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やっぱりコスパ!? 私立出身の私が我が子に公立中高一貫校を受けさせた理由

LIMO / 2019年7月28日 19時45分

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やっぱりコスパ!? 私立出身の私が我が子に公立中高一貫校を受けさせた理由

公立の中高一貫校の存在感がじわじわと増しています。首都圏では2000年代に設立が始まり、最近では東京大学に2桁の合格者を出すなどの実績を上げ、人気が高まっている学校もあるようです。そこで今回は、今春、長女に都立の中高一貫校を受験させたAさんに、なぜ私立ではなく都立を選んだのか、また受験までの道筋を聞いてみました。

入試問題をチェックして受験先を絞り込む

Aさん自身は、全国でも指折りの進学校である私立の中高一貫校から都内の一流私立大学に進学。卒業後は日系・外資系の金融機関勤務を経て起業し、現在は経営者として活躍するいわゆるエリートコースを歩んできた人物です。そんなAさんは、都立の中高一貫校の教育についてどう考えたのかをまず聞いてみました。

「そもそも我が家の教育方針は、一にも二にも自分の頭で考えられるようになることなんです。その点、子供に受験させた都立桜修館中等教育学校(注1)は論理的思考を重視するというところが魅力的でした。実際、学校が公開していたり、説明会で解説してくれたりする入試問題を見ても頭を使わせる問題が多く、こうした設問をする学校なら教育レベルも高いだろうと判断しました」

もちろん受験は都立一本ではなく私立も受けているといいますが、違いはあったのでしょうか。

「私立で相当偏差値が高くても、何を聞きたいのかよくわからないような入試問題もあり、世間的な偏差値が先行しすぎているのではないかと感じるところもありました。一方、桜修館以外の都立の一貫校にもよくできた試験問題が多いので、今後はそこから優秀な生徒が出てくるのではないかと思います。あとは本人が共学を希望したので、都立と私立の共学校に絞り込みました」

(注1)中高一貫校には6年間の一貫教育を一つの学校で行う中等教育学校のほか、併設型、接続型がある。

塾は行かずに通信教育で受験に備える

中学受験をするときには学習塾に通わせるケースが多いでしょうが、Aさんの場合は違うやり方だったと言います。

「うちは塾ではなく、通信教育のZ会を4年生から始めました。桜修館で問われる論理的思考の部分に時間をかけて強化し、6年生になってからは定期的に四谷大塚の模試を受けるようになりました。通信教育のほうが安く済むというのもありますが、小学生が塾に通って遅い時間まで外にいるのは安全面でも健康面でもよくないのではないかと思います。また、通信教育なら親が迎えに行く必要もありません」

お金をかけて有名私立に行くのはコスパに見合わない

Aさん自身は前述のように私立の中高一貫校を出ています。なぜ子供には公立の一貫校を選んだのでしょうか。

「もはや、“東大に行って中央官庁や一流企業に入ったら幸せ”という図式は崩れているのではないでしょうか。そういう時代にお金をかけてまで有名私立中高に行くのはコスパに見合わないと感じています。特に娘は獣医志望で北海道大学に行きたいと言っていたので、路線として私立でなくともよいかなと。それに、当たり前のことでしょうが私立より費用が安い。教育方針に納得しているなら圧倒的にコスパがいいですよね」

文部科学省が隔年で実施している「子供の学習費調査」の直近の結果を見ると(平成28年度、平成29年12月発表)、公立の中学校・高校と私立の中学校・高校の1年間の子供1人あたりの学習費総額(注2)は以下のようになっています。

【私立】中学校:132.7万円、高等学校:104万円
【公立】中学校:47.9万円、高等学校:45.1万円

これをそのまま中高一貫校に当てはめることはできないとしても、目安として公立は私立の半分以下の年間費用で済むことになります。

(注2)学習費総額:学校教育費、学校給食費、学校外活動費の合計

では、私学側は最近の公立一貫校の台頭をどう見ているのでしょうか。都内の有名私立中高一貫校のベテラン教諭は、学校によって様々な見方があるだろうと前置きしたうえでこう語ります。

「私立で数十年レベルの歴史を持つところは、その伝統にもとづく教育方針や校風などが確立されているので、公立一貫校を意識して何かを変えるということは少ないでしょう。ただ、変化があるとすれば、やはり少子化の影響で年々生徒のレベルを維持する競争が厳しくなっているように感じています」

今後は、私立、公立を問わず、少子化の中で生徒を確保していく切磋琢磨、生存競争がより顕著になるのかもしれません。

おわりに

教育の方針や子供の希望は、各家庭で千差万別です。また、中学受験のために小学校の中・高学年から受験勉強をさせることの是非についても意見が分かれるところでしょう。

今回は一例として、非常に合理的な考え方を持つAさんの例を紹介しましたが、何を念頭に置いて学校を選ぶかは親として悩むところです。ただ、右肩上がりの経済成長が望める時代ではなく、年金など将来への不安が増している中では、Aさんのように「コスパ」を重要視するケースも多くなってくるのではないでしょうか。

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