「伸びる新人」が意識してやっている習慣
LIMO / 2019年3月17日 20時25分
「伸びる新人」が意識してやっている習慣
社会人1年目のための仕事の基本
新年度もいよいよ目前となりました。卒業式も終わり、4月から新社会人になる人たちは、入社してからの生活に思いを馳せているころではないでしょうか。
20代半ばで起業し、33歳で年商50億円の事業に育て上げた横濱コーポレーション代表の菅沼勇基さんは、「会社の中で認められ、地位を与えられている人には、そう扱われる理由があります。新人はまずそれを知ることが一番です」と話します。菅沼さんの著書『社会人1年目の教科書』をもとに、人生の中で「仕事」をどう位置づければいいのかを解説してもらいました。
まず「職場で認められている人」をマネる
どんな職場でも、その職場で認められて、実績も残している人が必ず何人かはいるはずです。その人が認められていることには、必ず理由があります。
実績はもちろんですが、人格もあるでしょう。どんな人が認められて地位を得ていくか、職場ごとに「クセ」のようなものがありますから、自分の職場で認められようとするなら、その職場ですでに認められている上司や先輩のマネをするのが一番の近道だといえます。「伸びる新人」は、意識してそれを実行しています。
「あんな上司や先輩のマネをするのは、気に食わない」という人もいるかもしれませんが、その上司・先輩が好きとか嫌いとかに関係なく、自分の職場で認められている人は、素直にマネるべきです。
別にその上司や先輩が嫌いでもいいのです。すべての人を好きになれるはずがないのですから。でも、上司や先輩が職場で認められ、地位を与えられていることは素直に認めましょう。そして、彼らのいいところはマネするべきと自分に言い聞かせるのです。
実は効率が悪い「自己流」
よくいわれるように、もともと「学ぶ」は「まねぶ」からきているとされます。つまり、マネをすることが学ぶことなのです。たとえばトップ営業マンになりたいなら、騙されたと思って、実際のトップ営業マンのしぐさや口ぐせに至るまで、何だってマネることです。
何でも自己流というのは効率が悪いものです。
学校の勉強だって、数学の公式を導き出そうとすると、難解な数式をいくつも考え出さねばなりません。しかし、すでに過去の数学者たちが導き出した公式を使ったほうが、より難解な数式にチャレンジできるはずです。
人間はそのようにして、過去の偉人たちの功績を効率的に学ぶことによって、どんどんレベルアップし、それによって科学技術が発展してきました。
「自己流」はいつまでもダメ?
職人の世界でもそうです。たとえばいまは、刀剣がなぜか若い女性にも人気だと聞きますが、いくら好きでも刀鍛冶を独学で始める人はほとんどいないでしょう。まずは刀鍛冶の師匠に弟子入りして、代々受け継がれてきた技術を習得するはずです。
そうして技術を習得していった先に、自分なりの「自己流」を見出し、新しい伝統を形作っていきます。そうしてつくられた刀剣は美術品となり、高値で取引されるようになるのです。
このことを「守破離(しゅはり)」と呼びます。基本技術がしっかりと身に着いた上でなら、独自のやり方で師匠のやり方を「破」り、最後は師匠からも「離」れて、独自の世界をつくっていく。しかし、その前には基本を忠実に「守」っていく段階が必要です。つまり、最初は徹底的に師匠のマネをして、基本を身につける段階があるのです。
マネする相手のレベルを上げると自分の実力も高まる
ビジネスでもまったく同じで、その職場で結果を出している上司・先輩を師匠として、マネていく。自己流を見出していくのはそのあとです。
もしどうしてもマネするべき上司・先輩がいないというのであれば、ビジネス書や自己啓発書の内容をまず手本にするのでもいいでしょう。
マネをすることは、決してカッコ悪いことではありません。マネをして成果が出たら、自分のオリジナリティに持っていけばいいわけです。基礎的なところは「型」を習得していくことで出来上がります。
ある一定期間は、完全コピーするぐらいの気持ちで、すべてをマネていきましょう。そして、マネをするターゲットに実績が追いついたら、別のさらに上のステージにいる人にターゲットを変えて、またマネをしていきます。ステージが上がっていくにつれて、目標とする人を変えていくことで、自分の実力はどんどん高まっていきます。
人間関係で重要な2つのこと
もう一つ、新人時代に知っておいたほうがいい知恵をお話ししましょう。
人間関係において、自分を知ってもらうと同時にやらなければならないことは、「相手を知ること」です。そして相手を知るには、「オフィス以外の場での言動をよく観察すること」です。上司や先輩とどこにいるか、オフィスにいるのか、喫茶店にいるのか、カラオケボックスにいるのか、居酒屋にいるのかで、振る舞いは違うからです。
上司が取引先との商談のあとにカフェに寄っていこうと言ったら、「タバコが吸いたいのかな?」と理由を考えてみる、飲み会のときでもすぐに灰皿を出す。そういう普段の小さなことから観察をして、上司の考えを学習していくことです。こうしたことが、上司が仕事上で何を求めているかを考える練習になるのです。
だんだん慣れてくると、先回りして考えられるようになります。飲み会でも「2杯目から焼酎かな」とか。外出先で上司が「スマホの電池がなくなってきた……」と口にしたときも、「モバイルバッテリー、ありますよ」と言えば、「わかってるじゃないか!」ということになります。
ムダな労力を削ることもできる
これを続けていけば、仕事上でも一緒に取引先を回ったときに「あの資料ってある?」と上司から尋ねられたとき、「必要になると思って持ってきています」といったこともできるようになっていくでしょう。
こうした観察眼も、20代のうちに身につけておかなければ、30代になって急にできるようにはなりません。というのも、30代になると、後輩もたくさん周りにいますから、その役目は後輩たちの手前、やりにくくなるはずだからです。
「上司の求めるもの」を想像する訓練をしておけば、ムダな労力を削ることもできます。これはトランプゲームのようなものです。
上司のほしいカードがわからなければ、こちらは1から13まで用意しておかなければなりません。けれども、上司の性格や思考の癖をわかっていれば、「上司がこういうときに求めてくるのは1か4だ」と見当がつきます。すると、ほかの11枚は用意しなくてよいわけです。その分、ほかの仕事ができて、仕事を効率的にこなせます。
飲み会には仕事のネタが埋まっている
最後にもう一つ。最近はあまり聞きませんが、昔のプロ野球界では、「グラウンドには銭が埋まっている」とよく言っていたそうです。言うまでもなく、「グラウンドで活躍すれば、給料はどんどん上がっていくんだよ、だから練習に励みなさい」ということです。それと似たような話ですが、一般の仕事の場合は、「飲み会には仕事のネタが埋まっている」のだと私は考えています。
いまは、上司から誘われても、「今日は友達と約束があるので」と嘘をついて断る若手もいますが、一方で、「飲み会」をうまく利用している人もいます。たとえば、自分のやりたい企画を通しやすくするために、上司と仲良くなる人、あるいは社内での飲み会は仕事に活かせないと考えて、社外の飲み会に積極的に顔を出す人もいます。
いずれも新人にとって、仕事上の力になるはずです。
■ 菅沼勇基(すがぬま・ゆうき)
横濱コーポレーション株式会社 代表取締役。1985年、横浜市生まれ。横浜市立大学国際総合科学部卒業後、住友不動産(株)に入社し、オフィスビルの開発・運営業務、新事業の開発業務に携わる。3年後に独立し、収益用不動産の売買・仲介・賃貸管理を手がける横濱コーポレーション(株)を設立。33歳で年商50億円のビジネスに育て上げたほか、医療法人の理事も務める。
(https://www.amazon.co.jp/gp/product/4295402745/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4295402745&linkCode=as2&tag=cmpubliscojp-22&linkId=3631d2c51922417aa02d2dfe9373ceca)
菅沼氏の著書:
『社会人1年目の教科書(https://amzn.to/2tYzlsI)』
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