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【宮崎祐樹連載#57】「打てると思ったら打つ」秋山翔吾のシンプルすぎる打撃術

東スポWEB / 2025年2月6日 11時8分

安打製造機・秋山の思考は超シンプルだった

【宮崎祐樹連載 オリのゴリBsを知り過ぎた男(57)】NPBでの現役時代から現在に至るまで、もう本当に書き切れないほど多くの方々とのご縁に恵まれてきました。エピソードを伝えたい方はもっといるのですが…。

僕は現役時代、試合前の練習中にたくさんの選手や関係者にあいさつをしたり、情報交換することが大好きでした。昭和時代の先輩方が「敵チームの選手同士が試合前に談笑しとるのを観客が見たらシラけるだろ」と意見されていたことは重々承知しています。

ただ、現代はプレミア12やWBCで、プロ野球選手が日本代表として一つのチームになって戦う機会が増えました。セパ両リーグのスター選手やNPB出身のメジャーリーガーが関係性を深め合い、情報交換することは日本の野球の発展につながっていると思っています。

現役時代の西武戦の時でした。2000安打を達成し、名球会入りされている栗山巧さんとよく話す機会に恵まれました。これは栗山さんの恩師と僕の出身校が同じ亜細亜大ということから生まれたつながりです。

その流れでシーズン200安打を経験した秋山翔吾選手に話を聞いたことがあるんです。「初めて話をするのに申し訳ない」と断った上で「どんな感覚で打っているのか教えてほしい」とお願いしたんですね。秋山選手の答えはとても簡潔でした。

「いや、シンプルに打てると思った球を振りにいってますね。何が来るとかじゃなく」

僕からすると、投手の特徴を頭に入れ、綿密な準備をしているイメージを持っていたんですが、違いました。打てると思ったらしっかり自分のスイングをする。ボールの内側にバットを入れて…とかではなく、いけると思ったらいくというシンプルなものでした。

ただ、それは打てると思った球が来た時のスイングが出来上がっているからこそ言える言葉なんだろうなとも感じました。練習の質というか、その領域に達していることがすごいと感心しました。

秋山選手をつないでくださった栗山さんに感謝ですが、当時から考え方がしっかりされていました。35歳とかでNPBに在籍している選手はちゃんとしてないといけない。球界の集まりなどにも出席して次の世代に接し方や技術の伝達や、いろんな面でお返しをしないといけないという意識を強く持たれていました。それは僕の亜大の先輩でもある松田宣浩さん(ソフトバンク、巨人)もそうでした。

そういった思いに、若い選手たちも応えることが大切だと思います。僕も若かりし日は技術的なものを見て盗もうと、先輩たちの打撃を注視してました。オリックス時代の先輩・高橋信二さん(日本ハム、巨人、オリックス)は絶対にボールの内側にバットを入れて打つ。バッティング練習を必ずバスターから始めて、ここに出すという意識付けを徹底していました。だから右方向に打つのが上手でしたよね。

野球はどんどん進化していっています。今は投高打低の時代ですが、今後はそれを打者が克服していく時代が訪れるかもしれません。僕も今は若い人たちに野球を指導する立場にあります。野球界発展のため、体感した情報を次世代に少しでも伝えていきたいと思っています。

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