「パタハラ」も・・・男性の育休義務化、険しい道のり
LIMO / 2019年5月24日 19時15分
「パタハラ」も・・・男性の育休義務化、険しい道のり
積極的に育児に参加する「イクメン」男性が増えています。育児に参加しやすい環境になりつつありますが、「男性の育児休暇」についてはなかなか取得できないのが現実です。そんな板挟みになっているパパの実情を見てみましょう。
必要とされる「夫側の育休」
5月23日、自民党有志による男性の育休「義務化」を目指す議員連盟の発起人会が開かれました。
育児休暇は、育児・介護休業法により男女問わず申請すれば取得が可能となっています。
労働政策研究・研修機構の「早わかり グラフでみる長期労働統計」の「専業主婦世帯と共働き世帯1980年~2018年」によると、18年時点での共働き世帯数は1,200万世帯を超えています。特に若い世代において、夫婦で育児を取り組める環境が必要となっています。
夫は妻の出産後から育児休暇を取得可能になりますが、実際にはなかなか取得できないのが実情です。
内閣府男女共同参画局の「共同参画2018年6月号(http://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2018/201806/201806_02.html)」の特集によると、育児休業を利用したくても利用できなかった人の割合は3割にものぼり、実際に育児休業を取得できた人の割合はわずか5.14%(17年)となっています。
育児休暇を取る際には、上司あるいは会社への報告・申請が必要となることはもちろん、周囲の理解が一番の課題となっています。
どうして取得できない?男性の育休
育児休暇を申請する際快く取得を許可してくれる職場もあるでしょうが、男性の育児休暇について同意が得られない職場が大半となっています。
男性が育児などを通じて父性を発揮する権利を、職場の上司や同僚などが良しとしない場合、「パタハラ(パタニティ・ハラスメント)」に該当することもあるのですが、可能なら育休を取得したいと思っている男性本人も、出世のこと、職場の多忙さを考えて自主的に取得の希望を出さないケースがほとんどのようです。
職場の人員がギリギリのところもありますし、ひとり親の家庭も増えています。介護の必要な家族を抱えている家庭もあります。みんなが様々な事情を抱えている中で、とくに非正規雇用で働いている人は育休なんて考えることもできないのが実情となっているのです。
働いている人みんなにとって、非常に厳しい世の中だといえます。
育児を頑張りたいパパの声
しかし一方で、世の中には「男性も育児に協力すべき」という圧力もあります。可能な範囲で育児を手伝おう…そう思っているパパからは、このような苦悩の声もあります。
「妻に『これだから育児をわかっていない』みたいに否定されることがある」
「育児は、慣れたやりやすい方法があるはず。だから手を出さないほうが良さそう」
「『うちの夫、本当に言われたことしかしない!』と言われるが、頑張ってみると『今それをする?』って文句を言われたり、やり直されたり」
このように「むしろ手を出さずに見守っていたほうがいいのでは」と考えてしまう場面もあるようです。
ママの気持ち
一方、夫の様子を見ている妻としては「あなたはいいわね」という気持ちも見え隠れしています。20~50代既婚者の回答を見てみましょう。
「夫は友達と、気軽に遊ぶ約束をしているのに、私が休日に友達との予定を入れたら、『え、俺のメシどうするの?』とか『子どもの面倒、どうするんだよ』なんて言われる」(32歳/会社員)
「たまに子どもを公園に連れて行っただけで『いいパパ』『イクメン』って言われてる」(31歳/パート)
「私は毎日、子どものことや家事のことで頭がいっぱい。その上、仕事も。夫は一切考える必要がない」(50歳/販売)
夫婦でも以心伝心とはいかないでしょうから、してほしいことを分かりやすく相手に伝えることが夫婦協力の第一歩かもしれません。
さいごに
夫の様子を見てイライラを募らせているママも多いかもしれませんが、パパにも悩みがあり言いたいこともあります。一生けんめい子どもと遊んでも、子どもは「ママ~!」となり、報われない悲しさも感じているようです。
育児休暇の取得はなかなか浸透しない世の中ですが、育児は子どもが小さい頃だけではありません。共働き世帯ではとくに家事の分担も重要な仕事となってきます。ご飯の準備や皿洗い、風呂掃除やゴミ出しなど、分担しやすい家事もあります。お互いの負担を減らしていく方法で育児の時間を乗り切っていきましょう。
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