中居正広問題でフジ汚名返上〝検証番組〟の可能性 堀潤氏「絶好のチャンス」

渦中の中居正広

元ＳＭＡＰ中居正広の女性トラブルのあおりで、世間から厳しい目を注がれているのがフジテレビだ。

中居は一昨年６月、フジに勤務していたＸ子さんとの間で深刻なトラブルを抱え、代理人を通じて解決金９０００万円を支払ったとされる。その際、Ｘ子さんと中居の会食を間接的にセッティングしたのは、フジの編成局員Ａ氏と一部で報じられた。

これにフジは公式サイトで「（記事の）内容については事実でないことが含まれており、記事中にある食事会に関しても、当該社員は会の設定を含め一切関与しておりません。会の存在自体も認識しておらず、当日、突然欠席した事実もございません」と完全否定。中居も９日に出した声明で「このトラブルについては、当事者以外の者の関与といった事実はございません」と明記した。

それでもＸ子さんから被害相談を受け、フジが適切な措置を講じたかはわからない。ネット上ではフジの〝体質〟を問う声も上がっている。

そんななか、元ＮＨＫでジャーナリストの堀潤氏は１３日に出演したＴＯＫＹＯ ＭＸの番組で「フジテレビの報道からしたら、絶好のチャンス」と逆説的な主張を展開。「部内で何が起きたか、関係者を取材しました。これこれこうでしたと」と、当事者が勤めていた職場だからこそできる報道の在り方を提唱した。

その上で、英国ＢＢＣを例に挙げ「ＢＢＣで小児性愛の疑惑を持ったキャスターがいたときに、自分たちで検証していた」と述べた。

突拍子もないように聞こえるが、これは理にかなっている。フジは毎週土曜日の午前５時３０分から「週刊フジテレビ批評」を放送している。同番組はフジの放送番組をフジ自身がチェックする「自己検証番組」を謳っている。

番組ホームページによれば〈「番組審議会」「社外モニター」に続く〝第３の検証機能〟を果たし、その週に放送された注目番組や番組から派生して起こった出来事もタイムリーに取り上げ、有識者や視聴者の協力のもと立体的な批評を展開します〉とある。テレビ関係者の話。

「ドラマの感想なんかを取り上げる〝ゆるい回〟もありますが、故ジャニー喜多川氏の性加害問題ではメディアの沈黙を扱い、自省を込めて放送局としての問題点を挙げていました」

旧ジャニーズ問題を扱った動画は現在もホームページ上で確認できる。

次回１８日放送は米国でドナルド・トランプ新政権がいよいよスタートすることを踏まえ「メディアとの関係性」や「失墜した既存メディアの行く末」を取り扱う予定だ。

前出テレビ関係者は「いまメディアに求められているのは自浄作用。フジが自社番組で中居問題を検証すれば、風向きが変わるのではないか」と指摘する。

フジはどこまで腹をくくれるか。