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タイガー・ジェット・シンを押し戻す“15人の壁”アントニオ猪木と日本初のランバージャックデスマッチ

東スポWEB / 2025年1月12日 10時3分

場外に逃げようとするシンを坂口らセコンド陣がリング内に押し戻す

【昭和~平成スター列伝】新日本プロレス、2026年1月4日の東京ドーム大会で引退試合を行う棚橋弘至が、EVILとランバージャックデスマッチで死闘を展開。敵軍「ハウス・オブ・トーチャー」の介入に苦しむも、逆転勝利を決めた。

日本で初めてランバージャックデスマッチを行ったのは、新日本の創設者で“燃える闘魂”ことアントニオ猪木である。相手は壮絶な抗争を繰り広げていた“狂虎”タイガー・ジェット・シンだった。1973年5月から新日本に参戦したシンはまさに“狂える虎”のような極悪ファイトで猪木の最大のライバルとなった。

そして同年11月5日には伝説となった「新宿伊勢丹前襲撃事件」で猪木を急襲。警官も出動するなど世間を驚かせるショッキングな大事件となり、両者の遺恨はピークに達した。同年11月16日札幌で一騎打ちを行ったものの、シンの反則暴走で逃げられた猪木が激怒。遺恨はさらに深まり、猪木は完全決着をつけるべく、シンが場外戦やリング上から逃げられないようにランバージャックデスマッチを提唱する。歴史的な一戦のゴングは同年11月30日福山市体育館で鳴らされた。

「新宿事件、凄惨な血みどろ試合と因縁を鮮血で彩ってきたアントニオ猪木とタイガー・ジェット・シンがついに決着の時を迎えた。ルールはランバージャックデスマッチ。リングサイドを15人の荒くれ男が“人間の壁”となって取り囲む異様な雰囲気だ。坂口征二、山本小鉄、新宿事件の共犯者ビル・ホワイト、ジャック・ルージョーもいる。猪木は前進のみ。パンチでめった打ち、コーナーマットを外してガツンと額をぶつける。シンの額がパックリ割れた。逃げるシン。しかし“人間の壁”が妨害する。シンは凶器で反撃。急所を打たれた猪木はダウン。客席からはイスがうなりを上げて放り込まれる。その後もシンは凶器攻撃、かみつき攻撃などで野獣のようにほえまくる。13分、猪木がチャンスをつかんだ。デッドリードライブからルー・テーズばりのバックドロップ。カウント2。猪木はブレーンバスター1発。しかしシンはまたはねてロープへ。この時に接触した高橋レフェリーは失神してしまう。シンはサーベルで猪木の背後から襲撃。しかし猪木はタックルからブレーンバスター。シンは完全にのびている。レフェリーなしのフォールだ。ここでサブレフェリーの田中米太郎が飛び込んできて高々と猪木の手を上げた」(抜粋)

超満員6000人の興奮は異様だった。新日本は両雄の抗争で一気に人気が爆発。その後も74年6月26日大阪ではシンの右腕を折る「腕折り事件」で猪木はさらに名を上げる。ストロングスタイルを貫いた猪木は、同時に様々な仕掛けを考案する希代の“天才”でもあった。 (敬称略)

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