転職してうまくいく人、いかない人の違いは何? キャリアのプロに聞いた!
LIMO / 2019年4月15日 19時45分
転職してうまくいく人、いかない人の違いは何? キャリアのプロに聞いた!
最近は事あるごとに人手不足と言われます。こうした環境では転職活動もあまり難航せず、希望の会社に転職できる人も少なくないかもしれません。しかし、就職活動でもよく言われることですが、転職することがゴールではありませんよね。重要なのは、その後のキャリアを築いていくことです。
そこで今回は転職した後に着目し、「転職後にうまくいく人、うまくいかない人」の特徴を、とある転職エージェントで働くAさんに聞いてみました。
自分に向いている仕事、不向きな仕事がわかる
転職において、自分にはどんな仕事が向いているのだろうと考えるのはとても大事なことです。「転職活動では色々なことを考えると思いますが、その際に自分の長所と短所を正確に把握し、向き不向きを客観的に判断することが大事」だとAさんは言います。
たとえば、自分は「ルーティン作業や細かい作業が苦手だけれど、どんどんアイデアを出していくのは得意だ」とか「数字を使った分析は苦手だけれど、推進力があってプロジェクトのかじ取りは得意だ」とか、自分の得意なことと苦手なことをきちんと分析できていると転職活動でも内定をもらいやすく、転職後の職場でも活躍できるのだとか。
このとき、「得意だと思っているもの」と「苦手だと思っているもの」を、気のおけない友人何人かに尋ねてみることがオススメだと言います。また、同じ職場で働く上司や同僚に聞くことが可能であれば、より率直で客観的な意見が出てくるかもしれません。
自己分析の結果が必ずしも正しいとは限らず、もしかすると自分では得意だと思っていたことが他人からは苦手に見えるという耳の痛い話であることも。しかし、「耳の痛い話こそ、謙虚に受け入れて自分の成長に活かしていくべき」だと、キャリアのプロは語ります。
自分に適したポジションがわかる
会社には組織があり、組織の中にはそれぞれのポジションがあります。平たくいえば、一般社員、管理職、役員などのポジションです。以前は一般社員の転職が圧倒的に多かったという転職市場ですが、最近は40~50代の管理職層、役員層の転職も増えているのだそう。
Aさんは、「ミドルの転職ほど、自分の適正ポジションと仕事のスタイルを把握していることが大事」だと話します。また、「40~50代になると、多くの人が自分の適性にかかわらず管理職になってしまう。しかし、マネジメント能力が著しく低い人、人に指示するのが苦手で自分で手を動かしたい人、部下を信用していない人、決断できない人など管理職に不向きな性格の人もたくさんいる」のだそう。
こういう人が管理職になってしまうと、周囲も大変で自分自身もストレスを感じることが多くなってしまいます。周囲とうまくやっていけないと自分の管理職としての評価も下がってしまい、結果として転職前のほうがよかったという結果になりかねません。
Aさんの顧客の中には、「今は管理職をやっている。しかし、自分はマネジメントには不向きで自分で手を動かしたいタイプだから、周囲の反感を買ってしまった。会社のためにも自分のためにも転職したい」というケースもあるのだそうです。
「そういう人は自分でバリバリやってきたからこそ、スキルや専門性を十分すぎるほど持っており、その分野の知識も豊富なことが多く、競合他社にとっては喉から手が出るほどほしい人材。そういう人を紹介すると喜ばれる」と話してくれました。
しかし当人は管理職が向いていないと言っているので、「交渉次第で管理職の給与を保証しつつ、管理職ではないポジションで働くという人も少数ですがいます」とAさん。その人は、「のびのびとやりたい仕事ができて、転職して本当によかった」といまだに連絡をくれるのだそうです。
どんなに自信があっても謙虚でいられる
転職だけではなく普段の仕事でも同じことが言えますが、謙虚さと勤勉さは仕事において非常に重要です。「転職活動のときは自信満々でいい、しかし転職後の職場に向き合うときには謙虚であったほうがいい」とAさんは語ります。
転職活動においては自分のこれまでの実績を、自信を持って話せるというのはプラスに働きますよね。しかし、職場の仲間とうまくやっていくには、その実績は一度脇に置いて謙虚な姿勢で臨むべきだと言います。
新しい人を迎え入れるとき、人は「この人はどういう人なのか」というのを見極めようとしますよね。誰でも経験があると思いますが、新しく入ってきた人が威張り散らしたり、何でも知っているような顔をしたり、これまでの実績を語って偉そうにしてきたら「この人嫌だな」と思うものです。
これでは受け入れる気持ちがなくなってしまいますよね。最初でつまずくと挽回するのはかなり厳しくなります。謙虚な姿勢で臨むことで新しい職場でもやりやすい環境を整えることができるのです。
人の信頼を勝ち取る方法を知っている
人の信頼を得ることは簡単ではありませんよね。しかし、信頼を得ないと仕事ではうまくいきようもありません。Aさんによると「初対面の人たちから信頼を勝ち取るための方法を知らないと、転職後の職場で何もさせてもらえない可能性がある」のだそう。
たとえば細かいことですが、言われたことはすぐにやるとか、わからないことはきちんと聞くとか、教えてもらうときは何度も同じことを聞かなくていいようにメモしたり、自分なりに情報を整理してまとめたりなど、そういう基本的なことは当然するべきです。
また、人とのコミュニケーションにおいてもすぐに名前を覚えるとか、笑顔で話をするとか、人の話を遮らないとか、当たり前のことのように見えて意外とできていないこともあります。
特に重要なのは「仕事以外のコミュニケーションを取る」ことなのだと話すAさん。それができれば業務でもスムーズにやりとりできますし、業務外のところで仲良くしておくと「ちょっといいこと」がたくさん出てきます。そういうことが積み重なって職場の人間関係も円滑に進むようになるのだと言います。
「要は社交性ですが、プライドや引っ込み思案な性格を仕事で持ち出すと面倒なことになりやすい」と話すAさん。新しい職場では積極的にコミュニケーションを取ることが大事なようです。
まとめ
いかがでしたか。転職がうまくいっても、その後うまくやっていくことは意外と大変です。郷に入れば郷に従えと言われるように、その会社独自のルールもありますし、周りの人をどれだけ味方につけられるかという点も重要です。転職して後悔しないよう、自分の特性やクセなどを一度振り返ってみるのもいいでしょう。
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