「ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い」有村昆が考える“料理の鉄人方式を楽しむ時代”
東スポWEB / 2025年1月7日 14時9分
【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。日本製鉄によるUSスチール買収がまさに泥沼と化しています。2兆円を超える大型買収に対しバイデン米大統領が3日、待ったをかけたんですね。国内市場の需要が頭打ちを迎えることを予期した日本製鉄は海外市場に希望を見いだしました。買収によりまだまだ伸びしろのあるアメリカ市場に参入できます。買収の道はこのまま閉ざされてしまうのでしょうか。今後に注目です。
さて、今週はこのニュースに関連し、海外へと活路を開いたことがキーとなっている新作「ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い」(公開中)を紹介します。
「ロード・オブ・ザ・リング」は小説「指輪物語」を原作とした大人気映画シリーズ。今作は、その物語へと続く知られざる前日譚をアニメーションで描きます。シリーズ3部作を監督したピーター・ジャクソンを製作総指揮に、「攻殻機動隊S.A.C.」などで日本アニメーションの第一人者とたたえられる神山健治氏が監督を務めました。
今作のポイントは、なぜ今アニメ化なのか、という点です。これはズバリ、ジャクソンが新たな物語を創造したかったからなんですよね。実写ではないロード・オブ・ザ・リングの可能性を試行錯誤した結果、アニメにたどり着いた。でも、やっぱり自分たちでやると日本産アニメのトップクラスのクオリティーには及ばないんですよね。なら、いっそ日本で。アニメ界最高峰の実力を持つ「攻殻機動隊」の神山さんに依頼したらいいんじゃないかということになったんですよ。
僕はまさにこの海外への依頼こそが映画界が2025年以降も生き続けていくためのカギだなと感じました。
例えばスター・ウォーズやマーベル作品など、もう乱発しすぎて、世間が世界観・作風に飽きてきた風潮が正直あるんですよね。メジャーなシリーズはもうマンネリ状態なんですよ。そこで、人気の題材を基にいろいろな国に版権元が発注をして、各国のバージョンを作ってもらうと。「料理の鉄人」みたいなものですよね。最高の食材でフレンチ・和食・中華とそれぞれ違う料理を作って楽しみましょうと。そして出来上がったものと、元との違いを楽しむ。そんな時代がくるのかなと感じました。
USスチール側は買収により雇用を確保し、日本製鉄側から設備投資や技術提供を受けることができます。まさに両社にとってWINWINの買収なんですね。国内で手詰まりなら海外へ。企業だけでなく映画もよりグローバルな時代が訪れそうです。
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