何でもサブスクリプションビジネスにするのは間違っている〜サブスク乱立時代の目利き力
LIMO / 2019年5月16日 21時15分
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何でもサブスクリプションビジネスにするのは間違っている〜サブスク乱立時代の目利き力
成長し続けるビジネスの仕組みである「ストックビジネス」についてお伝えしていく本シリーズ。今回は最近流行りの「サブスクリプション(サブスク)ビジネス」との違いについて考えます。
サブスクビジネスは後から試練がやってくる!?
サブスクビジネスとは、製品やサービスを一定期間利用することに代金を払ってもらうビジネスモデルです。今では、新しいサブスクビジネスが毎日生まれていると思えるくらい、次々と定額制サービスが出てきます。
しかし、3年前からサブスクリプションを研究してきた私としては、これからは「サブスク疲れ」が始まるという感じを受けています。実際、本物だけが厳選されるという乱立時代に入りつつあります。
お試しで導入を促すのがサブスクの特徴ですので、一気に利用者を獲得できる部分はとても魅力的でもてはやされていますが、似たようなサブスクビジネスが急増してしまったら人はどんな選択をするでしょうか?
むしろ提供する会社には試練が後からやってきます。乱立する中で選ばれ続ける要件は何か。ここは”継続率を維持するチューニング”というストックビジネスの肝の部分に通じる部分なので、ストックビジネスを追求してきた私たちには一歩先んじたノウハウがあります。
玉石混交のサブスクビジネスを目利きする法
そこで、事業の継続的成長の実現を目指すストックビジネスアカデミーでも、早速課題にあげました。サブスクは継続するからこそ価値があるわけですから、まず、継続するということは一体何なのかということから考えてみましょう。
▪︎「購入」とは、お客様が得る価値に対価を払うこと
▪︎「継続」とは、顧客が必要とする価値が連続していること
▪︎「継続する」とは、顧客が必要とする以上の価値が常にある状態
そして絶対的な価値と、相対的な価値の変化によって継続が途切れる、ということになります(ストックビジネスアカデミー「継続するとは」より)。
つまり、既存の商品をあたかもサブスク風にアレンジして単なる月額で提供している会社が増えていますが、これは需要が増えるのではなく需要の先食いになるだけなので必ず廃れます。
今起きていることはブームですので、定額制がフィットするものも、まったくそうではないのに月額制に変わったものも同じように「サブスク」という看板で表示している状態。
サブスクをうたった一つ一つのサービスを見ていくと、成長し続けるビジネスの仕組みである「ストック思考」を学んでいる方ならば、すぐに違和感レベルでそのサービスの欠陥に気づくはずです。
では、定額制にフィットしているかはどう判断すればいいのか。その一番簡単な方法をお伝えします。
もしあなたがその商品サービスを提供しているならば、「そのサービスは継続的に価値を提供しているか」という問いかけをしてみてください。
ストックビジネスになるには、どのような商品・サービスでも継続的な価値を提供していなければ続きません。
ストックビジネスというのは時間とともに事業が安定して成長する仕組みになっているものですが、ポイントは「継続しやすい仕組みになっている」ことと、「継続することで強みがより際立って強くなる仕組み」が入っていることです。
たとえば、みなさんがよく使っているデータストレージなどは、初めは無料で使い始め、容量が増えると有料になりますね。なんの疑いもなく体験していますが、一定容量まで無料ですから、誰でも「継続しやすい仕組み」です。
また、一定の容量まで増えてくると、またゼロから始めるところに引っ越しするのは面倒になる。つまり、「慣れと便利さでますますやめられない」というわけです。
もう一つ、私が常連のパーソナルトレーニングジムの例ですが、ここは退会率が極めて低いのです。この場合の「継続しやい仕組み」は、担当トレーナーとの約束です。
週に1回というゆるいペースで確実に筋肉をつけ、体調のいい状態を体感させた後は、維持する価値を認識させて週1回だけは続けさせます。
そして、通えば通うほど「データが蓄積されて、より的確な体調管理のパートナー」になっていきます。金額は同じでもますます存在価値が高まる仕組みです。
どんな商品・サービスでも継続しやすい仕組みは考えられるし、続ければデータや特徴などが蓄積されてより顧客に近い存在になります。
難しく考えなくても「継続しやすい仕組み」と、「継続することで強みがより際立って強くなる仕組み」を意識すればいいのです。
このように、サブスクもストックビジネスを強靭にする手法として使うものであって、サブスク=ストックビジネスではありません。
ですから、いきなり定額制の仕組みの話からサブスクを語るのはナンセンスです。「そのサービスは継続的に価値を提供しているか」を見極めてください。
定額課金だけを考えるのは間違い
最後によくやる間違いをお伝えして終わります。
継続的な価値を提供するというと、定額課金のものばかりを考えてしまいますがこれは間違いです。月額制の商品だけではないのです。
たとえば、請負で機器を製作して納品するメーカーでも、「納品後にその機器はお客様に継続する価値を提供しているか?」と、次のような側面から考えてほしいのです。
継続的に集客効果を上げているか?
継続的にコストを削減し続けているか?
常にお客様に安心感を与えているか?
この「お客様が受け取る継続的な価値」がなかったとしたならば、あるいは継続性が弱い場合には、その商品・サービスは定額制を考えるのは時期尚早なのです。まずそこから直していく必要があります。
いかがでしたか。ストック思考で自分の事業の未来を作りたい方は「ストックビジネスアカデミー(https://otaketakahiro.com/jissen)」を覗いてみてください。そこに学びがあるかもしれません。ストック思考で仕事が楽しめる、このアカデミーはそんな経営者コミュニティーなのです。
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