日本人が「投資なんて儲からない」と思ってしまう2つの理由
LIMO / 2019年3月27日 20時20分
日本人が「投資なんて儲からない」と思ってしまう2つの理由
お金はシンプルに増やしなさい
きたるべき「人生100年時代」に向けて、あなたのマネー計画は万全ですか? 定年後の時間が長くなることで、お金の備えはこれまで以上に必要になります。国は、iDeCo(イデコ)やNISA(ニーサ)など「投資」の仕組みを整備し、税金の優遇処置を設けて、国民の投資活動をバックアップしていますが、まだ利用していない人も多いでしょう。
「いくら投資の素晴らしさを伝えても、日本人には『投資に対する不信感』が根強くあります」と言うのは、『日本一カンタンな「投資」と「お金」の本』の著者で、ファイナンシャルアドバイザーの中桐啓貴氏です。なぜ、投資は敬遠されるのか? そもそも投資は儲かるのか? 人生100年時代のお金をつくる手段になりうるのか? 同書をもとに中桐さんに解説してもらいました。
周りに儲かった人がいない!?
日本人には株式や投資信託に対する不信感が根強くあります。理由のひとつは、日本株がここ30年間も停滞を続けているので、周りに投資で儲かった人がいないからかもしれません。
もうすぐ平成も終わりますが、平成元年に日経平均株価に投資をして、30年間持ち続けたとしたら、価値は半分になっています。一方、米国株に30年前に投資をしていれば、この30年間で10倍、ドイツ株に投資をしていても10倍になっています。
アメリカ人やドイツ人は、今すぐ使わないお金は、投資に回そうとします。なぜなら、銀行に置いているより投資に回したほうが、長期的に見ればよほど利回りがいいと考えるからです。だから資産の半分以上を投資に回すのです。
翻って日本人は、「日本株の低迷」と「投資に対する正しい知識を習ったことがない」という2つの理由で、投資はギャンブルと似たようなものと思い、資産の10%も投資に回していません。これは日本人にとって大きな機会損失だと思います。
平均2~4年で投資をやめてしまう
私は2007年に『会社勤めでお金持ちになる人の考え方・投資のやり方』という本を出し、その本を通して、「積み立て投資でグローバルに分散投資をしましょう」ということを書きました。そして少なくない読者から「とても参考になった」「ぜひこれから積み立て投資を始めたい」という声をいただきました。
それから早いもので12年が経ち、その間にはリーマンショックやチャイナショックがありましたが、積み立て投資を継続していれば、年利5%以上の利回りは達成できたはずです。
しかしながら、せっかく始めた投資を、多くの人は途中でやめてしまったようなのです。あるネット証券では、積み立て投資をしている投資家の積み立て期間は、平均で2~4年だそうです。10年、20年と継続して積み立て投資をしようと思い立って始めた方が、すぐにやめてしまっているのです。
日々のマーケット変動に動じない
アメリカのファイナンシャルアドバイザーの間では、
「リスクとはマーケットが変動することではなく、投資を途中でやめてしまうことだ」
と言われています。私も独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)として、アドバイザー12名を抱えるIFA法人の経営をしており、約800名のお客様の資産300億円に対して日々アドバイスをしています。その中心となるアドバイスが、「長期分散投資に対する理解を深めていただくこと」です。
最初は投資におっかなびっくりだった人が、長期投資への理解が深まれば深まるほど、日々のマーケット変動に動じなくなります。2018年も2月、10月、12月に大きくマーケットが下がりましたが、一度長期投資の考えを理解された方からは、「(相場の動向を)まったく心配していません」と連絡が来るようになりました。
30年で資産を10倍にするチャンス
アメリカ人やドイツ人のように、「長期で世界に分散投資をする」というのが、一番シンプルで一番儲かる方法です。
平成の次の時代に、どこの国の株がどれだけ上がるかは予想できませんが、世界経済は人口も増え、毎年、成長をしていきます。そこに投資信託を使って分散投資をして、長期で保有してください。そうすれば、誰でも30年で資産を10倍にするチャンスがあります。
長期分散投資を継続するのは簡単なことではありませんが、人生100年時代、リタイア後に資産が枯渇しないためには、資産運用への正しい知識と行動を誰もがしなければいけません。つまり資産運用というのは、人生から切り離すことができない「一生の問題」なのです。
■ 中桐啓貴(なかぎり・ひろき)
兵庫県出身。1997年「最後の新入社員」として入社した山一證券の倒産を経て、メリルリンチ日本証券で富裕層向け資産運用コンサルタンティングに従事。その後、米国でMBAを取得中、人々を幸せにしている現地のファイナンシャルアドバイザーの姿に衝撃を受け、日本でも同様のサービスを根付かせようと決意。2006年に「銀行でも証券会社でもない資産運用のパートナー」として設立したGAIAでは、これまで1万件を超える資産運用アドバイスを行う。主著に『損しない投資信託』(朝日新書)などがあり、著書累計部数は10万部を超える。
(https://www.amazon.co.jp/gp/product/429540280X/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=429540280X&linkCode=as2&tag=cmpubliscojp-22&linkId=5ee9fb9b2a0ee3858b3379153140b748)
中桐氏の著書:
『日本一カンタンな「投資」と「お金」の本(https://amzn.to/2FBrYyd)』
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
<13>予想する投資、しない投資。わたしができそうなこと
トウシル / 2024年9月22日 11時0分
-
投資初心者が知らない「投資・投機」の違い!老後の資金運用のために今からできることは?
ハルメク365 / 2024年9月8日 14時50分
-
41歳・年収600万円男性「オルカンに6年間、積み立てをやめなくてよかった」元本300万円はいくらになった?
オールアバウト / 2024年9月5日 6時10分
-
新NISAも拍車をかけ「投資」が勧められるも…ボーナスの使い道、圧倒的1位は「貯金」。いつまでも変わらない日本人
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月26日 10時45分
-
「株価がまた下がるのではないか」恐怖に襲われた新NISAデビュー組がいま絶対にしてはいけないNG行動
プレジデントオンライン / 2024年8月25日 9時15分
ランキング
-
1フランフランが「若年女性」人気を総取りするワケ アインHDによる買収を経て、再成長できるのか
東洋経済オンライン / 2024年9月22日 8時0分
-
2「無料のモノはもらわない」お金のマイルール 日々を健やかに過ごす「失敗を許容するお金」
東洋経済オンライン / 2024年9月22日 9時0分
-
3「三菱商事、伊藤忠、ゴールドマン・サックス」がずらり…偏差値55なのに就職実績"最強"の「地方マイナー大学」の秘密
プレジデントオンライン / 2024年9月22日 10時15分
-
4「100円マック」も今は昔 値上げしたマクドナルドなぜ好調? コスパ重視の客には500円台のセットで対応
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月22日 6時15分
-
53浪東京藝大「音楽諦めた」彼女の"運命の出会い" 家庭環境の変化で、一度は夢を諦めたものの…
東洋経済オンライン / 2024年9月22日 8時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください