石破茂首相も出席…能登地震追悼式の近辺に〝ナイフ男〟 イベント目白押しの2025年は職質ラッシュか

屋外での公務もある石破首相（右＝ロイター）

石破茂首相が元日に出席した石川・輪島市での能登半島地震での追悼式会場近くで、ナイフを持った男が現行犯逮捕された。安倍晋三元首相の銃撃事件から続く政治家を取り巻く物騒な状況は、２０２５年も続く気配だ。

銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕されたのは兵庫・西宮市の大学生（２０）。調べによると、１日午後２時２０分ごろ、能登空港駐車場で、理由なく果物ナイフ１本（刃渡り約１０センチ）を携帯した疑い。バッグの中にはもう１本の果物ナイフ、折りたたみのノコギリやカッターナイフ２本、ハサミなどが見つかった。

空港と隣接する日本航空学園能登空港キャンパスでは、午後３時３５分から能登半島地震と豪雨による犠牲者への追悼式が開かれ、石破首相や岸田文雄前首相、坂井学防災相、馳浩石川県知事ら約４５０人が出席していた。同容疑者は「観光目的で能登に来た」と供述しているが、警察は経緯や背景事情を調べている。

２２年の参院選の遊説中に安倍元首相が銃撃され死亡、２３年の衆院和歌山補選で遊説会場を訪れた岸田首相（当時）らに爆発物が投げ込まれるなど、要人が狙われる事件が続いた。昨年の衆院選最中には男が自民党本部に火炎瓶を投げ込んだ後、首相官邸に自動車で突っ込む事件も起きた。

「今年は１７日間と長丁場となる参院選や４月からは大阪・関西万博が開かれ、海外から多くの要人が訪れる。警察庁は参院選や万博でテロや事件が起きないように全国の警察に警備強化を指示していて、過去にない厳重な要人警護、会場や関係各所で厳戒な警備態勢が敷かれることになる」（永田町関係者）

ローンオフェンダーの犯行が増え、組織的な動きがないために予兆が難しい。今回の逮捕劇は警戒に当たっていた警察官の職務質問からで、現場対応が最後のトリデとなるために、今年は各所で職質のラッシュとなりそうだ。