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【大相撲】豊昇龍〝大甘〟横綱昇進の舞台裏 ベテラン親方「照ノ富士がやめていなければ…」

東スポWEB / 2025年1月27日 5時3分

祝勝会で笑顔の豊昇龍(中)。右は立浪親方、左は女将・舞美さん

まさかの急展開だ。大相撲初場所千秋楽(26日、東京・両国国技館)、大関豊昇龍(25=立浪)が優勝決定巴(ともえ)戦を制して9場所ぶり2度目、大関では初優勝を果たした。この日、日本相撲協会の審判部は豊昇龍を横綱に昇進させる方針を決定。27日の横綱審議委員会の決議を経て推薦が決まれば、29日に正式に新横綱が誕生する。平幕に3敗した時点で消滅したかに見えた綱取りは、なぜ復活したのか。〝大甘昇進〟の舞台裏を徹底追跡した。

電光石火の動きだった。豊昇龍が決定戦を制して優勝を決めると、審判部長の高田川親方(元関脇安芸乃島)は八角理事長(元横綱北勝海)に横綱昇進を諮る臨時理事会の招集を要請し、受諾された。27日の横綱審議委員会で出席委員の3分の2以上が賛成すれば推薦が決定。過去には推薦が見送られた例はあるが、今回は大半が賛成に回るとみられる。

その後は29日に開かれる春場所(3月9日初日、大阪府立体育会館)の番付編成会議と理事会の承認を経て、正式に新横綱が誕生する。ただ、どこか〝モヤモヤ感〟が残る綱取りとなった。

この日の幕内の取組前、審判部内で豊昇龍の横綱昇進の可否についての話し合いが行われた。一部からは優勝することを前提に賛成意見が出る一方で「平幕に3敗もしている」「3場所前は8勝しかしていない」「もう1場所、様子を見た方がいい」などと慎重論が噴出した。

複数の関取を育てた実績がある部屋持ちの親方は「エッ!? 今場所で横綱に上げちゃうんですか…」と驚いて絶句。今回が綱取りになるとの認識さえなかったほどだ。審判部の親方衆の意見はまとまらず、とても満場一致とは言えないような状況。最終的に「優勝した場合」の条件つきで、審判部長と副部長に判断が一任された。

高田川親方は「優勝を念頭に、審判部長の責任で判断した」と前置きした上で「本割も決定戦も素晴らしい内容だった。負けた相撲(3敗)も前に出ているし、出合い頭でたまたま負けた。力負けではない。あとは力でねじ伏せている。(横綱昇進の)評価に値する。特に決定戦は素晴らしかった。あの相撲を見ると文句のつけようがない」と力説した。

豊昇龍の直近3場所の成績は8勝、13勝、そして今場所の12勝。合計33勝は平成以降に誕生した新横綱の中では最低の成績で、大関昇進の目安と変わらない。なぜ、今場所での横綱昇進にこだわったのか。ベテラン親方は「照ノ富士がやめていなければ(豊昇龍を)横綱に上げていなかったかもしれない」と〝大甘昇進〟の背景を解説した。

この初場所では、横綱照ノ富士が現役を引退。新横綱が誕生しなければ、春場所では1993年初場所以来、32年ぶりに横綱が空位となる危機に直面していた。しかも、10月にはロンドン公演を控えており、海外に日本の伝統文化を伝える上で横綱不在は避けたいところ。豊昇龍の綱取りの背後には、こうした協会側の思惑も透けて見える。

豊昇龍本人に非はないとはいえ、成績不振なら批判の矢面に立たされるのは横綱自身。正式に新横綱となったあかつきには、誰もが納得する結果を残すしかない。

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