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子だくさんの家の子どもが、なかなか言わない思春期の本音

LIMO / 2019年7月3日 20時20分

子だくさんの家の子どもが、なかなか言わない思春期の本音

子だくさんの家の子どもが、なかなか言わない思春期の本音

不満を抱える6人弟妹の長男

2016年に100万人を切ったわが国の出生数。2018年の合計特殊出生率※は、1.42人となっています。

周囲を見回しても、一人っ子が増えていますし、多くは2人、せいぜい3人という印象です。4人以上になれば、自他ともに認める子だくさんの家といえるのではないでしょうか。

一方で、にぎやかな家庭に憧れる人は珍しくありません。しかし子だくさんの家の子どものすべてが、子だくさんの家に生まれたことを喜んでいるわけではないようです。6人弟妹の長男という男子に会ったことがありますが、彼も不満を感じている1人でした。

彼は知人の元中学教師のかつての教え子で、現在も未成年です。頼まれて出張のついでに会ったのですが、当時は高校1年生でした。出生率の低さを見ても、子ども6人という家庭がいかに少数かは想像に難くありません。本人が特定されることは避けたいので、住所地や正確な年齢などは控えます。

※1人の女性が生涯に産むことが見込まれる子供の数を示す指標

「一人っ子だったら、何でも買ってもらえるのに」

知人との今後のやりとりに役立つかなと思い、彼のメールのアドレスを尋ねました。

「スマホもガラ携も持ってないんだ。弟妹、多いから。ゲームもしたことないし」

部屋は弟と兼用で、机は高校受験のときにようやく専用のものを買ってもらったのだと言います。二段ベッドで寝起きしていることも、「小さい子どもみたいじゃん」と不満のようでした。母親が刈ってくれるのだという坊主頭のほか、いくつかの不満を並べていました。

子どもの数が多ければ、1人当たりにかけられる経費は当然、少なくなることくらいわかります。「一人っ子だったら、何でも買ってもらえるのに」との思いも当然、理解できます。とはいえ、いいこともあるはずです。

「妹はかわいいよ。うるさいと思うときもあるけど」

2人いるという妹は、早く風呂に入れだの、伸びているからと言って爪を切ってくれたり、何かと彼の世話を焼こうとするそうです。その様子を聞いていると、まるで世話女房2人にかしずかれているかのようです。

理想的な部活作りができたのは、大家族の賜物!?

彼の父親は、大手企業のサラリーマンです。住まいは社宅ですが、大きめの家を割り当てられているようです。

会社の家族手当や公的な児童手当もあるでしょうから、そう生活に困っている風には見えません。服装はこざっぱりしているし、彼が通う高校も私立の名門校です。

聞いているうちに、スマホやガラ携、ゲームのことや、坊主頭なのは所属する部活の規則だとわかりました。常に小さな子どもいるわけですから、共働きは不可能でしょう。その分の厳しさはあるにしても、子だくさんのせいで、したいこともできない日々を強いられているわけではなさそうです。

彼は中学時代、チームプレー競技の部活で部長を務めています。後輩たちに尋ねると、「プレーが上手いというより、性格がいいから部長になった。命令がましいこととか言わないから」とのことでした。

普段は自由に動いているけど、いざというときはまとまっていたそうですから、理想的なチームだったのではないでしょうか。大勢の弟妹に囲まれて育った彼ならでは人間関係づくりが覗えました。もっとも強豪チームではなかったようですが。

自分の不自由さは許容できても、受け入れられない思い

子だくさんのメリットを挙げると、彼も一応、頷きはします。しかし、表情は晴れないままでした。少し間を置いて、彼のほうから口火を切りました。

「欲望のままにやりたいことをやって、たくさん子どもができちゃったとか、思わない?」

これかぁ! 子だくさんを受け入れようとしない彼の心にある最大の理由がわかった気がしました。自分の不自由さは受け入れることができても、両親を否定することも、否定されることも怖がっていたのではないでしょうか。心ないことを言う人はどこにでもいるものです。まして、思春期ですから。

仮に欲望の結果であっても、きちんと育てていること。彼を見ていると、両親が立派な方だとわかること。そう伝えると、彼は、幼子のような笑顔を見せてくれました。

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