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IWGP王座戦で“米ソ頂上決戦”敢行! 史上初の外国人対決ベイダーVSハシミコフ89年5月

東スポWEB / 2025年1月19日 10時2分

ベイダー(右)とハシミコフの肉弾戦はド迫力に満ちていた

【昭和~平成スター列伝】新日本プロレスのIWGP世界ヘビー級王者ザック・セイバーJr.は、5日の東京ドーム大会メインで挑戦者のリコシェを激戦の末に撃破して4度目の防衛に成功。4日大会に続き2日連続でドームのメインを見事に締めくくった。

前身のIWGPヘビー級王座を含む同王座の歴史の中でも外国人同士の王座戦が初めて行われたのは、1989年5月25日大阪城ホール大会。王者ビッグバン・ベイダー対挑戦者サルマン・ハシミコフという異色の一戦だった。

圧倒的なパワーで藤波辰巳から王座を奪取した皇帝戦士には、同年に初来日して大きな話題を呼んだソ連からの「レッドブル軍団」の闘将ハシミコフが挑戦。レスリング世界選手権フリースタイル100キロ級3連覇の金看板を引っ下げ、4月24日ドーム大会のデビュー戦では、クラッシャー・バンバン・ビガロを2分26秒で葬って衝撃を与えた。ちなみに大阪城決戦のメインではアントニオ猪木が柔道元五輪金メダリストのショータ・チョチョシビリに雪辱。猪木最後の異種格闘技戦となった。IWGP戦はセミで行われた。

『スローモーションを見ているように、170キロのベイダーの巨体がゆっくり落ちていった。ハシミコフ十八番の水車落とし。米ソ頂上対決はソ連の闘将が完勝した。ハシミコフのコーナーにはザンギエフら4人、ベイダーにはウィリアムスがついている。米ソ両陣営の意気込みが伝わる。両軍ナンバーワン同士の激突はベルトがかかっているだけではない。国家の威信をかけた戦争だ。ゴングが鳴るとベイダーがヘッドバットの乱れ打ち。がむしゃらな攻めは格好など二の次だ。角材のような腕でラリアートを放つと、何とそのままリフトアップ。ハシミコフの体を高く押し上げた。ハシミコフには初の屈辱。顔面が紅潮した。しかしソ連セコンド陣のマットを叩く音に腕ひしぎ逆十字でこたえ、ベイダーの太い左ヒジがガッチリ決まる。ベイダーは4・24ドームの橋本戦で左ヒジじん帯を損傷した。そこを狙われた。グイグイ締め上げたハシミコフが一気に攻めた。170キロを抱え上げて水車落とし。ベイダーの巨体が裏返って8分45秒、3カウントが入った』(抜粋)

衝撃的な王座奪取劇だった。2か月後の初防衛戦で長州力に敗れて短期政権に終わったが、ソ連のレッドブル軍団のインパクトは絶大だった。

超巨漢ベイダーとレスリングで世界を制したハシミコフとは違い、現王者のザックは“怪物”ではなかった。英国のか細いプロレスファンの少年が、母国で一から叩き上げ日本で大きく成長した“努力派”の外国人王者だ。日本人のファンも肩入れしてしまうタイプである。ある意味、IWGP王者像の歴史を変えたザックの長期政権に期待したい。 (敬称略)

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