タピオカブームでウワサされる株式市場崩壊、アノマリーは無視できない?
LIMO / 2019年6月21日 20時15分
![タピオカブームでウワサされる株式市場崩壊、アノマリーは無視できない?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_11752_0-small.jpg)
タピオカブームでウワサされる株式市場崩壊、アノマリーは無視できない?
今年の4月末で約30年続いた「平成」の時代が終わりましたが、この間に様々な食品が人気を博しました。そして、その中には、“人気”を通り越して一大ブームとなった食品も少なくありません。
ブームの定義はやや曖昧ですが、平成初期からざっと思い出しても、モツ鍋、ティラミス、ナタデココ、エスニック料理、マカロン、生キャラメル、“韓流”料理、熟成肉、塩レモン…、ここ数年では、ジビエ肉、パクチー、サバ(缶)などがありました。
平成最後の食ブームがタピオカ、若い女性を中心に大ブーム
平成の最後に人気に火が付き、「令和」となった現在でもブームと呼ばれる食品、言い換えれば、平成最後の食ブームとなっているのがタピオカです。
タピオカとは、トウダイグサ科のキャッサバの根茎から製造したデンプンであり、菓子の材料や料理のとろみ付けに用いられます。現在は主にパール状のものをミルクティーに入れて食する(飲む)タピオカドリンクが大ブームになっています。
どれくらいブームになっているかというと、大都市圏にはタピオカドリンク店が数多くオープンし、乱立状態とも言える状況です。実際、東京には300店以上あると言われ、とりわけ、原宿から表参道・青山にかけては約40店舗がしのぎを削っているようです。
こうした”タピオカストリート”は、修学旅行で上京する女子高校生には聖地化しているようで、お台場に行くのは流行遅れという話もあります。
また、最近では「タピる」「タピ活」といった新語がネットで流行っており、早くも下馬評では今年の人気・流行語大賞の有力候補の1つに上がっています。とにかく、大ブームになっているのは間違いありません。
タピオカブームは今回が初めてではなく、少なくとも3回目という異例
さて、前置きが長くなりましたが、ここからが本論です。実は、タピオカがブームになったのは今回が初めてではありません。平成の約30年間において、少なくとも2度の大きなブームがありました。
詳細は省略しますが、まず1992年前後の第1次ブーム(白いタピオカが入ったココナッツミルク等)、そして2008年前後の第2次ブーム(黒いタピオカが入ったミルクティー等)がありました。
この2回はハッキリとした大ブームでしたが、先ほど“少なくとも”と記したのは、2000年前後にもタピオカの人気が上昇した時期があったのです。確かに、ブームと称されるような爆発的人気には至りませんでしたが、当時のメディアに黒タピオカが数多く取り上げられていました。
いずれにせよ、なぜかタピオカに限っては複数回のブームが巻き起こったことは事実です。筆者の知る限り、このような食品は非常に珍しいと思われます。そして、今回が3度目(2000年を含めれば4度目)のブームです。
タピオカブームと株式市場との関連性は本当なのか?
そして、今回の第3次タピオカブームに関して、最近ネットで大きく取り上げられている話題があります。それは、タピオカブームと金融市場の関連性であり、具体的には、“タピオカブームが終焉する前後、あるいはピークを打った頃に株式市場が大崩れする”という「アノマリー」です。
「アノマリー」とは、具体的な理論や根拠では説明不能にもかかわらず、経験則上よく的中する事象を指します。
振り返ってみると、確かに1度目のブーム直後に株価はバブル後最安値まで大幅下落し(1992年)、2度目のブーム直後はリーマンショックが起きています。
また、ブームとは言えないまでも人気急上昇となった2000年にはITバブル崩壊が起きました。こうした事実を背景に、今回3度目のブームは株価急落の予兆ではないか?というものです。
これは筆者が見出したアノマリーではありませんが、なるほどと頷ける点が多々あります。
決して無視できない「アノマリー」は意外に多い
筆者は、決して無視できない予兆と注視しています。“まさか、バカらしい”と一笑に付すことは簡単ですし、実際、タピオカと株式市場に直接的な関連性はないでしょう。
しかし、こうしたアノマリーは他にもあります。
筆者は、2017年11月に“大相撲で4横綱時代が終焉すると景気後退が近い(https://limo.media/articles/-/4567)”というアノマリーに関する記事をアップしました。当時は株価が上昇中で、某ネット証券では「来年度(2019年3月)に日経平均株価は3万円へ」という、今となっては途方もない目標を掲げて個人投資家向けに大々的なキャンペーンを行ったほどです。
しかし、横綱・日馬富士(当時)が暴行問題で引退した2017年12月(番付上)以降、それまでのケース(6~8カ月程度)より少し時間を要しましたが、1年3カ月後の今年3月に政府が景気判断を下方修正したのは未だ記憶に新しいところです。
春水堂の銀座旗艦店オープンはピークが近い予兆?
筆者が注目しているのは、タピオカという一見すると何でもないような食品が、周期的なブームになっている点です。なぜタピオカに限って、何度も何度もブームになるのでしょうか。
ところで、今のタピオカミルクティーブームの発端になったと言われる台湾発の「春水堂」が、何とこの7月、銀座四丁目に旗艦店をオープンする予定です。これをタピオカブームのピークが近い、あるいは、既に下向きになりつつある予兆と感じるのは筆者だけでしょうか。
また、現在のタピオカブームは、前述のように若年層や女性によって支えらえています。ということは、飽きられるのは時間の問題かもしれません。
このタピオカと株式市場の関係性は、とりあえず年内に最初の答え合わせをしたいと考えています。
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