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年収1000万でも貯蓄はゼロ!年収と貯蓄の関係性とは

LIMO / 2019年3月17日 12時0分

年収1000万でも貯蓄はゼロ!年収と貯蓄の関係性とは

年収1000万でも貯蓄はゼロ!年収と貯蓄の関係性とは

貯蓄ゼロ世帯の比率は低くはない

年収が多ければより貯蓄が貯まるとお考えの人も多いのではないでしょうか。でも、実際はそうでないということがデータを見るとわかります。今回は公開データを加工し、年収と貯蓄額の関係について見てみました。

公開データにみる年収と貯蓄の関係性

知るぽると(金融広報中央委員会:事務局 日本銀行情報サービス局内)「家計の金融行動に関する世論調査」をもとに、2018年の二人以上世帯について、年収と貯蓄について見ていきましょう。

この調査は平成30年6月から7月にかけて、全国8000世帯(世帯主が20歳以上でかつ世帯員が2名以上の世帯)について層化二段階無作為抽出法で行われ、訪問と郵送の複合・選択式で行われています。回収率は44.7%ととなり、3579世帯が回答した結果となっています。

年収の分布について

まず、年収の分布について見てみましょう。

以下、調査に参加した世帯の年収別の分布は以下のようになっています。

収入はない:1%

300万円未満:17%

300万円以上500万円未満:29%

500万円以上750万円未満:23%

750万円以上1000万円未満:8%

1000万円以上1200万円未満:4%

1200万円以上:4%

無回答:16%

まず、年収1000万円以上の世帯が全世帯に対して8%あるということが分かります。二人以上世帯の調査であるため、一人で年収1000万円以上あるケースや夫婦共働きなどのケースも含まれているでしょう。

また、年収300万円未満の世帯が18%あることが分かります。定年退職後の世帯が含まれているでしょうから、この程度の比率になると思われます。

もっとも世帯数として最も多いのは、年収が「300万円以上500万円未満」です。同年収帯の世帯は全体の約3割を占めています。こうしてみると、いわゆる日本の世帯の年収におけるボリュームゾーンはこの年収帯だと言えます。

貯蓄が3000万円以上ある世帯の年収はいくら

貯蓄が3000万円以上の世帯数が最も多いのはどの年収帯でしょうか。

今回の調査では、年収が「300万円以上500万円未満」の世帯で貯蓄が3000万円以上の世帯が全世帯(3579世帯)のうち3.6%を占め、最も比率が高くなっています。

次いで多いのが、年収が「500万円以上750万円未満」で同2.9%を占めています。

また、3番目に多いのが、年収が「750万円以上1000万円未満」で同1.3%を占めています。

このように、「年収が多いから貯蓄が多いというわけではない」ということが分かります。

もっとも、年収が必ずしも高くない世帯で貯蓄が多いケースとして考えられるのは、夫婦どちらかが定年退職をする一方で、どちらかがまだ仕事を続けている場合で既にどちらかの退職金を手にしているケース、また定年を迎えていないものの親などからの相続を受けているケースなども考えられるでしょう。

年収1000万を超える世帯の貯蓄状況

では、年収が高い世帯で、貯蓄額が3000万円を超える世帯はどの程度の割合なのでしょうか。

年収が「1000万円以上1200万円未満」の世帯で貯蓄が3000万円以上の世帯は全世帯(3579世帯)のうち、1.0%となっています。

また、年収が「1200万円以上」の世帯で貯蓄が3000万円以上の世帯は同1.6%となっています。

年収が「1000万円以上1200万円未満」の世帯よりも貯蓄が3000万円以上の世帯数の割合は増えていますが、先ほど見た年収が「300万円以上500万円未満」の世帯の方が貯蓄として3000万円を超える世帯数が多いことが分かります。

年収1000万でも貯蓄がゼロの世帯もある

先ほどから見ているように、「年収が多いからといって必ずしも貯蓄が多いのではない」ということが分かります。

では、年収が1000万円超でも貯蓄がない人がいるのでしょうか。

これが不思議に思われる方もいるかもしれませんが、実際にはいます。

では、どれくらいの比率で高年収世帯で貯蓄ゼロ世帯がいるのでしょうか。

今回の調査で、年収が「1000万円以上1200万円未満」の世帯で金融資産を持たない世帯は全世帯のうち0.3%います。

また、年収が「1200万円以上」の世帯で金融資産を持たない世帯が0.1%存在します。

こうしたけーすでは、まさにフローの年収は多いけれども、ストックである金融資産がない世帯です。

金融資産がない世帯の割合

では、年収ごとに金融資産を持たない世帯はどのくらいあるのでしょうか。

全体の中でどの程度の比率を占めるのかを見ていきましょう。

収入はない:0.2%

300万円未満:5.8%

300万円以上500万円未満:5.5%

500万円以上750万円未満:2.9%

750万円以上1000万円未満:0.8%

1000万円以上1200万円未満:0.3%

1200万円以上:0.1%

無回答:7.0%

このように概ね年収が高くなるほど金融資産を持たない世帯の比率は減少してきますが、年収1000万円以上あっても金融資産がない世帯があるというのは見てきた通りです。

年収が多いから貯蓄が多いわけではない

ここまで見てきたように、ストックである貯蓄をベースに「お金持ち」と定義する場合に、年収が多いからといって必ずしも「お金持ち」ではないということが分かりました。

「お金持ち」であるためには、年収が多いというだけではなく、他にも要因がありそうです。それは、節約術であったり、資産形成の方法に各世帯で違いがあるのかもしれません。

年収をふやすことは、貯蓄減資を確保するためには一義的アプローチに見えますが、そのフローをいかに有効に活用し、さらにフローで積みあがったストックを増やしていくという考えが必要のようです。

【参考文献】

知るぽると(金融広報中央委員会:事務局 日本銀行情報サービス局内)「家計の金融行動に関する世論調査」

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