【箱根駅伝】卒業後は地方局アナ 連覇の青学大・田中主将を襲った〝誤算〟「調子が良すぎて…」
東スポWEB / 2025年1月6日 5時4分
第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)で2年連続8度目の総合優勝を飾った青学大の主将・田中悠登(4年)には思わぬ〝誤算〟が生じていた。
4年間苦楽をともにした同期陣は大会中に婚約を発表した太田蒼生、5区で区間新記録を樹立しながらも、卒業後は日本生命に就職する若林宏樹など個性あふれる選手が勢ぞろい。「みんな尖っているので、まとめるのが大変だった」と振り返るが、11月以降は週1回以上のミーティングを重ねることで全体の意思を共有。個性を伸ばしながら、箱根路で戦えるチームづくりに取り組んだ。
自身は神経痛の影響で思うように練習が積めない時期もあったという。原晋監督からは「今のままじゃ(エントリーメンバーの)16人にも入れないぞ」と愛のムチを受けた。田中の心は「もう立ち直れないくらいの状況」まで追い込まれたものの、同期、後輩たちがサポート。神経痛の対策をとって11月下旬から練習の強度を上げ、12月の千葉・富津の合宿では順調にメニューを消化した。
そんな田中はかねて最終10区を希望。「ゴールテープを切るイメージを持っている」と意気込んでいた中で、まさかの9区起用となった。「10区の予定だったけど、調子が良すぎて9区になった。僕としてはちょっとやらかしたなと(笑い)。調子が上がりすぎて監督にもったいねえと言われた(笑い)」と顔をしかめた。
それでも9区できっちり区間2位の好走を披露。卒業後は故郷・福井のテレビ局「福井放送」にアナウンサーとして就職することが決まっており、タスキリレー時には「青山学院大学、トップでたすきリレー!」と自ら実況するなど、笑顔で箱根路を駆け抜けた。これには原監督も「主将らしい走りをしてくれたので、ここである程度優勝は確信できた」と大絶賛だった。
ゴールテープを切ったのは1年生の小河原陽琉。最後の最後でプランが狂ったとはいえ、今季のスローガン「大手町で笑おう」を見事に達成。田中は「箱根駅伝の先頭は気持ちよかった」と充実の表情を見せ、最高の形で競技人生に別れを告げた。
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