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「日本三大がっかり名所」ホントにがっかり? それとも意外と楽しめる?

LIMO / 2019年8月7日 11時25分

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「日本三大がっかり名所」ホントにがっかり? それとも意外と楽しめる?

ビジネス、今日のひとネタ

日本には「日本三大がっかり名所」と呼ばれる観光スポットがあるのですが、ご存じでしょうか? ウェブ上でも数多くの解説がありますが、たとえば、はてなキーワードの「日本三大がっかり名所」の解説によると、「日本国内で、観光名所としては有名だが、実際に訪れると期待外れとされる三つの場所」とされています。

とはいうものの、このような不名誉な称号がつけられた「がっかり名所」は、本当にがっかりしてしまうような場所なのでしょうか。それとも、意外と楽しめるのでしょうか? ここでは、実際に行った人の声を取り上げながらご紹介していきます。

札幌の時計台

オフィス街の一角にたたずむ札幌時計台

一つ目として紹介するのは、北海道札幌市にある、「札幌時計台」。正式名称を「旧札幌農学校演武場」といい、1970年に重要文化財に指定された歴史的建造物です。三角屋根の上に大きな時計がのった、特徴的な外観を持っています。

ネット上では、実際に訪れた人たちからこんな声が上がっています。

「札幌時計台ほどがっかりするものはない」
「通りすがりに一目見るくらいでいい」
「小さくて見逃してしまいそう」
「去年時計台行ったら改修中でよりがっかりだった はりぼてというか時計台に時計台の絵が描かれた布かぶさってた」

ちょっとひどい言われようですね……。しかし一方で、こうした時計台への扱いに憤る声や、時計台を評価する声も上がっています。

「がっかりするといわれて腹が立つ」
「がっかりするのは名所!名所!と妄想膨らませすぎ、もしくはあなたが欲張りなだけなので、普通にお越しください。いい建物です」
「時計台よくがっかりスポットと言われますが、内部の建築は凄いので是非とも行ってみて下さい」
「ぶっちゃけ、趣があってカッコいいと思うんだけど、これがガッカリ名所と呼ばれていることが解せない」

北海道と言われると大自然を思い浮かべる人が多いと思いますが、時計台は都会にあります。ビルに囲まれている姿を見ると、膨らんでいた期待がちょっとしぼんでしまうのかもしれませんね。ほかにも、重要文化財に指定されていることや、旅行会社のパンフレット・各種メディアで紹介される際に、まわりのビルなどを上手に避けた写真や時計台だけを切り抜いた写真が掲載される場合が多いこともあり、建物周囲の雰囲気を知らされないまま、期待だけが過度に高まってしまうことも原因かもしれません。一方で、上記のように、建築そのもの、特に建物の内部については、「中に入ったら完全にイメージが変わる」「ぜひ時計台の内部を見てほしい」など、高い評価をしている人が多いようです。

ちなみに2018年には、時計台の写真を撮ったときにこれまでなら背後に比較的ビルが写り込まなかった空間に、ひときわ大きなビルが建ちました。これについて、同年4月にジャーナリストの佐々木俊尚さんも「後ろに27階ビルができて写真に写り込んでしまうそうです。でももともとビル街のど真ん中だし、仕方ないんじゃないかなあ。別の魅力の打ち出しが求められてるのでは」とツイートしています。

高知のはりまや橋

高知市の中心部、はりまや橋公園内にあるはりまや橋(復元)

続いて紹介するのは、高知県高知市にある「はりまや橋(播磨屋橋)」。江戸時代に、高知城下を走る堀川によって南北に隔てられていた豪商の播磨屋の本店と櫃屋(ひつや)の本店との間で、堀を越えてお互い行き来するために、私費により造られたとされ、高知の民謡「よさこい節」の歌詞にも出てくるような有名な橋です。

昭和30年代には、もともと旧陸軍の高知出身者が多かった部隊で歌い継がれていた曲をもとに、歌手のペギー葉山が歌った『南国土佐を後にして』が大ヒット。同名の映画まで制作されましたが、「はりまや橋」はこの歌詞の中にも登場します。この曲のヒットが、全国的に「はりまや橋」を一躍有名にしたといわれています。

ここでも、実際に訪れた人の声を見ていきましょう。

「小さくて見逃してしまいそうになった」
「ここがはりまや橋と言われても分からない」
「街中に突如現れるから期待して行ったらダメ」
「札幌時計台をがっかり名所とか言ってるやつは『こいつ、高知のはりまや橋をしらねぇな』と思ってしまう。はりまや橋に比べたら時計台なんか立派すぎるわ」

やはり否定的な意見が目立ちますね……。実は昔のはりまや橋があった場所には、現在、とさでん交通桟橋線や国道32号(支線)が通る石造りの橋がありますが、これは1998年に完成したもの。堀川自体が戦後しばらくして埋め立てられていたため、橋の下には堀はなく、道路の両脇に欄干のみが建っている状態です。そして、そのすぐ西側には、人工水路の上に復元された赤い欄干のはりまや橋がありますが、レプリカであることにがっかりする人もいるようです。

ネット上では、そうした見方への反論として、

「がっかり名所言われてるけど、勝手に想像してそう思う人の気がしれん」
「街中なのに水流れ緑もあるいい感じの休憩スポット」
「よく3大がっかり名所と言われるけど、この朱色の橋を見るとカッコいいなって思います」

といった声もありますが、地元民とおぼしき人も、「日本がっかり名所第一位」「日本一のがっかり名所」と自虐的につぶやくなど、札幌時計台と比較しても、擁護する人が少ないような印象はあります。

しかし、周辺は、はりまや橋公園を中心にきれいに整備され、橋の歴史や以前の欄干が展示されている地下広場(地下通路)があったり、橋の東側にからくり時計があったりと、見どころは橋だけではありません。街並みも素敵で、周囲の雰囲気にはなかなか風情があります。はりまや橋だけをただ一つの目的にしてしまうとがっかりしてしまうのかもしれませんが、近くを散策したり、街並みや雰囲気とともに橋を楽しんだりすると良いかもしれません。

3つ目の「がっかり名所」は?

三大がっかり名所というには、3つの観光スポットがあるはずなのですが、実は3つ目のスポットは、人によって意見が分かれるようです。「諸説あり」というものですね。ここではそのうちのいくつかを紹介していきましょう。

沖縄の守礼門

2000円札のデザインにも使われている守礼門(復元)

日本三大がっかり名所の3つ目の候補として、最初に紹介するのは、沖縄の守礼門。2000円札の意匠にも採用されたことで有名です。かつて琉球国王の居城であった首里城を代表する城門ですが、第二次世界大戦によって首里城とともに焼失してしまい、現在は復元された姿を見ることができます。

ちなみに、首里城を含めた沖縄県内の5つのグスク(城)は、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」という形で世界遺産にも選ばれていますが、より正確にいえば、世界遺産登録は「首里城跡」のため、復元された守礼門は厳密には世界遺産ではありません。

また、1958年に守礼門だけが先に復元され、1992年に首里城正殿が復元されるまで、「正殿がないのに門だけがある」という状態が続いていました。そういったこともあってか、「三大がっかり名所」の候補と言われることも多いようですが、赤と白の瓦で造られた屋根が印象的な建物で、その美しさを称える声もネット上では数多く見られます。

長崎のオランダ坂

長崎市内にはオランダ坂と呼ばれる坂が複数ある

次に紹介するのは、長崎にあるオランダ坂。江戸時代に唯一、海外との貿易を許された長崎で、外国人の居留地となった東山手エリアにある坂を指していうそうです。昔の長崎の人は、オランダ人に限らず、外国人を総称して「オランダさん」と呼んでいたそうですが、「外国人居留地にある石畳の坂」という意味で「オランダ坂」と使っていたようで、長崎市内には「オランダ坂」と呼ばれる場所がいくつかあります。

周辺は、居留地時代を思わせるような洋風建築が建っていたりと、異国情緒も漂うエリアですが、坂自体が生活道路でもあり、もちろんごく普通の建物や民家も建っています。坂の途中にほかのわかりやすい人気観光名所があるわけではないため、ネット上でも「ただの坂だわ」「マジで坂あるだけなんで逆に驚いた」というように、がっかりを表明する観光客が多いようです。

ここも、はりまや橋などと同じく、そのスポットだけではなく、「まわりの雰囲気」や「歴史的背景」まで含めて楽しむような名所といえるかもしれません。

京都タワー

京都駅の向かいに建つ京都タワー

最後に紹介するのは、京都タワーです。伝統的な街並みが多く残され、日本人のみならず外国人も数多く訪れる国内最大の観光都市・京都。その玄関口ともいえる京都駅の正面に位置しているのですが、海のない京都市を照らす「灯台」をイメージしてデザインされた特徴的な外観は、あまたある京都の伝統的な観光名所とはちょっと異質の存在ではあります。なお、関西人はおろか京都人でも、京都タワーの外観は「和ろうそく」を模したという説を信じている方もいるそうです。確かに「和ろうそく」のほうが似ている感じもしますね。

京都タワーについては、ネット上での評価を見ても、「昇ってがっかり、見てがっかり」「デザインの取ってつけた感が半端ない」などのほか、2016年からはLEDで彩りよくライトアップされるようになった姿にも「色づいた京都タワーを見るたびにがっかりするんだが、これもやがて慣れるのだろう…」と手厳しい声が並びます。外観上、多くの人が思い描く「京都らしさ」に溶け込めないことが、「がっかり候補」に挙がってしまっている理由なのでしょうか……?

やはり一度は見てみたい?

ご紹介した数々の「名所」は、知名度が高く、歴史的価値が認められているものもあり、実物を見る前に大きな期待を寄せてしまいます。そのせいもあって、実際に訪れてみると「思ったより小さい」「実物を見るとダサい」「なんかしょぼい」などというように物足りなさを感じてしまうのかもしれません。

しかし、実際には、どの「名所」にも、いまも多くの観光客が訪れています。その名所ただ一点だけに大きな期待を寄せるのではなく、街並みやまわりの雰囲気とともに楽しんだり、歴史や背景もあわせて学んだりすることで、「がっかり」してしまうことはないのではないでしょうか。

ここで紹介したスポット以外にも、大阪の仁徳天皇陵(大仙古墳)や愛知の名古屋テレビ塔など、「日本三大がっかり名所」の候補に挙がっている観光地はいろいろあります。皆さんはこの記事を読んで、「がっかり名所」にどんな感想を持ちましたか? 「意外と行きたくなった」という方は、ぜひ足を運んでみてくださいね。

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