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逆子がなおらず外回転術を受けた経験。帝王切開を覚悟していたけれど…

LIMO / 2019年5月24日 19時45分

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逆子がなおらず外回転術を受けた経験。帝王切開を覚悟していたけれど…

「帝王切開になるかもしれませんね」

第2子出産のため産婦人科に通っていた時のこと。初期から逆子でした。「いずれはなおる」と言われつづけたものの胎児の頭は下がることはなく、最終的にあっさり上の言葉をもらいました。

「帝王切開をした人ってたくさん聞くし、子供のためならお腹ぐらい切れるさ」と覚悟を決めて次の診察にいくと、前回とは違う先生が待っていました。

外回転術を初めて知る

「この病院では帝王切開しかできないけど、この近くで外回転術をする病院を探して紹介するから、もし考えがあるなら行ってみて」

「え!? ガイカイテン?? 帝王切開じゃないんですか」

「そう。技術のある医者がお腹の上から胎児を回して正常に戻すの」

「それって危険じゃないんですか?」

「医療行為だから絶対の安全はないけれども、お腹を切らなくていいならそれに越したことはないよ」

「そりゃそうですけど……」

この時もっと具体的なお話もしていただいた気がするのですが、びっくりして忘れてしまいました。かなり素っ気ない感じに病院のメモを渡され、もし転院するならば紹介状も書くからと言ってもらい診察室を出ました。

転院して話を聞くことに

逆子の場合、帝王切開しかないと思っていた私。早速ネットで調べるとありました! でも読めば読むほど怖い感じ……。

第1子は経膣分娩でしたが、子供のためならお腹を切ることは全然構わないのです。しかし帝王切開の人の苦しみもよく知っています。

5人部屋に入院した時の隣りの人が帝王切開で、痛み止めも効かず日夜うめいているのが聞こえました。そんな体で赤ちゃんをみるのも大変だったでしょう。ヘタレな私は、経膣分娩のほうが赤ちゃんを余裕を持ってみられるかも……。

よし、話だけ聞いてみようと紹介状を書いてもらい、紹介された病院に行ってみました。

最初の病院で外回転術をすすめてくれた医師は、最初は愛想がなくとっつきにくい感じでした。でも、何も言わず帝王切開にしてしまわずに、自分の勤めている病院で行っていないことをする他の病院をあえて紹介してくれるなんて(紹介された病院と、この医師は知り合いではないようでした)、あまりできないことじゃない? と好感を持ったせいもあります。

骨盤位外回転術を行う病院で受けた説明の概要

骨盤位での分娩(逆子のまま経膣分娩すること/筆者注)は、頭から生まれてくるお産よりもトラブルが多く、赤ちゃんに障害が残ったり死亡したりする危険性が高くなることがわかっており、現在はほとんど行われなくなっています。その場合、帝王切開術を選択することになりますが、手術のリスク、麻酔のリスクなどお母さんの身体への負担が大きくなるとともに、次回以降の妊娠出産にも大きな影響が出てしまいます。なので、骨盤位だが帝王切開をしたくないという方は骨盤位外回転術を選択することになります。

実施する時期は、万が一、緊急帝王切開になって産まれることになっても大丈夫なように、妊娠36週頃になります。成功率は、条件によって違いますが(赤ちゃんの向き、羊水の量、胎盤の位置など)、当院のデータでは80%程度です。

骨盤位外回転術が成功してもしなくても、処置の前後は十分に赤ちゃんとお母さんを観察する必要があるため、少なくとも1泊の入院が必要です。

骨盤位外回転術は、絶対安全というわけではありません。お腹の外から赤ちゃんの向きを変えるわけですから、赤ちゃんの心拍数に異常が起きたり、胎盤の一部がはがれてしまうことがあり、約1%の確率で、緊急に帝王切開が必要になってしまう場合があります。医師より十分な説明を受け、ご家族の皆さんとよく相談の上、実施するかどうかを決めてください。また、リスクが高く骨盤位外回転術が実施できない患者さんもいます。

(松田母子クリニック 産科紹介ページより引用(https://www.matsuda-pc.jp/maternity/))


結果、医師が説明する内容と態度から、私は「信頼できる」とみました。自分が担当医を心から信頼できるかが、外回転術を受ける決め手となると思います。

「失敗したら帝王切開、やらなくても帝王切開」だったら……

担当の医師はあくまで具体的に、しかしこちらにも理解できるように丁寧に説明してくれました。

外回転術中に万が一胎児に異常が出た場合、その場ですぐに帝王切開に切り替えるとのことでした。早産を避けるため36週頃まで待ちます。帝王切開は比較的安全な手術と言われますが、お腹を開く手術ですから術後の癒着や輸血の必要性もあるかもしれません。

外回転術で万が一失敗(逆子に戻ってしまったり、胎盤が剥がれてしまったり)したら即帝王切開、でもやらなかったらいずれ必ず帝王切開。だったら、ここでなら外回転術を受けてみてもいいかな? と決断しました。今回私にしては珍しく迷いがありませんでした。もしここで迷いを感じたのであれば外回転術は受けなかったと思います。

外回転術から出産まで

何種類もの機器をお腹に張り付けて胎児の状態を細かく観察しつつ開始。全身麻酔ではないので下半身だけ無感覚になるなか、先生がかなりの力でお腹をぐいぐい押すのが何となくわかります。中の子はかなりのガンコちゃんだったらしく、この病院でも珍しいくらい時間がかかったようです。

5分もかからずくるっと治ってしまう子もいるみたいですが、様子を見つつ慎重に行ったので1時間近くかかったかと思います。でもなんとか成功。私の場合痛みはまったくありませんでした。しかし胎児が心配で心身ともにかなり疲れましたし、その夜は不安でほとんど眠れませんでした。

翌日何の異変も感じず退院。その2週間後(予定日よりちょっと早いくらい)に、なんと30分のスピード安産で無事出産しました。

出産後、病院に知り合いの方がお見舞いにきてくれました。後で聞いたのですが、その方は昔、外回転術をして緊急帝王切開になったのだとか。もう30年以上前で、施術時の胎児の状態を計測する機器なども今ほどはなかったのではないでしょうか。

外回転術にせよ、帝王切開にせよ、経膣分娩にせよ、いつの時代でも出産に絶対安全という道はないのかもしれません。

信頼できる医師に出会えたら

最後に申し上げますが、今回は私のまったく個人的な体験を綴ったものであり、外回転術をすべての逆子に悩むママにおすすめするものではありません。外回転術を受けるかどうかは妊婦さん本人が決心されることです。

私は「信頼できる!」と感じた医師に出会えたからこその決心でした。決断を鈍らせるような医師のもとでの外回転術はおすすめしません。

現状では外回転術の技術を持つ医師が少ないらしく、最終段階まで逆子だった場合は帝王切開を勧められる方が多いのではと思います。が、外回転術という選択肢もあるという知識は、あってもいいのかなと感じました。

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