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スタバやマックでプラストロー廃止。日本のリサイクルってどうなの?

LIMO / 2019年3月31日 19時40分

スタバやマックでプラストロー廃止。日本のリサイクルってどうなの?

スタバやマックでプラストロー廃止。日本のリサイクルってどうなの?

昨年からスターバックス、マクドナルドなど大手飲食チェーンで始まったプラスチック製ストローの廃止。こうした使い捨てプラスチック容器等の廃止はもはや世界的なムーブメントとなっています。

しかし、実際のところなぜいきなりこうした大きな動きになっているのか、詳しく知らないという人も少なくないでしょう。そこでプラスチック廃止の背景やリサイクルの現状についてまとめます。

世界中で発生している海洋プラスチック問題

私たちの生活になくてはならない存在となっているプラスチック。耐久性、価格の安さ、手軽さなどの面から、幅広い製品や包装に使用されています。しかし、その手軽さゆえに問題になっているのが、使い捨てされることで大量に出るごみ。

捨てられたプラスチックごみは最終的には海洋に流れ着き、「マイクロプラスチック」と呼ばれる細かな粒子になることで海洋生物の体内に取り込まれていきます。そしてその海洋生物を口にする人間にも大きな影響を及ぼす危険性を秘めているとされているのです。

現在、世界中の海に存在しているプラスチックごみは、1億5,000万トンと言われています。そして、そこに新たに流入されると推定されているプラスチックごみは少なくとも年間で800万トン。

このままだと世界中の海にどんどんプラスチックごみが流れ着いてしまうということが、各国で深刻な問題になっています。地球が滅亡するというSF映画のような最悪のシナリオが、現実味を帯びていると言っても過言ではないのが現状です。

プラスチックごみ発生量、国別ランキングで日本は?

日本ではプラスチックのリサイクルが進んでいるように思えますが、意外にも2016年におけるプラスチック容器のリサイクル率は46.6%にとどまっています。一方で、分別しやすいラベルなど対策が進んでいるペットボトルのリサイクル率は世界的に見ても高く、2017年度においては84.8%。

ペットボトルのリサイクルについては対策の効果が見られますが、プラスチック全体のリサイクルについては改善の余地があるというのが現状です。

次に、環境省が昨年8月に発表したデータを見てみましょう。人口密度や経済状態等から国別に推計した、陸上から海洋に流出したプラスチックごみ発生量(2010年推計)の国別ランキングを見ると、1位は中国が132~353万t/年という数字をたたき出していました。

日本は30位で2~6万t/年でしたが、1位の中国を筆頭に2位はインドネシア、3位はフィリピン、4位がベトナムと東・東南アジアが上位を占めるという結果に。こうした現状から日本が先頭を切ってプラスチックごみ問題に対処することは、世界に向けたアピールにもなるという見方もあります。

転換期を迎えているリサイクル事情

海洋プラスチック問題の現状を受け、世界ではどのような動きが起こっているのでしょうか。

昨年10月、アメリカの清涼飲料水メーカー最大手であるコカ・コーラや、日用品・食品の大手ユニリーバ、スウェーデンの衣料大手H&Mなど有力企業を含む世界で250もの企業や団体は、プラスチックごみの削減を目指す共同宣言に署名しました。2025年までにプラスチック包装を100%再利用可能な包装に移行する方針です。

日本でも、一般社団法人全国清涼飲料連合会が「清涼飲料業界のプラスチック資源循環宣言」を発表。2030年度までにペットボトルの100%有効利用を目指すとしています。

この宣言には大手飲料メーカーが賛同。特に使用済みペットボトルからペットボトルを再生する「メカニカルリサイクルシステム」を日本で初めて開発したサントリーでは、2025年までにサントリー全体のペットボトル重量の半数以上に再生ペット素材を使用していくことを目指す取り組みを発表しています。

このように、スターバックスやマクドナルドなどだけでなく、日本や世界中の企業でプラスチックごみに対する取り組みが次々と打ち出されています。そのほとんどが、今後約10年間における取り組みを目標とするものです。

今、プラスチックを取り巻くリサイクルの現状は地球規模で転換期を迎えているといっても過言ではありません。各企業がこうした取り組みをしているということは、私たちが普段食べていたり買ったりしているものに大きく影響しているということ。リサイクルは興味があるなしではなく、すべての人の生活に関係する段階にきているのです。

【参考】
PETボトルリサイクル推進協議会「リサイクル率の算出」
日本容器包装リサイクル協会「年次レポート2017」
WWFジャパン「海洋プラスチックについて」
環境省「プラスチックを取り巻く国内外の状況」

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