものの体調は戻らず、この日の午前９時にマルティネス自身が「できない」と伝えた。

公表が遅れたことについて、二宮マネジャーは「公表して騒ぎになるのも…、というのもあった。公式行事に行かなかったのも、（インフルエンザを）移すとか嫌じゃないですか」と説明。両陣営とも仕切り直しの対戦を希望しており、マルティネス陣営の日本滞在中に交渉を始める方向だという。対戦の時期については、「個人的には早い方がいい」と、２月か３月ごろを希望した。

この事態について、安河内執行理事は「最後の最後までコンディションを整えてやる気だったと聞いている。それ自体は理解する」と話しつつ、「理想的なことを言えば、病気の性質にもよるが、できれば早い段階で決断する方がよかったと思う」とも指摘した。

事情は異なるが、今月は２４日に予定されていたスーパーバンタム級４団体統一王者・井上尚弥（大橋）の防衛戦も、挑戦者サム・グッドマン（オーストラリア）が来日直前に負傷したことで１か月延期となっている。安河内執行理事は「ケガとか病気をおしてやるよりはいいと思う」と受け止めているが、「少し早い方が皆さんも納得しやすい。ＪＢＣとしても混乱しないように、もう少しインフォメーションがこちらに流れるようなやり方を考えたい」との意向を語った。また、マルティネスの王座に関しては、「基本的にはケガとが病気の場合は保持することになる」との見方を示した。