中高年の引きこもりは61万人、増加する「引きこもり夫」の特徴や環境とは
LIMO / 2019年7月13日 17時15分
![中高年の引きこもりは61万人、増加する「引きこもり夫」の特徴や環境とは](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_12115_0-small.jpg)
中高年の引きこもりは61万人、増加する「引きこもり夫」の特徴や環境とは
引きこもりの男性が関係する事件が相次いだことで、「大人の引きこもり」に注目が集まっています。引きこもりというと、結婚をしていない人が親と同居しているイメージが強いですが、実際には既婚男性の引きこもりも多いのです。
そこで今回はそんな「引きこもり夫」の実態と、引きこもりになりやすい性格や環境についてお話します。
意外と多い「引きこもり夫」の実態とは?
つい数年前までは、引きこもりイコール学生などの若い人に多いものと考えられていました。
しかし内閣府によって公表された『生活状況に関する調査 (平成30年度)(https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/life/h30/pdf-index.html)』によると、引きこもっている人の多くが40代以上の中高年という結果が出ています。また同居している家族構成では、1番多い「母」に続いて、「配偶者」が2番目に多いのです。
同調査の推計では、40~64歳人口(総務省『人口推計2018年』によると4235万人)中、広義のひきこもりは61万3000人とされています。
(「広義のひきこもり」とは、自室からほとんど出ない人から趣味の用事のときだけ外出する状態かつ、その状態が6カ月以上続いていることを指す。しかし病気である場合や、妊娠、育児、介護、専業主婦・主夫などで6カ月以内に家族以外の人と会話した人を除外。また在宅ワーカーや自営業なども除く)
この調査結果から既婚の中高年層の引きこもりが多いという実態が見えてきます。また、この調査では引きこもりと考えられる人の7割以上が男性なので、引きこもり夫が多く存在するということが推測されるのです。
実際に夫が引きこもりになってしまったという相談が、カウンセラーや研究施設に寄せられる頻度も増えてきているのだそう。
「引きこもり夫」になりやすい性格とは?
1.「自己肯定感」が低い
ここまで読んできて「もしかしたら自分の夫も引きこもるのでは?」と不安になる方も多いですよね。そこでここからは引きこもりになりやすい性格を考えていきましょう。
引きこもりになりやすい性格の1つが、自己肯定感の低い性格です。何をしても「自分はダメ」「自分なんて」と考えてしまいがちな人が、引きこもりになりやすいといわれています。
2.頑張りすぎる
仕事や勉強に対して頑張りすぎる性格の人も、引きこもりになりやすいといわれています。これは「きちんとした結果が出るまで」と頑張って、実現できなかったときに心が折れてしまい、自分の殻に閉じこもってしまうという性格です。
3.自分の意見を言えない
自分の意見や気持ちを周りに伝えないという人も、引きこもりになりやすい性格。周囲に遠慮してしまい自分の意見を言えない人は、周りに流されてしまい人間関係に疲れ、自分を守るために引きこもるということが多いのだそうです。
「引きこもり夫」になりやすい環境とは?
1.正社員の退職が高リスク
配偶者がいる中高年男性の引きこもりの原因として考えられるのが、退職です。
パワハラやリストラなどで、それまで勤めていた仕事をやめてしまい、そのまま就職せずに引きこもってしまうという状況が多いのだそう。
とくに正社員として働いてきたという人の退職はリスクが高く、退職してすぐには就職活動をするけれど、だんだんと家に引きこもってしまうということが多いのです。
2.定年退職もリスクになる
自分で仕事をやめるのではなく、定年で退職した夫の引きこもりのリスクも高いといわれています。
定年まで仕事を頑張ってきて、職場という居場所をなくすことで、周囲になじめず家に引きこもってしまう高齢の男性が多いというのも現実なのです。
子どもの引きこもりリスクを低くするために気をつけたいポイント
育児をしている人の中には、「自分の子どもを引きこもりにさせたくない」と考えている方も多いですよね。ここからは将来自分の子どもが「引きこもり夫」や「大人の引きこもり」にならないように、気をつけたいポイントをご紹介します。
まず気をつけたいのが、自分の価値観を押し付けないということ。
子どもが自分と違うことを考え、行動しているのを怒ってしまうのはNGです。何度も自分の価値観を否定されることによって、子どもの自己肯定感が低くなってしまうということも考えられます。
子どもとはいえ「自分とは違う人間」ということを忘れないでおくことが必要です。
また過保護になってしまうことも、引きこもりのリスクを高めます。
とくに1番上の子供は手間をかけやすく、先回りして世話をしてしまうことが多いもの。そのような不便のない生活を長くすることで、ストレスやプレッシャー、失敗に弱い性格になりやすく、さまざまなきっかけで引きこもりになってしまうリスクが高いのです。
既婚女性にも多い引きこもり
既婚男性だけではなく、既婚女性の引きこもりも多くなっているのを知っていますか?
中でも専業主婦の引きこもりは、周囲から認知されづらく、長期化することも多いといわれています。既婚女性が引きこもりになってしまう理由としては、ママ友などとの人間関係がうまくいかないことや、夫の転勤で生活環境が大きく変わってしまうことなどが多いのだそう。
ほかにも夫が妻の外出を制限する場合や、DVによるケガを隠すために外出を避けるようになり、引きこもってしまうということもあるそうです。
また専業主婦の引きこもりの場合、近所付き合いや学校行事などの、最低限の社会的つながりを保ったままということも多く、自分でも引きこもっているという意識が低い人もいます。
「もしかして自分も引きこもり予備軍?」と気になった方は、趣味や好きなことなど外出しやすいことから、外で過ごす時間を増やしていくのがおすすめ。
急激に外に出ることを増やしてしまうと、疲れてしまい逆効果になってしまうこともあるので気をつけてくださいね。
要因や理由を知って引きこもりリスクを下げよう!
特定の人物に限らず、どんな人が引きこもりになってしまっても不思議ではない現代。
今回お話したような引きこもりになりやすい性格や環境などを知っておくことで、自分や家族の引きこもりリスクを下げることができます。
全てにおいて完璧を目指さず、時には休んだり、自分を甘やかしたりしながら、引きこもりにならない生活を心がけていきましょう。
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