「家事分担」は小さな問題?「平等感」を実現するには
LIMO / 2019年5月26日 18時15分
「家事分担」は小さな問題?「平等感」を実現するには
家事は妻の仕事でも夫の仕事でもなく、家庭の仕事です。
家事という仕事は、常に家庭を営む者の前に同じ距離で存在し、家庭ではチームワークを駆使しながら、消化していかなければなりません。
しかし、同じチームメートであるはずのパートナーが家事に対するスタンスが違えば、腹が立ちますよね。驚くことに、家事の分担で離婚にまで至ってしまう夫婦もいます。
家事の分担は夫婦が家庭を営む上で、同じ方向を向いていく練習ができる場所であると同時に、「同じ方向を向いて暮らしていけない」ということが分かってしまうものでもあります。
そこでこの記事では、離婚にまで至らない家事分担の方法をご紹介します。
共働き世帯の悩みの種!家事分担が原因で離婚!?
「家事の分担」と聞くと、なんだか小さな問題のような気がする人もいるのではないでしょうか。しかし、実際には家事分担が原因で離婚する夫婦も存在します。
リクルートブライダル総研の「離婚に関する調査2016(http://bridal-souken.net/research_news/divorce.html)」によると、最も多い離婚理由は「価値観の違い」の46.4%となっています。「(相手が)家事に協力的でない」は17%、「(相手が)育児に協力的でない」は14.3%と全体の割合は低いですが、男女差に大きな開きがあります。
「(相手が)家事に協力的でない」を離婚理由にあげた男性は6.8%となっていますが、女性は27.2%と約20ポイントの開きがあります。また「(相手が)育児に協力的でない」においても、男性が2.4%なのに対し、女性は26.2%と約24ポイントの差があります。
未だに、「家事や育児を担うのは女性」と考えている人が多いのかもしれません。そのため男性にとっては大きな問題ではないのかもしれませんが、共働き世帯が主流の現代において、女性にとっては大きな問題だといえそうです。
家事分担が原因で離婚に至る理由
以前は夫が仕事、妻が家事という役割分担が普通だという価値観がありました。
夫婦でお互いに敬意を示して尊重し合うことで、何も問題なく家庭がまわっていたことも多いでしょう。
近年では共働き世帯が専業主婦世帯を上回り、「どちらかが家事」という役割分担は成立しにくくなりました。どちらも仕事で忙しく、家事がしやすい状況ではないからです。
「夫が仕事」「妻が家事」という価値観だけが独り歩きしています。
相手への敬意なしに家事分担の古い価値観だけが存在し、お互いに不満を持って苦しむというケースもあるようです。
友人の体験談「じゃあ家事は誰がやるんだ」
彼女は会社員の夫と結婚して4年ほど。もともとはご自身も会社員でしたが、結婚してほどなく退社して、パートで仕事をしながら家事をしていました。
夫は仕事に専念しており、家事は一切やりません。しかし、彼女自身は家事をそこまで苦痛に感じることはありませんでした。
実家住まいだった夫に比べて彼女は家事が得意な方で、家事をすべてこなす実家のお母さんのようになりたいと考えていたこともあり、疑問にも感じていなかったからです。
しかし、パートで働いていくにつれ、仕事に張り合いのなさを感じ、やはり正社員でバリバリ働きたいという想いがふつふつと湧いてくるようになりました。
その想いを夫に相談したところ「じゃあ、家事は誰がやるんだ」と言われ、「2人で協力してやりたい」と伝えたところ、「それは無理」と拒まれてしまいました。
「働く必要はないから、働いてほしくない」とまで言われてしまったのです。
それをきっかけに休みの日でもまったく家事をしない夫に対し、不満がふつふつと湧くようになりました。これからは家事を一緒にしてほしいと頼むと「これまではよかったのに何で。突然家事をするなんて無理」とのこと。
彼女は「お母さんにはお母さんのやり方があって、私には私のやり方があるはずなのに。初めから夫と一緒に協力して家事をやればよかった」と話していました。
彼女は「価値観のズレに向き合いすぎると離婚になってしまう」と思っていたそうです。しかし、今ではじっくり話し合いながら、少しずつ夫に家事を手伝ってもらえるようになったと言います。
家事の分担がうまい夫婦は当事者意識が平等
家事は夫婦で「当事者意識に差を持たない」ことが重要となります。
あらゆる都合でどちらかに家事の負担が偏ったとしても「どちらかの仕事」とせず、「2人の仕事だが、都合のいい方が取り組んでいる」という意識が大切です。
スタンスを揃えるには、最初から夫婦で家事の話題を当たり前のようにすることが大切になります。2人でコミュニケーションをとりながら、一緒に家事の課題を解決していく経験を積むことで、同じように当事者意識を持つことができるのです。
ただ、これをやるには「結婚当初から」というのがとても大切になります。
「家事分担は最初が肝心」というのは間違いないのですが、途中から方向転換するのが絶対に無理だというわけではありません。
結婚数年後から家事分担を相談するときの注意点
大人の価値観を変えるというのは、並大抵のことではありません。
これまで黙って家事をやっていたのに、突然「家事を全部押し付けて酷い」と言われると、相手は驚いて戸惑い逆に怒りの感情を煽ります。
「当然のことを言っただけで怒られても知らないよ」という意見がごもっともで、おかしな話だと思います。しかし、実際どうすればいいのでしょうか?
いきなり全部しないのではなく、何か1つだけしない
「いきなり全部しない」と言ってしまうと、相手にインパクトが大きすぎるので「食器洗いはしない」とか「ごみはまとめるところから全部やって」と言い、本当にしないのです。
自分がやらないとシンクに溜まり続ける食器や、ゴミが入らなくなるゴミ箱を目にすれば、さすがに動き出すでしょう。
言い方に少し注意する
「すぐに言えば良かったんだけど、言い出せなくてごめんね」という一言を添え、感情に配慮して相談するとよいでしょう。
相手も悪意があるわけではなく、ただ家事を押し付けているという自覚がないのです。言い方を配慮することで、分かってもらえることも多々あります。
どうしようもない時は・・・
なるべく離婚しないという前提でお話をしてきましたが、どうしようもない時は離婚を切り出しても良いでしょう。
「家事が原因で離婚だなんて」と思うかもしれませんが、家事が原因でどちらかがが不幸になることの方がよっぽど理不尽です。
ぜひあなたらしく幸せに生きていくためにも、どうしようもない時は逃げ出してOKということは頭に入れておいてくださいね。
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