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回転寿司、実はみんな「回っている寿司」を取ってない!?

LIMO / 2019年3月24日 12時10分

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回転寿司、実はみんな「回っている寿司」を取ってない!?

ビジネス、今日のひとネタ

皆さんは回転寿司によく行きますか? 手ごろな値段でお寿司を食べられるという理由で利用している方も多いでしょう。ところで皆さんは、回転レーンに載って流れてくるお寿司を取って食べますか? それとも端末から注文しますか?

2019年3月、Jタウンネットで行われた調査、「回転寿司、レーンの寿司を取る?取らない?」の結果が発表され、複数のウェブメディアで取り上げられて波紋を呼んでいます。

実に70%が「注文」中心で食べる

この調査では、「回転寿司、レーンの寿司を取る?取らない?」という質問に対して、「絶対に取らない」が20%、「注文することが多いが、レーンの寿司を取ることもある」が50.7%、「取って食べることが多いが、注文することもある」が20.4%、「基本的に取る。注文は極力しない」が8.9%という結果でした。

「注文することが多いが、レーンの寿司を取ることもある」派の50.7%と、「絶対に取らない」派の20%を合わせると、全体の7割が「注文中心派」となり、もはや回転寿司のベルトコンベア上を流れる寿司の意義に疑問を抱きたくなりますね。

レーンの寿司を取る理由、取らない理由

この調査結果は話題となり、各所でさまざまなコメントが寄せられています。まず、「回転レーンから寿司を取る派」の声では、

「(注文式は)注文しないと来ないし、時間掛かるしやっぱり、お寿司は回転してる方が良いんだよ。美味しそうで食べたいネタ取れるし」

昨今増えている注文式は、確かに「すぐに来ない」というデメリットも見受けられます。一方で、「注文中心派」の意見としては以下のようなものが挙がっています。

「回転してるネタって乾いてて不味そうじゃん」
「回転レーン上の寿司より注文した寿司のほうが適度に空気が入ってて美味かった」

また、回転レーンに関しては、次のような声も見受けられます。

「レーンの寿司は子どもがベタベタ触ってそう」
「普通にいちど取った皿をまたレーンに流す・・悪いことって認識はないの?」
回っている寿司は絶対に食べない。他人の咳からの唾や手垢が付いているから」

このように、マナーの悪い客やレーンにいたずらをして遊ぶ子がいるといった理由から、回転レーン上の寿司を避ける人も多くいるようです。

そもそもなぜ寿司は回るのか

ところで、そもそもなぜ回転寿司は、ベルトコンベアで寿司が運ばれているのでしょうか? 「寿司が回る」というエンターテインメント性もありますが、「多数の注文の配膳の手間を省き、人手を少なくする」という人件費の削減を意図した経営的観点も大きかったのです。

回転寿司は、もともと1958年に、大阪の「廻る元禄寿司」が導入したものが発祥でした。同店の経営者は「コンベヤ附調理食台」という名前で特許も取っていましたが、この特許が切れた1978年以降、1980年代にかけて、全国に回転寿司のチェーンが次々と設立されていきました。

しかし、タッチパネルで注文した品をレーンで運ぶ技術ができた現在では、わざわざ注文品以外の多くの寿司をレーンに流す必要性は薄くなってしまいました。

「鮮度落ち」での食品ロスをどう減らす?

また、寿司業界では、鮮度を重視する顧客が多いことから、これまで各企業が企業努力を重ね、衛生管理を徹底しながらも、廃棄率を下げてきました。

有名なものとしては、くら寿司の、鮮度管理ICチップを蓋上部につけた透明なプラスチックカバー、通称「寿司カバー」などが挙げられます。

それぞれの企業は、注文の傾向やネタごとの売上など顧客に関するデータと、個々のネタの鮮度に関するデータなどに基づいて、回転レーンに流す寿司の量などを調整しています。結果として(あくまで廃棄率を公表している企業だけの数字ではありますが)廃棄率の平均は3%程度だといいます。しかし、そもそも回転レーンから取るお客自体が減少しているため、誰にも取られずに廃棄となってしまうリスクを抱えつつ、レーンに流す寿司を適切に調整するのはなかなか難しそうです。

回らずに「走る」寿司が増加中

そんな影響からか、回転レーンに寿司を流すのをやめ、お客がテーブルで注文するたびに特急レーンで提供するスタイル、いわゆる「走る寿司」が増えてきています。

序盤にこのスタイルに切り替えたのは「魚べい」や「元気寿司」を経営する元気寿司グループ。切り替えた理由に関して、同社の法師人尚史(ほうしと・たかし)社長は、

・全体の売り上げに占める注文率が8割を超えたこと
・回転レーンをストップした状態での運営をテストした結果、特に問題が発生しなかったこと
・既存店を回らない寿司に転換したところ、売り上げが伸びたこと

などを踏まえて「回転しない寿司」路線に変更したと「ITmedia ビジネスオンライン」のインタビューで答えています。

また、元気寿司グループのみならず、業界トップ4に入る「はま寿司」「かっぱ寿司」などでも、通常の回転レーンのない、フルオーダーシステムを採用した店舗が増えてきているようです。

「お客のマナー」も一因!?

「注文派」が増えている背景としては、「回転しているネタは鮮度が悪そう」という意見はもちろんですが、先ほども触れたように「他人の咳や手垢」「しつけがなっていない子ども」などを気にして回転しているネタを取らないという意見があることからも、回転寿司での「お客のマナー」も関係しているようですね。

しかし、以前と比べると低コストでオーダーシステム導入が可能となってきた上に「注文する派」が増えた現在、「回転しない回転寿司」がさらに増えるかもしれません。今後の回転寿司業界の動きに注目したいところです。

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