【大相撲】引退・照ノ富士 先輩親方驚かせた〝マメ横綱〟ぶり「いったい、どれだけ配っているのかと」
東スポWEB / 2025年1月29日 7時8分
【取材の裏側 現場ノート】大相撲初場所で横綱照ノ富士(33)が現役を引退した。両ヒザの故障や糖尿病に苦しみ、大関から序二段へ転落。そこから不屈の精神で横綱にまで上り詰め、優勝10回を重ねた。初場所6日目の17日に開かれた引退会見では「14年間、本当に激しい相撲人生だった」。波瀾万丈の現役生活を表す言葉が印象的だった。今後は親方として後進の指導にあたる。
同じ伊勢ヶ浜一門で、かねて照ノ富士と親交がある朝日山親方(56=元関脇琴錦)は「引退は遠くないと感じていた。体はボロボロだし、目標の2桁優勝も達成していたから。白鵬は優勝回数以外にも、いろいろな記録が目の前にあった。そうでなければ、気力を保つのは難しい。ここで辞めるのは仕方がない。よくやったと思う」。満身創痍の横綱をねぎらった。
照ノ富士の現役中は、土俵外の行動に驚いたことがあるという。「地方場所で市長にあいさつに行くと、照ノ富士の(しこ名の印が押された)番付表が部屋に貼ってある。地方巡業のPRに行ったら、そこの市長室にも…。全国の行った先々に、照ノ富士の番付表があるんだ。いったい、どれだけ配っているのかと。とにかくマメな横綱だった」と横顔を明かす。
また、一門の先輩親方の立場から「いい親方になると思う。昔は地位にふさわしくない言動もあった。最初に大関に上がった時は、ファンから色紙を渡されても投げちゃうとかね。ケガで下に落ちて、苦労してからは人が変わった。勉強も熱心。我々のような昔の力士のことも研究していて『親方は体幹が強かったですね』と言われたことがある」と指導者の資質にも太鼓判を押した。
一時代を築いた横綱は、どのような力士を育てるのか。親方としての手腕に注目していきたい。(大相撲担当・小原太郎)
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