積立投資って損じゃないの? そのメリットは何なのか
LIMO / 2019年3月8日 15時45分
積立投資って損じゃないの? そのメリットは何なのか
2018年1月から始まったつみたてNISAの制度や自分で年金の準備ができるiDeCo(個人型確定拠出年金)など、毎月の積み立てで資産形成をするための制度の知名度も上がってきました。実際に始めている人やそろそろ始めてみようと思っている人も多いのではないでしょうか。
投資はさまざまな要因で生ずる相場の動きに左右されるものです。では、2018年に積立投資をしていた場合のパフォーマンスはどうだったのでしょうか? また、積立投資をするメリットは何なのでしょうか?
2018年に毎月積立投資をしたら?
もし、2018年に積立投資をしていたとしたら結果はどうだったのか、実際の相場を勘案して以下のような前提で計算しました。
毎月1万円を2018年1月からTOPIXのインデックスに投資をする
毎月末(営業日)のTOPIXの終値で購入(12月分は12月25日に購入したとする)
総資産を計算するTOPIXの株価指数は2018年12月25日終値ベース
売買手数料及び買付手数料は考えない
信託報酬は考えない
毎月1万円積み立てることにより、年間では12万円を投資したことになります。また、毎月定額を積み立てるので、TOPIXの株価指数が上昇すると購入数量が減り、下落すると購入数量が増えることになります。投資の大原則ですが、株価指数の高い時に購入してそのあと下がれば含み損を抱えることになってしまいます。
2018年1月末のTOPIXは1837ポイントでしたが、12月25日には1416ポイントまで下落ました。結果として、2018年に投資した資産の合計金額はは9万9601円となり、投資金額合計の12万円と比べると約17%分の資産が減少していることになります。つまり、2018年から毎月積立投資をした人は残念ながら含み損を抱えるという結果です。
積立投資をするメリットは?
実際に2018年から積立投資を始めたという人の場合、米中貿易摩擦の影響などで含み損を抱える結果になってしまったケースが多かったと思います。このような結果を見ると、積立投資をするメリットはないように感じてしまいますよね。では、積立投資をするメリットは何なのでしょうか。
時間と価格の分散ができる
上述の場合とは逆に、積立投資はマーケットが下落するトレンドの中でも定額の購入を続け、その後に上昇するときには利益を得られる可能性があります。しかし、現在の水準が高いのか安いのかということは結果論であり、購入時には分かりません。
たとえば、株や投資信託を安くなったと思い一度に購入したとして、本当に底値であれば大成功となりますが、その後も継続的に下落するのであれば含み損が増えていってしまいます。その点、積立投資であれば、さらに下落する局面で買い足すことによって後に上昇したときの利幅が増えトータルで見た時にバランスの良い投資となりやすいという側面があります。
つまり、「あらかじめ決めた金額を続けて投資する」のが積立のメリットです。ピンポイントで一括購入するより比較的少額から始められ、時間と価格の分散ができることや購入するタイミングに迷わないので初心者や忙しい人に向いた方法と言えるでしょう。
つみたてNISAやiDeCoでは節税メリットがある
積立投資をするには、冒頭でも紹介した「つみたてNISA」や「iDeCo」という節約メリットのある制度があります。証券会社口座で投資を普通に行う場合、投資信託売却益・分配金税率に20.315%という税金がかかるので、こうした制度の非課税投資限度額の範囲内であればお得に資産運用ができるというわけです。
つみたてNISAは年間40万円の非課税枠で20年間の長期にわたって資産形成ができる仕組みで、運用にかかる売却益・配当・収益分配金などが非課税となります。
一方で、iDeCoは原則60歳を越えるまで引き下ろしができないという縛りがあり、掛金の上限額も個人事業主、会社員、公務員、専業主婦などでそれぞれ異なりますが、全額が所得控除の対象になります。また、運用益が非課税ということにプラスして掛金全額が所得控除の対象となり、60歳以降に一時金や年金を受け取るときにも控除が受けられます。
まとめ
相場が上手く読めて、安い時に仕込み、高くなったら売るということができれば一番良いのですが、なかなか投資初心者には難しい話です。そういった意味では、積立投資をすることによりリスク分散できますし、つみたてNISAやiDeCoの制度を使えば非課税枠を使ってお得に投資ができます。
短期的な売買ではなく、投資初心者が長期的な目線で資産形成をしたいと考えた時に、積立投資はメリットがあると言えるでしょう。
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