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就職活動で「体育会」が強いワケ

LIMO / 2019年3月21日 15時10分

就職活動で「体育会」が強いワケ

就職活動で「体育会」が強いワケ

就職活動でよく耳にするのが「体育会は就職に有利」というフレーズ。これは本当でしょうか。体育会の就職活動は、先輩後輩関係における採用プロセスにフォーカスされがちですが、今回は別の視点、特にチーム形成とその運営という視点等から考察していきましょう。

うらやましかった体育会のOBOGネットワーク

自分が就職活動中に、当時の大学の同級生で体育会に所属する友人がいました。友人は自分が所属する体育会のネットワークを活用して、次々に有名企業に勤務する先輩に会うことができていました。

それを横目にうらやましさと同時に「体育会って、やはりネットワークがすごいな」と感じました。

自分はというと、大学の就職活動のサポート機能を活用して、OBにお会いしていました。そうしたOBは、大学の先輩ではあるけれども、一度も面識がなく、特につながりもない先輩にアポイントメントを入れて会ってもらうという状況でした。

そんな「弱い」つながりで、今になって考えるとよく会ってくれたなと思い、感謝しかありません。ただ、体育会でのネットワークを活用したスピードと比べると、効率的なものとは言えませんでした。

リーダーなのか、フォロワーなのか

私自身、大学卒業後に国内の大手金融機関に入社しました。そこでは数多くの体育会出身の人材が活躍をしていました。

当時は、入社してすぐに新卒採用のお手伝いをすることが当たり前となっており、自分が通ってきた採用プロセスを垣間見ることができました。

そこで感じたのは、「なぜ大企業には活躍する体育会出身者が多いのか」という点です。

体育会出身の人材の印象としては、チームの「リーダー」として活躍する人物がいる一方、「フォロワー」としてチーム運営を円滑にする人材の両方が存在するということです。

私が勤務した金融機関での先輩や同期に関していうと、どちらかといえば「フォロワーシップ」に関して突出する人材が多かったように思います。そうした人材は清潔感もあり、またいいかえると「いい奴」や「ナイスガイ」という言葉があてはまる人が多かった印象です。

体育会というと「キャプテン」という役割とともにリーダーシップをとるイメージが先行しがちでありますが、チームとしてみれば、フォロワーシップは重要な要素です。チームが方針を決めた後には、その方針に沿って物事を運ばないといけないからです。

大企業といっても小さな部署の集合体

大手の金融機関といっても、実際に足を踏み入れるとすぐに気づくことですが、一つ一つの部や課の規模は意外に小さく(就職活動を経て新卒として入社すると特に感じます)、会社によっては異なるでしょうが、私が入社した金融機関は東京でも、課でいうと5から6名、部でいっても数十名という規模です。

金融機関は規制業種であり、監督官庁によるルールに従わなくてはなりません。したがって、上からの指示を理解し、適切に日々の業務に反映させる必要があります。

こうした運営ルールの下で、日々の仕事をこなしていくのにはフォロワーシップが欠かせません。

決められたルールに対して「私は納得ができない」といっても、先ほどコメントしたように金融は規制業種であり、ルールがある以上は従わなくてはなりません。

フォロワーシップとは何か

ここまでフォロワーシップという言葉をいきなり使ってきてしまいましたが、団体で行動する機会がなかった場合には、フォロワーシップという存在自体を意識しないで過ごしてきたというケースも多いのではないでしょうか。

かくいう私も、文科系の部活に所属し、個人で自由に行動するというのが当たり前であったので、フォロワーシップという概念がしばらく認識できずにいました。

フォロワーシップといっても、一見すると「人のということにやみくもに合わせているだけではないか」と思いがちです。

しかし、リーダー決めたこと(もしくはもっと上のポジションからの指示というものあります)をチームとして実行するためには、チームの協力が欠かせません。目標が決まったのであれば、その目標を達成するためにリーダーをサポートしていくのです。

ただ、盲目的にリーダーを支持するというのではありません。時には、批判的な視点からリーダーに対して議論することはあります。いわゆる「ガバナンス」機能ともいえるかもしれません。

万年野党が一番厄介

フォロワーシップについてはイメージを持っていただけたでしょうか。

一方で、上司や同僚の意見等にとりあえず全部反対するというような人を見たことはないでしょうか。そうした態度を示す人を、会社などでは与党の一挙手一投足にとりあえず反対姿勢を示すのを言い換えて、「万年野党」などと呼んでいるシーンなども見かけます。

何でもかんでも反対をして、そもそも自分の考えを言わなかったり、代案を示すなどをしない行為は、チームとして考えれば雰囲気が悪くなるだけではなく、よくなることはあまりないといえるでしょう。

チーム運営を円滑に運営するために、そうした態度の人をいかに前向きに協力してもらうかが日本企業のリーダーシップの神髄というところでしょうか(外資系企業だとそういう人は景気が悪くなるとポジションを失う傾向にあります)。

まとめにかえて

体育会出身者は、スポーツや共同生活を通じて、リーダーシップだけではなく、フォロワーシップを自然に身に着けていることが多いというのが就職活動やその後の社会人生活でポジションを確立できる背景とみています。

最後に話はそれますが、就職活動において、グループディスカッションが果たされることがありますが、その際に必ずしも「リーダー」役を演じる必要はありません。「フォロワー」としてどのように結論を導くプロセスに貢献するか、「リーダー」の間違いを指摘するガバナンス機能を発揮するかも注目ポイントといえます。

 

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