金融業界の新入社員が「お金のこと」を学ぶ4つの方法
LIMO / 2019年7月7日 20時15分
金融業界の新入社員が「お金のこと」を学ぶ4つの方法
お金のプロとして働く金融業界の人たち。彼らは一体どのようにしてお金のプロになったのでしょうか。彼らがまだ新入社員のときに金融のことを学んだプロセスに、私たちがお金や投資のことをわかるようになるヒントがありそうですよね。そこで今回は、金融業界に就職した新入社員たちがお金のことを学ぶ方法についてご紹介します。
投資信託の目論見書や販売用チラシを読みまくる
まず、金融業界の新入社員たちは入社すると長い研修期間に入ります。その研修は数週間にわたり、支店への配属はゴールデンウィークを過ぎてからということも。筆者も新卒で大手対面証券に入社しましたが、入社日の翌日からホテルに1か月こもって研修を受けました。
日中はさまざまな研修の予定が組まれていて、まずは日経新聞の読み方や専門用語の知識など、本当に基礎の基礎となる部分から始めます。さらに学習が進むと、債券の利回り計算や株式に関するPER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)といった指標の見方、決算書の読み方などを勉強していきます。
そうした座学の中でも、最も印象深かったのは投資信託の販売用資料や目論見書、国債の販売用チラシを使ったロールプレイングでした。目の前にいる同期をお客さんだと思って、販売用チラシを使って商品を買ってもらえるように説明するのです。
これがまた難しく、自分がわかったつもりになっているだけだということが浮き彫りになるのです。そして販売用資料を、これまでと違った感覚で必死に読みまくるのです。自分より詳しくない人に説明できるように話を整理したり、セールスポイントとリスクをまとめるという作業が知識を深めるのに非常に役立ったと感じています。
金融系の情報端末を片っ端から見てみる
証券会社の営業担当のパソコンには「Quick」が入っていることが一般的です。Quickとは投資情報ツールで、さまざまな銘柄の詳細な情報を見ることができます。新入社員は支店に配属されると、このツールの使い方を教わることになります。
操作には特段難しいことはないのですが、とにかく情報量が充実しているので新入社員にとっては知らない言葉が盛りだくさん。そういう言葉を一つ一つ丁寧に調べつつ他の銘柄の情報も見ていくと、「こういうときに使われる言葉なのか」とか「こういう意味がある言葉なんだ」というのが見えてくるようになるのです。
また、Bloombergも情報端末ですが、こちらはもっと専門的です。金融業界の人でも、支店の営業担当だとあまり触る機会がないという人もいるくらいです。しかし、これが使えるようになれば、どういう部署に配属されてもある程度はやっていけると言われてもいます。
この情報端末は専門的な言葉で表示されていますし、深すぎる情報ばかりで内部の人間でもすべてを把握するのは結構大変です。しかし、こういうものに触れて、自分で興味を持って調べるというプロセスを繰り返すことで、金融業界のことがわかるようになってきます。
しかし、これができるのは恵まれた環境にいる金融業界の新入社員たち。金融業界ではないけれど投資の勉強がしたいという人は、ネット証券が提供している株式のトレーディングツールなどで代用できます。情報量が多いものを選べば、基本的な情報収集ができるようになります。
また、会社四季報も証券会社の営業マンのデスクには必ずと言っていいほど置いてあるもの。まずは四季報をとにかく読んでみて、専門的な言葉や表現を学ぶのもいいでしょう。
先輩や上司に質問する
対面証券では、支店に配属されるとメンターのように面倒を見てくれる先輩社員がいます。1人の新入社員に1人つくのがベストですが、複数人に対して1人のメンターがつくこともあります。この先輩に、たくさん質問をして色々なことを教えてもらうのも学びの一つの方法です。その先輩はすでに証券営業のプロとして仕事をしている人ですから、話を聞かない手はありません。
お金の話はお金のプロに聞くのが一番です。ただ、一般の人にとって、そんな機会は金融機関の営業と会うときくらいしかないですよね。もし友人に金融業界で働いている人がいたらどんどんその人に話を聞いてみたらいいと思いますし、SNSやウェブ上の掲示板などでも聞けば回答してくれる人もいます。
人から話を聞くというのは、その人がインプットしたものを自分なりに整理して、必要なポイントに絞って話をしてくれるので非常に効率がよく、タメになるものです。ぜひいろんな人に話を聞いてみてくださいね。
色々な講座やセミナーを受講する
新入社員のうちは、たくさんの講座やセミナーを勉強のために受講させられます。会社で企画した講座やセミナーもありますし、外部機関の講習もあります。そうしたさまざまなセミナーの中で学ぶことは多いんですよね。最初のうちは何を言っているのかついていけないときもありますが、何度も繰り返して受講することでだんだんと理解が深まり、腑に落ちることが増えてくるのです。
金融業界の社員でなくても、今は数多くのセミナーや講演会が開催されています。証券会社に口座を持っていれば、証券会社が主催する様々なセミナーに参加することができます。こうした機会は貴重なので、時間のあるときにぜひ参加してみてください。
まとめ
いかがでしたか。金融業界に就職しようという学生の中には、もちろん大学で金融のことを勉強している人もいますが、全く違う学部から入社してくる場合もたくさんあります。ほとんどの人が金融のことに関して素人で、全くわからないところからのスタートとなります。それでも、プロとしてお客さんの資産運用の相談に乗るのですから大変です。しかしそれだけ勉強のしがいがあるというものです。これから投資の勉強をしようと思っている人も、ぜひ参考にしてくださいね。
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