キャッシュレスは貯蓄にプラスかマイナスか?「お金が貯まる財布」の特徴
LIMO / 2019年7月8日 18時30分
キャッシュレスは貯蓄にプラスかマイナスか?「お金が貯まる財布」の特徴
人生100年時代になり、どんな人でも「貯蓄」が必須となってきた現代。「なかなか貯金が増えない」という人は、どんなことから見直せばいいのか。お金が貯まらない原因は、実はあなたの財布の使い方にあるかもしれません。
「貯まらない財布=太った財布」?
「お金が貯まらない人の財布は太っている」と言われているのをご存知でしょうか。
レシートや複数のカードで財布がふくらんでいると、「お金がいくら入っているのか」「今月すでにどのくらい使ったのか」がわかりにくくなりがち。「気づいたら使いすぎていた」という状況にもなりやすいです。
まずは、「お金の貯まる財布」にするための3つのコツについてご紹介します。
(1)財布の中身を毎日チェックする
お金を貯める第一歩は、お金に関心を持つこと。毎日1度は財布をのぞいて中身を確認しましょう。現状が把握できれば、どのくらいの節約が必要かもわかりやすいです。
「1カ月で使うお金の上限を決める」のは節約の定番ですが。毎日財布をチェックし、月の予算の残高と残り日数とを照らし合わせながら計画的に使っていきましょう。
また、「財布を出す回数に制限を設ける」のも有効な方法です。「1日1回しかお金を使わない」と決めておけば、「お昼休みにコンビニに行ったから、帰りは真っ直ぐ帰ろう」「夜は飲み会だから、昼はお弁当を持っていこう」といった節約意識も自然と芽生えやすくなるでしょう。
(2)ショップカードやクレジットカードを厳選する
クレジットカードやポイントが貯まるショップカードを何でもかんでも財布に入れたまま、たくさん持ち歩いている人もぜひ見直しを。計画的な買い物と財布のチェックを心掛けることで、カードもその日の予定に合わせて、厳選して入れ替えるのがオススメです。
クレジットカードも同様。何枚も併用していると、「全部でいくら使ったのか」を管理するのが難しくなりやすいです。常用するカードは1〜2枚程度に絞り、使わないものは解約してしまうか、財布から出しておくことをオススメします。
クレジットカード選びでは、付帯サービスの内容にも注目しましょう。ポイント還元率や年間費にこだわるのもひとつですし、空港やホテル、レストランなど優待サービスが受けられる点に着目するのもひとつ。旅行機会が多い方は、マイレージや手軽な料金で保険が利用できるカードもいいでしょう。
還元されたポイントは、ギフト券やマイルに交換するなどして、お得に利用を。ポイントには使用期限があるものも多いので、使える機会には率先して使う癖も付けておくのがオススメです。
(3) 銀行のキャッシュカードを持ち歩かない
「口座からお金を引き出す日以外は、キャッシュカードを財布に入れない」というルールを実践してみるのもオススメです。
財布に現金が入っていなくても、キャッシュカードがあればお金をいつでも引き出せてしまいますよね。無駄遣いを減らすには、お金を使うハードルを上げるのが一番。いざというときのために複数入れている、という人もいるかもしれませんが、毎日財布をチェックする癖をつけていれば、「財布に現金がない!」という事態も防げることでしょう。
迫り来るキャッシュレス時代。貯めたい人はどうすべき?
続いて、ここ数年でぐっと浸透してきた「キャッシュレス」にも注目してみましょう。
経済産業省は、2018年に公表した『キャッシュレス・ビジョン』において、日本のキャッシュレス決済比率が16年時点で20.0%にまで上昇したことを明らかにしました。政府はキャッシュレス化を積極的に推進しており、25年までに40%に、将来的には世界最高水準の80%にまで引き上げることを目指しています。
また、キャッシュレス化は20代よりも、30代や40代で加速しているという実情も。SMBCコンシューマーファイナンス㈱が19年に公表した『30代・40代の金銭感覚についての意識調査2019(http://www.smbc-cf.com/news/datas/chousa_190306.pdf)』によれば、「普段の買い物で現金決済よりキャッシュレス決済のほうが多いか」という問いに対して、「非常にそう思う」「ややそう思う」と答えた合計が20代では44.1%。30代では52.8%、40代では53.4%と過半数を超える状況となっています。
「キャッシュレス決済=クレジットカード」ではない
キャッシュレスと聞くと、クレジットカードをイメージする人もいるかもしれませんが、実は「キャッシュレス決済」には大きく分けて3つのタイプがあります。
「お金を使いすぎてしまいそうだから」という理由でキャッシュレスを敬遠する人も多いですが、デビットカードやプリペイドカードのタイプであれば、上限を決めてキャッシュレスを利用することもできます。現金と同様、使いすぎを防げるので安心です。
また、この1〜2年で「〇〇ペイ」という名称のサービスが爆発的に増えていますが、これはQRコードを使った「即時払い決済」の仕組みのこと。支払い方法にはクレジットカード払いと口座振替の2通りがあり、口座振替を指定すれば、基本的に残高を超えての支払いはできない仕組みになっています。
キャッシュレス化は貯蓄にプラス?マイナス?
非常に便利なキャッシュレス決済ですが、デメリットを挙げるとすれば、お金を使っている実感が湧きにくいこと。あまりに手軽なので、「その買い物が本当に必要なのか」を検討する時間が短くなり、無駄遣いにつながりやすいのがネックと言えるでしょう。
お金の管理が苦手な人や欲求をコントロールするのが苦手な人の場合、キャッシュレス化によって貯蓄がしにくくなる可能性は否定できません。とはいえ、キャッシュレス化の波は確実に迫ってきており、貯蓄と上手に両立させている層も相当数いるようです。
JCBが19年3月に公表した『キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査』によると、18年から19年にかけて増えた貯蓄額の平均値は57.2万円。支払い方法別にみると、現金派の平均貯蓄増加額は34.2万円、キャッシュレス派の平均貯蓄増加額は83.2万円と現金派の2.4倍に上っています。
この結果を見る限り、「貯金は現金派よりもキャッシュレス派のほうが増えやすい傾向にある」と言えるでしょう。実際、キャッシュレス決済にはお得に利用できるサービスも多々ありますし、上手に使えば家計管理が簡単になることもしばしば。「よくわからなくて怖いから」「面倒だから」といった理由でキャッシュレスを遠ざけるほうが、貯蓄にはマイナスになる時代が訪れているのかもしれませんね。
まだ取り入れていないという人は必要な知識を吸収した上で、賢く利用してみてはいかがでしょうか。
【参考】
『キャッシュレス・ビジョン』経済産業省
『キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査2019』JCB
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
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