塾の月謝、高い塾と安い塾の違いはどこにあるのか?
LIMO / 2019年5月1日 10時45分
塾の月謝、高い塾と安い塾の違いはどこにあるのか?
子供の塾選びをする時、月謝を気にする親も多いはずです。安さを全面的に出している塾もあれば、家計に負担がかかるような高い塾もあります。塾という大枠の中で、どうしてそこまで違うのでしょうか。両者の違いを見ていきましょう。
月謝のベースは授業料と施設維持費
集団形式、個別形式ともに、毎月の授業料と光熱費代などの施設維持費が基本的に月謝となります。夏期講習などの季節講習会は普段の授業ではないので、別途申し込みをし支払いをします。また、レギュラーの月謝以外にも教材費を新調するたびに追加徴収されているのですが、この教材費が曲者なのです。
授業料は安く教材費が高いケースもある
”激安の月謝”を前面に出しているものの、使用する教材で利益を出そうとしている塾も中にはあります。あまり使わないような教材をどんどん買わせたり、金額に見合わない教材を売りつけようとします。
安さにひかれて入塾する前に、教材費など他の諸経費を確認しておき、トラブルを回避するのがベストです。塾の教材は市販品とは違い標準価格がないので言い値で売れます。「安いと思っていたのにトータルでは高い!」という事態にならないようにしましょう。
個人経営は全体的に経費を抑えて生徒を獲得している
地元密着型の個人塾では、塾長が「家計の負担にならない月謝で勉強する機会を与えたい」と理想を掲げているケースもあります。そういった塾は地元の親から支持されて毎年生徒が途切れなく入会しています。
副教材には塾長がコピーしたプリントを使用するなど、余計な費用が掛からないように配慮するケースが多く、中学生向けの定期テスト対策も無料や安価で実施するなど、親目線を忘れません。
ただし、地域トップの学校に強いのは大手の塾というのは全国的に見られる傾向なので、トップよりミドル層以下の生徒が集まります。
高い月謝に隠された意味とは
一方、月謝の高い塾はどうして強気の料金設定なのでしょうか。
安い塾から移ってきた生徒に理由を聞くと・・・
筆者は比較的月謝が高めの塾で仕事をしていました。仕事をしていた当時、激安塾や季節講習会無料などをうたう塾が進出してきてので、「どういった違いがあるのだろう?」と疑問に思ったものです。
ちょうどその頃、安い塾をやめて入会した生徒がいたので私の疑問をぶつけました。するとその子は「使用している教材があまりにも簡単すぎたのでやめた」と答えました。
難しい教材を扱うには、先生たちの予習や研修が必須です。筆者自身、必ず予習をして授業に臨んだのですが、その子が通っていた塾ではそういった必要もないほど、簡単な問題を取り扱っていたようです。
ただし、安い塾=簡単という考えは安直すぎるので、全てに当てはまるわけではありません。どんな塾でも、子供のレベルに見合っていない塾に通わせるとお金の無駄になります。日頃から子供のことを観察して、ふさわしい塾を見つけるようにしましょう。
講師の研修や適性検査の費用
筆者が仕事をしていた頃は、ちょうどゆとり教育からその反発が出始めてきた激動の時期で、教育熱の高い親と一般家庭の親との温度差を講師の間で確認し合ったり、話し合ったものです。
仕事をしていた2000年代後半、勤めていた塾では先生全員が適性検査を受けることになりました。塾の仕事は子供の教育を扱うので人格や法律に関する知識を厳しくチェックするため、との説明を受けたのです。そうった検査を導入するにはそれなりの費用がかかりますし、どういった傾向の先生が多いかという分析を外部に依頼しているはずです。
塾も企業です。大手になればなるほど抱える先生の数も増えていきます。研修にしろ適性検査にしろ、表には出にくい社員教育に力を入れていると、その分月謝はどうしても高くなるのでしょう。
個人情報の管理費もばかにできない
パソコンで生徒情報を管理するのは当たり前の時代ですが、塾は個人情報にとても敏感です。住所はもちろんのこと、成績なども全てパソコンで管理しているので、不正アクセスなどで漏洩するのを阻止しなくてはなりません。
情報漏洩などあった場合、その塾の信頼は地に落ちますから、ウィルス対策やセキュリティー対策などに費用をかける必要があります。対策に見合った金額をセキュリティー会社に支払い、生徒の個人情報を守っているのです。
しかしながら、保護者にはこういった発想はあまりないようで、知り合いのママ達との会話でセキュリティー対策に関して話をしてくる方とは、まだ会ったことがありません。
まとめ
塾選びにあたっては、親なら誰しも月謝を気にします。たしかに、塾の月謝は家計への負担が大きいものです。特に受験学年になると、いつも以上に季節講習会を受講しなくてはならず、懐事情がきびしくなります。
しかし、どの塾にも特色があり、「安いからダメ、高いから良い」とは一概に言えません。また、値段を気にしすぎると「子供の成績を上げる」という本来の目的を見失ってしまいます。予算に気を配りながらも、子供に合う塾かどうかという視点に立って選ぶことが大切です。
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