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友人に貸した1000円が返ってこなかったら? 父が娘に伝えたいお金の話(1)

LIMO / 2019年4月16日 21時15分

友人に貸した1000円が返ってこなかったら? 父が娘に伝えたいお金の話(1)

友人に貸した1000円が返ってこなかったら? 父が娘に伝えたいお金の話(1)

新社会人、おめでとう!

ちょっとタイミングを逃したが、新社会人おめでとう! 君は親から巣立って、これからはとりあえず食っていかないといけないわけだ。ま、実家から通うのもあと数年かもしれないが、社会人になるにあたって、お父さんにちょっとしたアドバイスをさせてほしい。

辛抱する木に金がなる

入社式が終わると、いろいろな人事関係書類を提出することだろう。厚生年金や健康保険への加入、給与振込口座届等々の事務手続きがあることと思う。何! 今では全部インターネット経由でオンライン処理だと? それはずいぶんと便利な世の中になったものだ。だが、これらの手続きもすべてお金に関わることだと理解してほしい。

それはさておき、これから君はお金とは切っても切れない生活を送ることになるので、黙ってお父さんの話を聞いてくれ。

初任給をもらったら、給料の2割は預貯金にして貯めることだ。最初のうちはキツイと思うが、それが後々大きな財産となっていくことを保証しよう。いまのところ、金利、つまり銀行が払ってくれる利子はほとんどゼロ%だが、貯める努力自体が重要なのだ。

「辛抱する木に金がなる」って言うだろ。

また、会社がらみで保険への勧誘があるかもしれない。いわゆる生命保険というやつだ。日本人は世界でも有数の保険好き国民だから、ついつい安易に保険に入ってしまう。でも、よく考えてみよう。22歳の君が生命保険に入っても、結局保険金は自分では使えないし、死後もらえるのは君のダンナか子供だ。一生独身のこともあるので、保険料を一生払い続ける価値があるかどうか、よく考えてほしい。

生命保険文化センターによれば、一世帯当たりの年間保険料支払い額は38万円(月3万2000円)になり、30年間払い込むと1140万円にもなるそうだ※。

金融商品に対する疑問を常に持っておくと、君の金融センスは格段に向上するんだよ。

※生命保険文化センター「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査〈速報版〉(http://www.jili.or.jp/press/2018/pdf/h30_zenkoku.pdf)」より

お金の貸し借りと人間関係

借金の話もしておこう。借金には良い借金と悪い借金がある。たとえば、友達同士の少額の貸し借りだ。君の友人が、「財布を忘れたので今日だけ千円貸してくれないかしら、明日必ず返すからね」と言うなら、ましな借金と言えるだろう。

別な言い方をすると、君が友人に千円を貸したら、君は債権者となる。友人は債務者となる。この専門用語、ちょっと難しいかな?

普通は借金をすると、お金の借り賃として“利子”を支払わなければならない。でもこのケースでは、君の友人は明日返すと言っているし、同じ社内の同僚である君から借金したのだから、おそらく君は、たった千円を取りっぱぐれる可能性はゼロに近い。

専門用語を使うと、デュレ-ション・リスクは1日、クレジットリスクはほとんどなし、ということになる。

同僚関係がこじれても何なので、ここは大サービスで利子なしで貸してもいいだろう。

ただし、気を付けないといけないこともある。君の友人が金を返さないこともあるということだ。この借金は口約束だ。明日になって、「千円なんて借りたかしら?」と開き直られる可能性もある。

この場合、君はどうすればいい? 選択肢は次の2つだ。

① 千円を取り戻すため、友人に督促を続ける。
② あきらめる。

選択肢①は、いかに君が“債権者”であっても辛い対応だ。“債務者”は同僚で、毎日顔を突き合わせないといけない。「借金返せ」と言い続けるのは、心理的にも難しい。

つまり、金を貸した債権者でも「債務者に対し絶対的に有利な立場になるということではない」ということを理解してほしい。

選択肢②はスマートなやり方だ。失ったところで、千円。そのうち忘れる金額だ。忘れたふりをして督促を続けなければ、同僚関係も表面上うまくいくように見える。ただし、君はこのことを一生忘れないだろうし、友人は人生で最も重要な“信用”を失うことになる。

結論的には、①も②も辛い対応となる。したがって、お金を貸すのであれば、“戻って来ない”ことを覚悟で貸すしかない。つまり、同僚や友達を失って人間関係が壊れることを前提で、ということなのさ。

仮に個人は忘れることはできても、銀行はお金を貸したことは忘れない。滞納した債務者からは懲罰的な金利を取るか、二度と取引ができないようにするのがオチだ。

ことほどさように、人間関係でお金が絡むと何かと世知がらくなる。でも、君がしっかりした社会人になるためには、お金に毅然とした態度でないと、お金は君に振り向いてくれない。これを分かってほしい。

次は、「悪い借金」と「資産形成」について話そう。

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