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離婚家庭の子どもはダメなのか。少し早く大人になる子に必要なもの

LIMO / 2019年7月19日 11時50分

離婚家庭の子どもはダメなのか。少し早く大人になる子に必要なもの

離婚家庭の子どもはダメなのか。少し早く大人になる子に必要なもの

「お前は離婚家庭の子どもだからダメなんだ!」と罵られた…19歳の男性が「スクールハラスメント」を受け、相談・紛争処理機関や相談窓口の設置を訴えており、署名をあつめていることが話題となっています。

「スクールハラスメント」は今まで可視化されておらず、立場の弱い子どもが我慢する状況が続いています。この呼びかけが子どもたちの人権を守る動きになることに期待したいです。

そしてもう1つ気になるのが、「離婚家庭の子どもはダメ」という点です。離婚家庭の子どもは、自分の意志で離婚を選択したわけではありません。しかし「親の離婚」が名字が変わることなどからクラスメイトに知られ、いじめを受けることも現実としてあります。
今回はこの離婚について、子ども目線で考えたいと思います。

離婚件数は増加傾向

厚生労働省が公表している『平成30年(2018)人口動態統計月報年計(概数)の概況』によると、2018年の婚姻件数は58万6438組、離婚件数は20万8333組となっています。50年前の1968年の婚姻件数は95万6312組、離婚件数は8万7327組と、婚姻件数は人口減少も相まってか減少傾向にありますが、離婚件数は2倍以上に増加しています。

増える離婚ですが、その原因は一体何なのでしょうか。

「離婚したい」その動機

長年、結婚生活を続けていると相手の良い面も悪い面も見えてきます。離婚を決心する原因は、どこにあるのでしょうか。司法統計(平成29年度 婚姻関係事件数)によると、離婚理由の第1位は「性格の不一致」となっています。

夫と妻、それぞれの離婚理由トップ5を見てみましょう。

【夫からの申し立て事由】
1位:性格が合わない
2位:精神的に虐待する
3位:その他
4位:異性関係
5位:家族親族と折り合いが悪い

【妻からの申し立て事由】
1位:性格が合わない
2位:生活費を渡さない
3位:精神的に虐待する
4位:暴力をふるう
5位:異性関係

DV・モラハラによる離婚

両方の離婚原因に入っている「精神的な虐待」については、いわゆる「モラハラ(モラルハラスメント)」や「DV(ドメスティック・バイオレンス)」が該当します。一方的に自分の性格を否定されたり、嫌味をネチネチと言われたり、それが日常化していないでしょうか。

内閣府男女共同参画局のHP『ドメスティック・バイオレンス(DV)とは』によると、以下のような具体例が示されています。

・大声でどなる
・実家や友人とつきあうのを制限したり、電話や手紙を細かくチェックしたりする
・何を言っても無視して口をきかない
・人の前でバカにしたり、命令するような口調でものを言ったりする
・大切にしているものをこわしたり、捨てたりする
・子どもに危害を加えると言って脅す

このような言動が家庭内で行われていると、当然ながら追い詰められてしまいます。もはや単なる夫婦ゲンカではありません。家庭内ではお互いに遠慮がない分だけ、言葉による危害は根深くなりやすいのです。

モラハラ被害…子どものために離婚すべき?

モラハラなどの被害に耐えきれず離婚を考えるとき、子どもがいる場合は養育費のことを必ず協議していきましょう。

養育費の計算には「養育費算定方式」が広く用いられています。これは、養育費を支払う側(義務者)と受け取る側(権利者)の収入や就労形態、子どもの人数、各々年齢をもとに計算する方式です。

厚生労働省の養育費に関するデータによると、養育費を受け取っている世帯の平均月額は、母子家庭が4万3,707円、父子家庭が3万2,550円で、前回(5年前)の調査と比較して横ばいの状態です。

子どもを1人親で育てていると長時間の就労が難しく、正規雇用に就きにくいという問題もあります。成長につれて生活費も膨らんでいきますので、子どものためにも養育費についてはしっかり話し合っておくべきでしょう。

「離婚したからダメ」という周囲が問題

離婚の理由1位は「性格の不一致」ですが、「精神的虐待」も男女ともにランクインしています。

離婚は確かに、なるべくしない方が良いでしょう。子どもがいる場合は、離婚による影響が心配されます。夫婦で話し合いをかさね、お互いが歩み寄る努力をする必要があります。

しかし、精神的・肉体的に追い詰められる状態であれば、離婚も選択肢の1つです。いつまでも我慢し続けることは、その本人だけではなく子どもへも悪影響です。

子どもにとって離婚は大きな事件です。両親の愛の証として存在する子どもにとって、離婚は自分の存在そのものを否定されたような気持ちになります。

そして周囲の人からの中傷や「離婚なんて…かわいそう」という同情も、本人を苦しめます。

しかし結婚した途端に人が変わったようになる人も、なかには存在します。結婚したからこそ分かることがあるのも事実なのです。

そのため離婚は制限されるべきではないでしょう。そして周囲は大きな決断をした親や、離婚を受け入れる努力をしている子どもを応援するべきなのではないでしょうか。また経済的な支援も求められています。

親の離婚を経験した子どもは、周囲よりも少し早く大人になるのかもしれません。それが良いことなのか悪いことなのか断言はできませんが、その姿を罵るのではなく、応援して欲しいと思います。

さいごに

夫婦の行き違いは、些細なことが原因で起こったり、いつの間にか致命的なダメージを受けていたり、深刻な問題を抱えていることがあります。

離婚家庭が多いとはいっても、自分の人生・子どもの人生をできるだけ大切にしていきたいものです。

そのためにもお互いを尊重しながら、妥協点を見つけ出すことが重要になるのかもしれません。夫婦で共通点を持って同じ方向を見る時間も大切にしていきましょう。

【参考】
『平成30年(2018)人口動態統計月報年計(概数)の概況』厚生労働省
『ドメスティック・バイオレンス(DV)とは』内閣府男女共同参画局
『新算定表早わかりガイド』日本弁護士連合会
『平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告』厚生労働省
『「スクールハラスメント」相談窓口を 学生が署名活動へ』朝日新聞

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