事業の拡大に「他人の力」を活用する方法
LIMO / 2019年8月10日 21時15分
事業の拡大に「他人の力」を活用する方法
ストックビジネスを一気に作るドミノの先頭探し
成長し続けるビジネスの仕組みである「ストックビジネス」についてお伝えしていく本シリーズ。今回は、ドミノ倒しのように、一気に新しい事業を成長軌道に乗せるためのアプローチについて考えます。
* * * * *
このところ私は、最も注力している事業のコンセプトビジョンを描いています。目的はドミノ倒しの「最初のドミノ探し」です。
私が注力しているのは駐車場関連事業。これは(株)ハッチ・ワークの新規事業として開始してからすでに5年経っていますが、実はここまでは準備期間と言っていいくらいビジネスモデルのチューニングを行ってきました。
まだ世にないサービスは、競争相手がいない代わりに何度も市場で確認してチューニングすることが必要です。この作業には根気も資金もかかりますが、ここが参入障壁にもなるので言わば勝負の分かれ目となる重要なポイントです。
そうして競争力を高めるために年に一つはサービスの追加を行いますが、それを5年も続けると家を増築し続けたような状態になってきて、初期のコンセプトが古くなるのが普通です。
そこで改めてコンセプトの再定義が必要になります。
これを私が携わっている経営者コミュニティーの「ストックビジネスアカデミー(https://otaketakahiro.com/academy)※1」では、コンセプトのリノベーションという言い方をしています。それを今回は、新しい方法で試してみました。夢を実現するための「ドミノの先頭」を見つけたいとの強い思いからです。
そう考えるに至った理由にも簡単に触れておきましょう
「他人の力」を利用してビジネス拡大を加速する
先日、シャンプー・ブローの通い放題をサブスク(定額サービス)で提供する「MEZON※2」の石黒副社長からすごいことを教えてもらいました。
なぜ、MEZONというシャンプー&ブローのプラットフォームサービスが1年足らずで劇的に成長し、マスコミに連続で取り上げられるまでになったのかを石黒氏に聞いたところ、その成功要因の一つが「ドミノの先頭にフォーカスして行動」したからだというのです。つまり、運ではなくすべて計算ずくの成功というわけです。
事業の立ち上げ時期は「他人の力」を活用することで拡大のスピードが速まります。
ドミノ倒しをイメージしてください。最初にどのドミノを倒すかによって初期の加速は劇的に違うと思います。では、そうしたドミノの先頭はどうやったら見つけられるのか。
この「ドミノの先頭」を見つけるのに、本来はコミュニティー運営のビジョンを探すために使われるフレームを試してみました。コミュニティーは他人を巻き込む要素があるのでドミノ探しには適していそうです。
まず、以下のものを書き出してみます。
叶えたい夢
それをしたい理由
現実とのギャップ
それを解決するアイデア
実現に必要な他人の力
たったこれだけなのですが、まさに商品サービスが出来上がる手前でこれをやるのは効果が高いと思います。
ここで注目してほしいのが、最後の「実現に必要な他人の力」です。ついつい自分たちができることは何かを考えがちですが、それをあえて他人の力で実現しようと考えるところがポイントです。
「他人の力」をどう見つけるか
最初のドミノを探すコツとして、実現に必要な他人の力を見つけ出すときには以下の順番で考えます。
この商品サービスを使うであろう相手を書き出して業種別に並べる
その業種のなかで最も影響力のある会社を選ぶ
選んだ会社の中から、この商品サービスを導入する可能性がありマスコミに強い(よく取り上げられている)会社を選ぶ
その会社と自社がコラボしてニュースバリューになるサービスを設計する
そして、ここからが大事です。
選んだ会社の門をたたいて自社の商品について意見を求め(ヒアリング)、その会社の影響を受けドンドン商品を良くしていく
まるで共同開発しているかのごとく、改良の過程を相手の会社に報告する
これは「育ての親戦略」と言えるかもしれません。親の影響を受けた子が育つ様を想像してみてください。その親は絶対に応援してくれますね。
この、「ヒアリング(親の影響を受ける)」と「すぐに報告する(成長の報告)」という、影響力のある会社を育ての親にする戦術は、MEZONの石黒氏も話していた勝利の方程式です。
ちなみに私が今回のテーマに選んだのは駐車場事業という地味なBtoB色の強い事業でしたので、「最初のドミノ探し」のネタが出るか少々不安でしたが、このやり方だと頭が整理されてかなりアイデアを出すことができました。
おわりに
昔とはビジネス環境が変わってしまい、商品サービスの寿命が極端に短くなったことに悩んでいる経営者は多いでしょう。
今回紹介したアプローチは、業界に影響力のある会社と組め、商品サービスを作る過程を共有することで売り込みが楽になり、商品を一緒に作ったということで「育ての親」を得られ、短期間にシェアを取れるという効果の出やすい方法です。商品サービスのチューニングを考えているのであれば、この考え方を試してみてはいかがでしょうか。
※1 ストックビジネスアカデミー(https://otaketakahiro.com/academy)には、経営者がこうした試行錯誤を報告し合える仲間がいます。興味があればぜひ覗いてみてください。
※2 MEZONについて詳しくはこちらの記事をご参照ください:『”サブスク”サービス成功のカギ〜シャンプー・ブロー通い放題の事例から(https://limo.media/articles/-/11264?page=1)』
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