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なぜ今、世の中が定額制サービスに走るのか? 「状態管理」を考える

LIMO / 2019年7月5日 21時20分

なぜ今、世の中が定額制サービスに走るのか? 「状態管理」を考える

なぜ今、世の中が定額制サービスに走るのか? 「状態管理」を考える

サブスクの成功モデルを読み解く

成長し続けるビジネスの仕組みである「ストックビジネス」についてお伝えしていく本シリーズ。今回は、”学習塾業界の破壊者”と塾業界で話題となっている「スタディサプリ」を解読しました。

イノベーションを起こした「スタディサプリ」

スタディサプリはリクルート社のグループ企業が展開する動画配信サービス。予備校の著名講師と契約し、録画した講義をインターネットで配信します。それをスマホとパソコンを利用して学ぶオンライン予備校です。

当初、講義10回セットで5,000円の配信をスタート。有料受講生は数千人に留まりましたが、翌2013年から5教科8科目の全科目を月額980円で視聴できる形に変更することで、有料受講生は一気に増加しました。

日本国内では学習塾や予備校の市場規模が成長から停滞に移行している中、今まで需要を取り込めなかった新市場を商品力と価格戦略で生み出した、まさにイノベーションを起こした形になります。

定額制サービスにおける「状態管理」とは?

さて本題です。

スタディサプリは実に優秀なストックビジネスになっていますが、ここには定額制のサービスを考える際に絶対に外せないポイントがあります。

最近では「定額制」という言い方と「サブスク(サブスクリプションの略)」という言い方が良く使われ、混乱を引き起こしているような気がしていますので、あえてこの場では「定額制」は月額で料金をもらう課金制度、「サブスク」は定額制を維持する仕組みと分けて考えたいと思います。

ストックビジネスを構築する際には、継続的に価値を提供するサービスであることが必須です。そこで重要なのは、「受け手がこのサービスを使うことでどのような状態になるか(どんな感情を抱いているのか)をデータで把握しようとする」こと。

これを「状態管理」と言い、サブスクとして成功しているビジネスモデルはこの状態管理を活用して継続率を高めるのが上手いのです。

たとえばスタディサプリの場合、サービスの受け手は受講生と購入した親の2つが存在します。この場合に行う状態管理は、利用状況のデータに基づいて2つの受け手がそれぞれ最も必要とする情報を毎日提供することです。

受講生に対しては、視聴データを分析して視聴率が悪かったり、途中離脱が多いようなコンテンツにはすぐに対策を打って改善したものを提供。一方で、親に対しては子どもの学習状況を見える化して提供するということです。

この状態管理から蓄えられるデータの多重活用を続けることで、利用者が継続すればするほど利用者との感情の距離が縮まり、ますます競争優位になる。この流れこそ、ストックビジネスが強靭になるシンプルな仕組みなのです。

状態管理のデータを活かせばユニークなサービスが提供できる

昔の定額制と今のサブスクの違いを一言でいえば、テクノロジーの進化によって状態管理が簡単になったとということ。つまり私たちは今、サービス革命の中にいるのです。

ちょっと考えてみてください。あなたのサービスにも状態管理を加えることはできないでしょうか?

「受け手がこのサービスを使うことでどのような状態になるか(どんな感情を抱いているのか)を把握しようとする」というポイントを意識することで、初めて気づくことがたくさんありませんか?

言われれば当たり前のことでも、なかなか気づかないでいることは多いものです。そこで私がいつも意識しているのは気づきのきっかけ作り。

筆者が携わっているストックビジネスアカデミー(https://otaketakahiro.com/jissen)は、そこに集う仲間とお互いに気づきを与え合う経営者コミュニティーです。ストック思考で自分の事業の未来を作りたい方は、ぜひ覗いてみてください。

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