「よめ」Tシャツに思うこと。あなたは嫁派? 妻派?

LIMO / 2019年5月17日 20時20分

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「よめ」Tシャツに思うこと。あなたは嫁派? 妻派?

かねてより交際していた15歳年上の一般男性と5月1日に入籍したことを、自身のSNSで発表した元AKB48の高橋みなみさん。純白のウェディングドレスを着てお相手の男性と写った2ショットを公開するなど、幸せそうな様子に多くのファンが祝福を送っていました。

その一方で話題になったのが、入籍報告時に公開された写真。「だんな」と書かれたTシャツを着たお相手男性と、「よめ」と書かれたTシャツを着た高橋さんが写っています。このTシャツはメディアでも取り上げられました。この「よめ」Tシャツに、筆者は思うことがあります。

現代では嫌う人もいる「嫁」という呼称

「嫁」という呼び方には、戦前の家制度を感じさせるものがあります。家制度はもともと武士階層の家父長的な家のあり方を踏襲しているもの。生家ではない他人の家に嫁ぎ、男の子を生み育て、家を絶やさないようにするのが嫁の役割でした。

そうした経緯もあり、現代女性からすると「嫁」という言葉には、どうしても戸籍上の「妻」とは異なり、「夫との夫婦関係が対等ではなく、夫や子ども、夫の親に人生を捧げる」といったイメージがつきまといます。

そのため、現代では呼称としての「嫁」に反対する人は少なくありません。「夫と結婚したのであって、『夫の家』や『夫の親』と結婚したわけではない」「嫁という言葉には“夫のもの”と、まるで所有されている感じが強い」という意見は多く見受けられます。

実際に筆者の周りを見てみると、夫婦共働きの男性は奥さんのことを「妻」と呼び、専業主婦の奥さんを持つ男性は「嫁」と呼んでいる傾向があります。「嫁」の役割はその夫が行わないすべての家事育児であり、「妻」の役割は夫と分担して行う仕事と家事育児(実際には仕事とすべての家事育児を担っている妻は少なくありませんが)というのが実態のようにも感じます。

「嫁」と「愛され女子」に共通するのは”選ばれたい願望”?

そんな中、高橋さんが着ていた「よめ」Tシャツ。深読みかもしれませんが、筆者はきっとそこには「嫁」という言葉の持つ上記のような意味合いが、結婚への憧れと結びついているのだと感じます。

「愛され女子」という言葉が婚活に関するコンテンツや女性誌で散見されるように、恋愛や結婚は「いかに男性から選ばれるか」という視点で語られることが多くあります。自分が主体的に選んだのではなく、相手に選ばれたという自負。または、誰かのものになるという安心感。

それが結婚における幸せだという考え方が、「嫁」という呼称から透けて見えるように感じます。そしてこれは、少子化によってあらゆるものを自由に選べてきたからこそむしろ貴重な、「選ばれる」ことを渇望する今の若い世代特有の感覚なのかもしれません。

呼び方は人の心理を表している?

また、昨今SNSで話題になっている「#嫁グラフィー」。既婚者男性が自身の妻の写真をSNSで投稿する行為です。なぜ「#妻グラフィー」ではなく「#嫁グラフィー」なのか。

その深層には妻への深い愛情だけでなく、「俺が選んだ」という妻に対する所有欲や、妻を承認欲求のアイテムの一つと捉える心理があるように感じてしまいます。そして写真に写る当事者の妻も、「嫁グラフィー」という呼称に対して基本的には好意的に受け取っているのでしょう。

「嫁」と呼ぶべきか否かについては、個々人の自由な考えがあってしかるべきです。しかし言葉や名称は、その人の考えや意識を表現することは往々にしてあります。

現代は「嫁ぐ」という価値観や結婚スタイルが主流ではなくなり、また「嫁と呼ばれたくない」という女性も少なくない状況にありますが、「嫁」という呼称はいまだに根強く残っています。それは、「嫁」と呼ばれることで、結婚相手から選ばれたり愛されたりすることの幸せを感じている人が少なくないからかもしれません。

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