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日本人は職場の男女平等に無関心!? 女性総活躍は絵に描いた餅か

LIMO / 2019年3月10日 19時50分

日本人は職場の男女平等に無関心!? 女性総活躍は絵に描いた餅か

日本人は職場の男女平等に無関心!? 女性総活躍は絵に描いた餅か

3月8日は「国際女性デー」。日本でも年々、女性の権利や自由、働く女性を取り巻く諸問題を考え、活動する人が増えていることから、この国際女性デーへの関心は集まりつつあります。

そんな国際女性デーに先駆け、3月5日には、世界100カ国以上で活動するマーケティング・コミュニケーション・カンバニーの日本法人であるマッキャン・ワールドグループ ホールディングス(以下、マッキャン)が、独自調査「働くことにおけるジェンダーの真実/TRUTH ABOUT GENDER IN JAPAN- Women and Men at Work 」の結果発表イベントを開催。

調査発表イベントから、職場環境における男女平等や意識、女性活躍推進による社会全体や企業にもたらすポジティブな影響力について模索します。

「2020年までに女性管理職を30%に」は机上の空論状態

イベントではまず、マッキャンのプランニングディレクターである松本順氏が登壇。149か国中110位でG7中最下位だった2018年のジェンダーギャップ指数(世界男女格差指数)の内容から、日本の男女格差を取り巻く状況を説明しました。

日本は労働人口に占める女性の割合は緩やかに上昇しているものの、その半数以上が非正規雇用であり、女性管理職(課長以上)の比率も13%未満と、男女で大きな格差がありました。政府は「2020年までに女性管理職を30%にする」という目標を掲げていますが、達成には遠く及んでいない現状が鮮明に表れた結果でした。

そんな中、マッキャンでは世界12か国における1万人を超える定量調査、日本における2000人を超える男女の追加定量調査、そしてグループインタビューを実施。調査発表では、日本のジェンダーイコール(以下、男女平等)の意識にくわえ、ジェンダーバイアス(社会的・文化的性差別、偏見)の強さが浮き彫りになりました。

職場での男女平等に対して無関心な日本人

まず「男女平等は職場において大事な問題か」という質問に対し、54%の人が「はい」と回答したものの、残りの約半数は「いいえ」もしくは「よくわからない」という回答でした。

この質問は、男女ともに婚姻状況や子どもの有無によって大きな意識の違いが出ました。また「はい」と回答した割合は女性の一般社員では高いものの、管理職層や男性の一般社員では低い結果に。多くの働く男性が、自分とは関係のない問題だと捉えていることがわかります。

さらに、男女間の格差についての行動を聞いたところ、全体の60%以上が「その問題に関してしゃべりたくない」と回答し、「何らかの行動を起こしている」と回答したのは男女ともに3割前後にとどまりました。

「男女平等は誰にとって利益があるのか」という質問には、「企業や職場全体」「女性」と多くの回答があったものの、「誰にとっても利益ではない」と回答した人は男女ともに3割。多くの日本人が男女格差の問題に総じて消極的であることや、男性社員や管理職クラスにおける無関心さが露呈しました。

成果を出す優秀な人材に男女は関係ない

果たして日本の職場は、この問題について無関心のままでいいのでしょうか。イベント第二部では、企業や個人が男女格差の解消を意識することの大切さについて、RIZAPグループ株式会社取締役の松本晃氏、カルビー株式会社フルグラ事業部本部長の藤原かおり氏がパネルディスカッションを行いました。

カルビーのCEOも歴任した松本氏は藤原氏とともに、スナックが主力だったカルビーでシリアル食品のフルグラ(フルーツグラノラ)の売上を5年間で30億円から300億円規模まで伸ばした功績があります。

松本氏は藤原氏に、「『フルーツグラノーラ』の呼び方を短くしなさい。売上を30億から100億にしなさい」と指示しただけだと言います。その後、具体的なプロジェクトはすべて藤原氏が担ってきたそう。

そして組織のトップとしてさまざまな企業を担ってきた経験から、「自分が好きな人や扱いやすい人だけを集めていけば組織はダメになる。成果を求めていくと、優秀な人材の男女差や就業時間は関係ないことがわかる」と断言しました。

男女平等では誰かが損をする?

続けて松本氏は、「ダイバーシティと働き方改革はセット」だと念を押します。「職場における男女平等が難しいのは、誰かが損をするから。女性を登用すればその分の男性の席がなくなる。ただ単に女性を増やして男性を減らすやり方では、男性が賛成するはずはない」と言います。

そのため「女性が水面下で騒いでも何も変わらない。トップが変えようと動かなければ絶対に変わらないのが組織」と主張しました。

藤原氏も、「ダイバーシティとともに働き方改革を推し進めることは、女性だけではなく、男性にとってもメリットが大きい。育児や介護といったプライベートの問題への対応だけでなく、自分の成果が正当に評価されることにつながる」と同意。

「世の中の半分は女性なのにマネジメント層は男性ばかり」と気付いたことで現在のような考えになったという松本氏の提言からは、働き方や男女格差の問題をシンプルに捉えている姿勢が伺えました。企業にとって大事なことを突き詰めていけば、この問題は組織のトップだけでなく個人にとっても避けては通れないことは明らかです。

働き方改革とともに、職場の男女平等をどう考えていくのかは個人レベルにまで問われているのではないでしょうか。

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