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「ボーナス激減…ウチの会社、大丈夫?」と思ったらコレを見る

LIMO / 2019年6月24日 20時20分

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「ボーナス激減…ウチの会社、大丈夫?」と思ったらコレを見る

いざという時のために知っておきたい財務諸表の見方

「貸借対照表」と「損益計算書」。財務分析や企業経理などを勉強しようとすると、この専門用語が必ず出てきます。この貸借対照表と損益計算書は、企業の財務状態や営業実績を端的にあらわすものです(その他、キャッシュ・フロー計算書、株主資本等変動計算書という財務諸表もあります)。

でも、何か難解そうですね。読み方も「たいしゃくたいしょうひょう」「そんえきけいさんしょ」と長いですものね。

読者のみなさんも、お勤めの会社の財務諸表等を一度は見たことはあるかもしれません。数字がゴチャゴチャと羅列されているものを見ながら、「一体、この会社本当に儲かっているのかしら?」「ひょっとしてロクでもない資産を抱えているのでは?」と思ったことはないでしょうか。

ところが財務諸表の見方が分からないので、結局会社の業績が良いのか悪いのか分からないという場合も少なくないことでしょう。今回のコラムでは、そんな読者のいざという時のために「貸借対照表」と「損益計算書」が直感的に分かり、会社の今が分かる方法を伝授します(新入社員は必読です)。

図表1:A社の貸借対照表と損益計算書

(/mwimgs/c/4/-/img_c43a0df9712adfcded86a8622e0754d8199783.jpg)

拡大する(/mwimgs/c/4/-/img_c43a0df9712adfcded86a8622e0754d8199783.jpg)

(注)図表参照:pdca-accounting.comより

貸借対照表は“財産目録”

確かに、図表1のように表示されると、貸借対照表の内容はさておき難解だと思ってしまいます。用語もあまり一般的に使わないものが多いですね。ただ、よく見ると貸借対照表の左側にある「資産の部」は、文字通り資産額が書いてあります。流動資産とか固定資産とかありますが、要するにどんな資産を保有しているかを分けて記載してあるだけです。

したがって、A社は平成29年12月末現在で、総額1億3125万円の資産があるということです。財産目録として考えるなら、この会社の財産は1億3125万円分あるということですね。めでたしめでたし。

ただし、この財産も借金して買っている場合もあるので、借金はいくらですかというのが貸借対照表の右側上段(負債の部)となります。ちなみに「負債」は借金を言い換えた言葉です。負債合計(=借金合計)は8850万円ですね。

では、一体A社が純粋に資産として持っているのはいくらですか、というのが借対照表の右側下段(純資産の部)です。資産総額が1億3125万円、借金が8850万円ですので、差し引き4275万円が「純資産」、言い換えれば自己資本となります。

ちなみに、借金が資産よりも多い場合は債務超過(借金過多)と言って、会社としてはかなりヤバイ状況です。そのような会社には、銀行はまず融資をしません(ゾンビ企業を除く)。

とまあ、貸借対照表と聞くと難しいですが、ある基準日の資産と借金と純資産を表した「財産目録」と考えるとかなり理解が容易になるのではないでしょうか。ということで、読者ご自身の個人の貸借対照表を作っても面白いですね。意外と債務超過の方も多いかもしれません(泣)。

損益計算書は“財布”

貸借対照表が財産目録なら、損益計算書は“財布”と考えていいでしょう。A社の損益計算書は平成29年1月1日からスタートして同年12月31日までを表していますから、この期間の売り上げ、費用、利益をまとめた財布として考えてみましょう。

1年間でA社の財布には、売上の35億7912万円がチャリーンと入ってきたのですが、仕入れや給料、その他の経費や税金等の支払があって、最終的に財布の中には1586万円(当期純利益)が残りましたということです。黒字ということですね。もし売上より費用の支払いが多ければ、赤字ということです。

これは個人のサイフのやりくりと同じで、もらった給料の中で支払をまかなって余れば黒字、逆に支払過多であれば赤字となります。分かりやすいですね。

たとえば、読者の会社のボーナスがなぜかここ数年だんだん減ってきて、今年は激減!なんて経験ありませんか。こうしたことも、会社の財布である損益計算書を定期的に見ておけば、来年はもっと減るかも?と予想が付くものです。赤字でどんどん現金が減っていけば、ボーナスは期待できませんものね(泣)。

さて、A社の余った1586万円は来期に繰り越すことになりますが、この期間においては利益が余って財産の一部になるということで、貸借対照表の利益剰余金に組み入れられます(図表1の矢印)。つまり、毎年黒字で利益を積み上げる会社は、貸借対照表の利益剰余金が膨らんで自己資本が分厚くなっていくことになり、企業の財務体質が堅固になっていくと考えていいでしょう。

個人に置き換えると、ハードワーカーなご主人とやりくり上手な奥さんがいて毎月家計が黒字のご家庭は、黙っていても貯金が増える、ということですね。

と、財務諸表の理解を進めるため、かなりシンプルに解説してみましたが、より詳しく読み込むには専門用語をしっかり理解する必要があります。特に、読者のみなさんが個別株式に投資する場合、投資対象企業の財務諸表を読み込むのは当然で、時系列で比較したり足元の業況がどのように推移しているのかも調べたりする必要がありますよね。

また、ぜひこの機会にご自身が勤務されている会社の財務諸表をしっかり見てみましょう。資産をバッチリ保有して、黒字経営だと思っていた自分の会社が、実は役員連中が給料ぼったくりで中身はスカスカの実質ゾンビ企業だった、なんてことがあるかもしれません・・・。

ことほどさように、財務諸表を読むことはいち早く企業の実態を知り、いざとなればダメ会社から逃げるための自分を守る手段になるかもしれないのです。

(注)本コラムは筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織や企業の見解ではありません。また、内容をより簡単にご理解いただくため、細部を要略する場合がありますのでご了承ください。

<<これまでの記事はこちらから(https://limo.media/search/author/%E5%A4%AA%E7%94%B0%20%E5%89%B5)>>

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