激動した90年代、就職氷河期世代の「貯蓄」と「負債」の今とは?
LIMO / 2019年7月6日 18時0分
激動した90年代、就職氷河期世代の「貯蓄」と「負債」の今とは?
就職氷河期世代のなかには、「就職活動は苦い思い出だ」という方も多いのではないでしょうか。そんな彼らも、今では40代に。結婚や出産を経て、マイホームの購入や教育資金といった出費が続いている現在、金銭的にはどのような状況なのでしょうか。貯蓄や負債の実態をみてみましょう。
就職氷河期の背景
就職氷河期世代が就職活動をした1990年代頃は、激動ともいえる時代でした。1997年4月は消費税増税がスタートし、山一証券の自主廃業やアジア通貨危機といったニュースが世間を騒がせていましたね。
1998年に入ると、日本長期信用銀行の破綻と国有化、日本債券信用銀行の国有化といった金融危機が景気に影響を与えていきます。金融機関の状況を踏まえ、ほかの産業も積極的に採用しようという姿勢がなくなっていきました。
このような流れによって、「就職氷河期」が到来。「就職先がなかなか見つからない」「正社員での雇用が厳しい」と頭を悩ませる学生が多く見られました。
現在の貯蓄額と負債額
では、就職氷河期世代である40代のお金の状況をチェックしていきましょう。総務省統計局の「家計調査報告[貯蓄・負債編]平成30年(18年)平均結果の概要(二人以上の世帯)(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2018_gai4.pdf)」から、世帯主が40~49歳の世帯の平均貯蓄額は1012万円、平均負債額は1105万円と分かりました。40代では、ほとんど同じくらいの貯蓄と負債がある状態のようです。
なお、50~59歳の世帯の平均貯蓄額は1778万円、平均負債額は683万円となっています。40代に比べて負債額が減っているぶん、貯蓄しやすい状況となるでしょう。
老後資金がいくら必要なのかを事前に計算しておくと、貯蓄の計画が立てやすくなります。住宅ローンの返済に追われている世帯もあるかもしれませんが、そろそろ老後の生活費も視野に入れておきましょう。
初心者でもできる貯蓄方法
最後に「どうやって貯蓄すればいいのか分からない」「貯蓄を続けていく自信がない」という方向けに、誰でも手軽にできる貯蓄の仕方をお伝えします。以下の方法なら、初心者の方でもすぐに始められますよ。
レシートに目を通す
いきなり「毎日しっかりと家計簿をつける」というのは、ハードルが高く感じるかもしれません。そこで、まずは毎日レシートに目を通すことから始めてみましょう。「これは無駄遣いだったかも」「ほかのもので代用できたな」といった反省点が見つかるかもしれませんよ。
支出の予算を決める
「今週の食費を計算しなきゃ」「家計簿を書かないと」と負担を感じていると、途中でうんざりしてしまう可能性があります。そこで、「食費は月に4万円まで」「レジャー費は2万円以内」のような予算を決めておきましょう。
これなら、毎日こまめに家計簿をつけていなくても、ある程度の予算内で生活費をやりくりできます。「今月の残りはだいたい1万円くらい」といったざっくりとした計算でいいので、面倒くさがりの人でも続けやすい方法ですよ。
先取り貯金を行なう
「余ったお金を貯金しようと思っていたのに、結局ほとんど残らなかった」というケースも珍しくありません。そのような事態を防ぐためにも、先取り貯金をして貯金用のお金を確保しておきましょう。
給料日になったら、貯金用の銀行口座にお金を移すだけ。それを毎月繰り返しているうちに、自然と貯蓄が増えていきますよ。
まとめ
40代から50代にかけて、貯蓄額が増えて負債額が減っている状況が分かりました。このことから、40代のうちは住宅ローンなどの返済を続けつつ、貯蓄にも取り組んでいく必要があるといえそうです。就職氷河期世代の今は、お金をやりくりする力が試される時期でもあるのでしょう。
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
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