6月病かも?新卒1年目は要注意、新しい社会問題
LIMO / 2019年6月28日 17時30分
6月病かも?新卒1年目は要注意、新しい社会問題
6月は5月に次いで、体調不良や精神的に不安定に陥る人が増加傾向となっています。そんな中、近年社会問題として挙げられているのが「6月病」です。
とくに新入社員や異動したばかりの人にとって、祝日が1日もない6月はどこで一息つけばいいのかわからず、緊張状態が続いている状態です。
放置しておくと症状が悪化し、重度のうつ状態になりかねない6月病。本記事では6月病になってしまった新卒1年目のAさんの苦悩やその原因、対策法を紹介します。
6月病とは?どのような症状なのか
5月病は今や誰もが知る症状です。大型連休後に「やる気が起きない」「集中できない」など、心身が不安定な状態におちいる症状を指す5月病。問題視されている6月病は、5月病の症状が6月に表れます。大型連休後、なんとか頑張っていたところに気持ちをどんよりとさせる梅雨が到来。一気に脱力感に襲われ、力尽きて6月病が発症してしまうといった流れです。
気持ちが沈んでいる、すぐにイライラするなど、心当たりがある方も多いのではないでしょうか。
とくに身体に症状が出ている方は注意が必要です。寝付きが悪い、動悸がするなどの症状があれば、病院で診断することをおすすめします。
心身が疲労している?6月病の原因とは
6月病は「適応障害」とよばれる精神疾患で、主な原因はストレスです。4月で新しい環境に慣れず疲れが溜まったり、大型連休中に不規則な生活で体内時計が狂ったりすると、心身ともにストレスを感じやすくなります。とくに5月をどうにか乗り切ろうと頑張りすぎた人は、5月病を引きずって6月病になりやすいので要注意です。
また、6月病になりやすい人は真面目・完璧主義であることが多いといわれています。5月から引きずっている倦怠感ややる気の無さに「自分はダメな人間だ」と落ち込み、さらに自分を追い詰めてしまいます。
加えて6月は梅雨入りの時期。低気圧のせいで普段より空気中の酸素が薄くなり、脳が酸欠状態になっています。そのため、身体がダルくなったり、疲労を感じる機会が増加しやすくなります。
頑張りすぎる人は要注意!6月病の素質あり?
「気づいたら、会社に行くことができなくなった」と言うのはAさん。
新卒入社1年目のAさんは、憧れの職場で働けることをとても楽しみにしていたそうです。4月は研修に明け暮れ、5月からは先輩の営業に付いて仕事を覚え、新規案件を任されるようになりました。
しかし、研修を受けたといっても実際の現場ではわからないことが多く、先輩に質問や相談をしていたそうです。すると「聞く前に自分で考えろ。研修受けたんだろ?」と一言。
「自分が悪いんだと思い、自分なりに頑張りました。でも、全く仕事は上手くいかない。誰にも相談できない。そんな環境に追い詰められ、体調不良を繰り返していました。そして6月に入ってから、出社前に動悸がするようになったんです」
Aさんは出社が困難になり、現在休職中です。
真面目な人は「自分さえ頑張れば」とつい無理をしてしまいます。決して悪いことではありませんが、心身に疲労が溜まりやすいのは事実です。6月病対策のためには、周囲に悩みを打ち明けたり、相談したりすることも大切です。自分自身を追い込まないように気をつけましょう。
6月病を乗り越えるには?しあわせホルモン「セロトニン」を増やす3つの方法
では、どのようにして6月病を乗り越えればよいのでしょうか。一過性であれば、ストレス発散で症状はだいぶ和らぎます。しかし、6月病を患っている人のほとんどが、5月病の悪化が原因と考えられることから、根本的に生活習慣を見直す必要があるといっても過言ではありません。
そこで注目したいのが、脳内ホルモンの1つである「セロトニン」を増やす習慣づくりです。セロトニンが増加することで精神が安定することから「しあわせホルモン」とよばれています。反対に、ストレスや疲労でセロトニンが減少すると、イライラや不安、緊張を感じやすくなります。
1.セロトニンを作り出す「トリプトファン」を食事から取り込もう
セロトニンのもととなるのが、必須アミノ酸であるトリプトファン。体内生成ができないため、食事から摂取しましょう。豆腐、納豆などの大豆製品、牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、穀類、卵などタンパク質の多い食品にトリプトファンが含まれています。
トリプトファンは日中に脳内でセロトニンへと変化。そして夜になると、セロトニンは睡眠に欠かせないメラトニンへ変化します。つまり、トリプトファンを摂取することで精神安定と質の良い睡眠の両方を得ることが可能です。
2.運動で体を動かそう!
セロトニンを増やすために効果的なのが軽い運動です。とくにリズム運動が効果的。ウォーキングや階段昇降など、一定のリズムで行う運動が良いでしょう。
セロトニンは太陽光でより活性化するので、日中に20~30分リズム運動を行うのが理想的です。ただし、運動によって疲れを感じるとセロトニン機能が低下するため、激しい運動は避けましょう。
3.太陽光でセロトニンの分泌を増やして、質の良い睡眠を!
セロトニンは太陽光によって活性化されるので、朝の光を浴びることが効果的です。直接浴びる必要はなく、カーテンを開けるだけでも十分な効果が期待できます。
さらに、セロトニンは睡眠にも大きな影響を与えています。セロトニンは夜になると、睡眠を促すメラトニンへと変化。つまり、日中にセロトニンをたくさん作っておかなければ、不眠になりかねません。
沈んだ気持ちをすっきりさせるために
4月、5月に蓄積された心身の疲労が原因で発症しやすい6月病。まずは普段の生活を見直し、バランスの良い食事、適度な運動、そして早寝早起きを心がけましょう。うつ病の治療時にも、セロトニンを増やすことは効果的といわれているため、6月病にも十分効果が見込めます。
もし症状が改善されない場合は、心療内科や神経科へ受診することがおすすめです。
【参考】
『みんなのメンタルヘルス―適応障害―(https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_adjustment.html)』厚生労働省
『e-ヘルスネット―セロトニン―』厚生労働省
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