駒大 1年生2人起用で総合2位の〝価値〟 大八木総監督「育成もやっていかないと…」【検証・箱根駅伝#2】
東スポWEB / 2025年1月8日 6時14分
今年も大きな盛り上がりを見せた東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)で、注目各校を検証する短期連載の第2回は駒大に焦点を当てる。惜しくも王座奪還は逃したが、優勝した青学大に迫って復路優勝を飾り、総合で2位。来季のV奪回へ向けて、明るい兆しが見えつつある。
近年の駒大は田沢廉、鈴木芽吹(ともにトヨタ自動車)ら各学年にエース格の選手を擁して、2023年大会で2年ぶりの総合優勝。史上5校目の大学駅伝「3冠」に輝いた。
しかし、今季は佐藤圭汰(3年)が右恥骨を疲労骨折した影響で、出雲駅伝と全日本大学駅伝を欠場。主将・篠原倖太朗(4年)に続くエース格が不在だったことから、大八木弘明総監督は「選手層が(一昨季の)3冠の時、昨季よりもまだ薄いところがある」と不安視していた。
そこで今大会は往路の3区に谷中晴、4区に桑田駿介と2人の1年生を投入。下級生を積極的に起用し、4年生は篠原のみのメンバー構成で挑んだ。往路は4位だったものの、復路は7区で約10か月ぶりのレースとなった佐藤が区間新記録をマークするなど、驚異的な追い上げで復路優勝。総合でも2位に食い込み、藤田敦史監督は「『転んでもただで起きてはいけない』という信念をもって厳しく練習してきた。来年の箱根につながる大きな成果」と手ごたえを口にした。
平成の常勝軍団と称され、数々のタイトルを手にしてきた名門校。伝統をつなぐ上で、大八木総監督は「育成もやっていかないと長続きはしない。育成しながら勝ちにいかなくちゃいけない。今の1年生が2年になった時にエースになってこないといけないので、谷中と桑田を使った」ときっぱり。長期的な視野を持ってチームの強化に取り組んでおり、伸びしろには期待が持てる。
来季に3連覇のかかる青学大は今大会出走メンバーの6人が卒業。駒大が下級生を積極起用した経験を生かすことができれば、V奪還のチャンスは十分にある。藤田監督は「結果を出してくれたが、悔しさもある。これを来年につなげたい」。黄金時代の再来へ、巻き返しの準備は着々と進んでいる。
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