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世界に知れ渡るサッカー代表“魔法の水”中沢佑二が証言「あいつらは自分たちのボトルではなく…」

東スポWEB / 2025年1月16日 14時9分

ジーコ監督(右)の指示を聞きながら水を飲む中田と俊輔(05年6月)

【多事蹴論97】日本代表を世界の舞台に導いた“魔法の水”とは――。1998年フランスW杯に初出場した日本は、さらなるチーム力アップに向けて戦力の充実を目指すとともに「勝利の確率を上げるため」に“環境整備”に乗り出した。2002年日韓、06年ドイツ、10年南アフリカW杯に向けて、特に試合中の効率的な水分補給に取り組んでいた。

激しいプレーの連続となるイレブンにとって水分補給は欠かせない作業だ。一般的に90分間の試合をすれば、4~5キロくらい体重が減る選手は珍しくないが、著しく水分が失われればパフォーマンスにも大きな影響が出る。実際に04年アテネ五輪代表を指揮した山本昌邦監督は「水分を取っても、すぐ体に吸収されるものではなく、ある程度の時間が必要になる。試合前、試合中に小まめに水分を取らなければならない」とイレブンに注意喚起していたように勝敗にも直結する重要なものといえる。

試合中に使われる水は水分補給で飲むだけのものではない。走り回って火照った選手の体温を下げる役割もある。試合中に選手が首筋や太もも裏に水をかけているシーンが見られるが、これも体温を下げるのに効果的な場所だからだ。ちなみに00年代は試合中に水分補給できるのは水だけ(現在はスポーツドリンクなども可)で、うまく活用することも選手には求められた。

日本代表のスタッフは、選手たちが気分よく水分補給をできるように工夫を重ねてきた。アウェーで試合をする場合はキックオフ時間に合わせて、気温や日の照り方を分析し、水を「造る」のだという。「少しでも選手たちにおいしく飲んでもらうため、ボトルの水を凍らせておくんです。冷たい方がおいしいですから。試合開始直前にピッチの周りに置くようにすると、程よく溶けて冷たい水が飲める」

さらに「ボトルを置く場所によっては陰になっていてなかなか氷が解けないケースもあるので半分だけ凍らせるとか。冷やすだけとか。気候によっても温度を変えています。もちろん、遠征地によっても違うし、中東で試合となれば、試合中にボトルを交換することもある」と同スタッフ。こうした陰の努力が日本代表を進化させてきたといっても過言ではない。

ただ、日本代表スタッフが整えた水も敵イレブンに奪われるケースが後を絶たないという。DF中沢佑二は「日本の水が“冷たい”というのは対戦国にも知れ渡っていてプレーが止まると、あいつらは自分たちのボトルではなく、日本の水に手を伸ばすんです。しかも同じチーム同士で日本の水を奪い合っている」とあきれ顔。禁止事項ではないため、反則には当たらないものの、何とも不思議な光景だ。

ちなみに海外遠征で使う飲み水はすべてミネラルウオーター。しかも“不測の事態”に備えて基本的に日本から持ち込んでいる。(敬称略)

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