【富士山女子駅伝】拓大・不破聖衣来が6人抜き快走 沿道の両親の姿に頬を緩め「ずっと楽しんで走れた」
東スポWEB / 2024年12月31日 6時9分
〝喜び〟があふれ出た――。全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝=30日、富士山本宮浅間大社前~富士総合運動公園陸上競技場、7区間43・4キロ)、拓大の不破聖衣来(4年)が最長区間の5区(10・5キロ)で区間2位の33分51秒をマーク。6人抜きを達成し、過去最高の4位入りに大きく貢献した。3年ぶりの出走で快走を披露したエースに明るい兆しが漂っている。
自然と笑みがこぼれた。大学2、3年時はケガなどの影響で欠場した富士路に帰ってきた不破は10位でタスキを受けると、軽やかなピッチで次々と順位を上げる。応援に駆け付けた家族を沿道で見つけた際には「来ているのに気づいたので笑いました」と頬を緩める場面もあった。「大学の駅伝をやりきったなという気持ちが大きい。本当にずっと楽しんで走れた」と充実の表情を浮かべた娘の姿には、両親も「聖衣来が気づいてくれて笑ってくれたのがうれしかった」と感慨深げに振り返った。
大学1年時には1万メートルで日本歴代2位(当時)の30分45秒21を記録。駅伝でも数々の区間記録を残してきた。その一方で近年はケガに苦しみ、一時は1キロ4分ペースのジョグも満足にこなせないこともあったという。それでも、地道な体づくりが実を結び大学生活最後の富士山女子駅伝で躍動。不破の走りに思わず涙を流した五十嵐利治監督は「いろんな悩みを彼女も抱えてたと思うが、長いトンネルを今日で通り越すんじゃないかなという期待感もあるし、練習を8月以降継続してできているのが一番成長できた部分なのかなと思う」と神妙に語った。
不破にとって4年間の大学生活は「いいことも悪いこともたくさん経験した」と順風満帆ではなかったが「決して無駄なことは1つもないので、それを存分に生かしていきたい」。大学卒業後は実業団の名門・三井住友海上で競技を続けることが決まっており「将来はマラソンをやりたい思いが強い。世界陸上はマラソンを追う中で通過点として出たい思いはもちろんあるけど、一番はやっぱり(2028年ロサンゼルス五輪を)マラソンで狙いたい」と力を込めた。
今後はハーフマラソンなどをこなしながら、マラソンへの移行を進めていく方針。ロサンゼルス五輪でのメダル獲得に向けて「学生と社会人と区分が大きく変わる節目になる。ここからは仕事として陸上に取り組むので、より一層気持ちを入れ替えてじゃないが、次のステージでも走り続けたい」とさらなる高みを目指す構えだ。
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