職場で感じる「女だから」の悩みを聞いてみた。やっぱり女性は損なのか?
LIMO / 2019年4月6日 20時20分
職場で感じる「女だから」の悩みを聞いてみた。やっぱり女性は損なのか?
女性の社会進出が拡大しているとはいえ、まだまだキャリアのことで悩む女性は多いと思います。男性と比較して、結婚や妊娠、出産などのライフイベントが女性のキャリアに与えるインパクトは大きく、ずっと同じように仕事をしていればいいというわけではないんですよね。
また、まだ日本の社会では女性は不利に感じることも度々あると思います。今回は、仕事をしている20代~30代の女性に、キャリアの悩みを聞いてみました。同じように悩んでいる人もいるかもしれませんので、解決策を考えてみましょう。
セクハラやパワハラとの闘い
ある銀行で働く20代の女性は、セクハラやパワハラとの闘いがツライと語ってくれました。彼女の働く金融機関の支店では、男性は二極化していると言います。
一方はハラスメントの概念を全く気にも留めず、セクハラやパワハラを平気な顔でやってのける男性。もう一方はセクハラやパワハラで訴えられるのではないかと女性との関わりを避ける男性です。いずれも彼女にとっては居心地が悪く、働きづらいと感じているようです。
金融機関という勤務先の特徴もあるのではないかと話す彼女。研修の多い金融機関では、管理職になるとセクハラやパワハラに関する研修を受けますし、社内メールでも人事から頻繁にセクハラやパワハラに関する注意メールが来るのだと言います。そうした研修や注意メールに過剰におびえる人もいれば、「セクハラがなんだ、パワハラがなんだ」という態度の人もいるのだとか。
セクハラやパワハラにおびえるタイプである彼女の直属の上司は、男性の部下ばかりを贔屓し、業務外でも毎日のように男性の部下を誘って飲みに行っているそうです。一方で、彼女など女性の部下に対しては腫れ物にさわるような態度で、業務外の付き合いは一切なく、距離が縮まったり信頼関係が築かれたりすることもないとのこと。それではちょっとやりづらいですよね。
こうした場合はもう割り切って仕事の中で成果を出すか、業務の中でこまめにコミュニケーションを取るかしかないでしょう。日本では業務外の付き合いで親睦を深めることもありますが、欧米諸国ではビジネスの中で信頼関係を築いていくものだそう。欧米風だと割り切って、余計なことは考えずに仕事に集中し、業務内でのコミュニケーションを心がけて上手く付き合っていきましょう。
男性と比べてより多くの努力が求められる気がする
あるIT企業に勤める20代の女性も、男性との付き合い方やほかの男性社員との差で悩んでいました。男性社員が多い彼女の会社では、女性は常に格下と見られている感じがするというのです。
具体的に言うと、会議に召集されていなかったり、プロジェクトリーダーに起用されなかったり、雑務や単純作業のような仕事は女性に任されがちだということだと言います。しかし、彼女は「それが年齢や経験によるものなのか、性差別に基づくものなのかはっきりとしない」ことが悩みなのだそう。
彼女の会社で女性社員が増え始めたのはここ5〜6年のことで、男性よりも比較的若く、経験も短い女性社員が多いのでそれが理由なのかもしれないとも感じているようです。
しかし、「経験の短い男性でも呼ばれている会議に、同世代の女性社員は呼ばれないこともある」とか、「もっと若い男性社員がたくさんいるのに、わざわざ中堅の女性社員に単純作業のような仕事を割り振る」など、明らかにおかしいのではないかと感じている部分もあると言います。
しかし、これを責めようにも「個人のスキルや能力を考慮しての仕事分担だ」とか「年齢や経験による」という言い逃れもできることを考えると、下手に意見をして目をつけられてしまうのはいやだと悩んでいました。
筆者もこういった環境には経験があり、やはり不服に感じていました。筆者の場合は積極的に「そのプロジェクトにかかわりたい」と手を挙げてみたり、その領域について専門知識を多く身につけ、プロジェクトメンバーとして必要だと思われる状況をつくってみたり、上司に直訴したりもしました。
しかし、そうした手が通用しないケースもあると思います。その場合はその上司よりさらに上の立場の人と親しくなり、嫌らしくならない程度に相談してみたり、同僚の協力などを得られるよう相談したりしてもいいと思います。
また、周囲の女性と協力しながら職場全体の雰囲気を変えていくことも大事です。「女性がスキルや能力を活かせないまま抑圧されている感じがする」という彼女の職場。今より女性の活躍が目立つ職場にできるよう、周囲と相談してみるのがいいかもしれませんね。
「妊娠、出産、子育て」との付き合い方
3人目は、証券会社で働く30代の女性です。彼女は産休、育休を経て現在時短勤務を利用して職場復帰を果たしたばかり。しかし、「なんで私ばかりキャリアを中断して会社に行けなくなって、育児の負担を背負わなくちゃいけないのかと腹立たしかった」と言います。
旦那さんの会社は忙しく、とても男性の育休が認められるような社風ではないとのこと。彼女は「妊娠、出産は女性しかできないことだから仕方ないと思うけれど、育児については男性にも参加してほしいし、育児によって女性がキャリアを思うように築けないのはずるいと思った」と語ります。
確かに、日本の男性は育児参加にまだまだ消極的で、男性が育児に充てる時間は世界的に見ても短いということはよく知られたことですよね。これに女性が不満を持つのも不思議ではありません。日本で働く女性にも、キャリアを築きたいと思っている人は大勢います。子どもがいるからといって仕事ややりたいことをあきらめたくないと思っている女性も多いでしょう。
こうしたケースでは旦那さんとの話し合いも重要です。もし時間的に余裕があるのであれば、旦那さんには子どもができる前に、男性でも育休が取れる会社に転職してもらうことも選択肢かもしれません。妊娠、出産前にどちらがどれだけ、何を分担するのかということを決めておくのもいいですね。保育園の送り迎え、イベントへの対応、急な病気やケガの呼び出しにどちらが応じるのか、育児と家事の分担などをあらかじめ話し合っておく必要があります。
また、夫婦2人だけで頑張ろうとせず、それぞれの家族からのサポートや、育児・家事の負担を軽減してくれるサービスを積極的に活用するのもいいでしょう。旦那さんにも会社と話し合って、育児負担について職場の人の理解を得られるように以前に準備しておいてもらえるといいですね。
まとめ
いかがでしたか。今回は3人の女性に話を聞くことができましたが、それぞれ抱えている悩みがあり、どれも簡単に解決できるものではありませんでした。
彼女たちと同じように悩みを抱えている人も多いと思います。しかし、そういう悩みは1人で抱え込まず、周囲に相談したり、信頼できる人に打ち明けたりして少しでも自分をラクにさせてあげましょう。周囲と協力して環境を変えようとするのもいいと思います。無理はせず、できることから始めてくださいね。
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