「支出が重なる40代」と「定年を迎える60代」の平均貯蓄額に大きな差!その理由

LIMO / 2019年8月7日 21時15分

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「支出が重なる40代」と「定年を迎える60代」の平均貯蓄額に大きな差!その理由

自分の貯蓄額がどの程度なのかを知るためにも、平均貯蓄額は把握しておきたいもの。とはいえ、貯蓄の状況は世代によっても大きく異なります。

とくに、なにかと支出が重なる40代と、多くの人が定年を迎える60代ではかなりの差があるでしょう。その具体的な状況と、差が開く原因を探ってみましょう!

1世帯あたりの貯蓄額の平均値と中央値

総務省は、2019年5月17日に「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2018年(平成30年)平均結果-(二人以上の世帯)(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html)」を公表しています。その結果、2人以上世帯の1世帯当たり平均貯蓄現在高は1,752万円となりました。

ここで、「平均値」の注意点を踏まえておきましょう。「すべて値の合計をデータの数で割った数字」である平均値は、極端に大きな数字によって引き上げられるケースがあります。そのため、「貯金が数億円ある」といった人がいた場合、実態とかけ離れた平均値が算出されることも。

そこで、「中央値」もあわせて把握しておくといいでしょう。これは、データを順番に並べた際に真ん中にある値を指します。先ほどの調査では、中央値は1,036万円、貯蓄「0」世帯も含めた中央値は978万円となっています。

平均値の1,752万円と比較すると、700万円以上も低い結果になりました。「平均値の高さに驚いたが、中央値の数値を見て少し安心した」という方も多いのではないでしょうか。

40代と60代で貯蓄額が違う理由は退職金?

先ほどの結果には、さまざまな世代が混在しています。そこで、40代と60代の2人以上世帯の金融資産保有額のデータもあわせてチェックしておきましょう。

40代…平均値942万円、中央値550万円
60代…平均値1849万円、中央値1000万円

両者を比較すると、平均値・中央値ともに2倍近い差があります。60代でここまで資産が増えるのは、「退職金」の影響があると考えられるでしょう。

厚生労働省が発表した「平成30年就労条件総合調査 結果の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/18/dl/houdou.pdf)」では、企業の80.5%が「退職給付(一時金・年金)制度がある」と回答しています。60代の多くは、この退職金によって資産が一気に増加するのでしょう。

また、2019年に日本経済団体連合会が発表した「2018年9月度退職金・年金に関する実態調査結果(https://www.keidanren.or.jp/policy/2019/039.pdf)」では、「学校卒業後直ちに入社し、その後標準的に昇進・昇格した者」を例にした「標準者退職金」を以下のように示しています。

標準者退職金の支給額(総額)
管理・事務・技術労働者
(総合職) 生産・現業労働者
大学卒 2255.8万円 -
高校卒 2037.7万円 1817.2万円

ただし、この調査の対象は従業員500人以上の企業が81.0%も占めています。そこで、東京都産業労働局が公表した「中小企業の賃金・退職金事情(平成30年版)(http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/toukei/koyou/30chingin_2_7.pdf)」をもとに、中小企業のモデル退職金もみておきましょう。

モデル退職金(卒業後すぐに入社し、普通の能力と成績で勤務したケースの退職金水準)
大学卒 1203.4万円
高校卒 1126.8万円

大企業の退職金は2000万円前後であるのに対し、中小企業は1100~1200万円という結果に。両者には約1000万円の差があると分かりました。

貯蓄のためにキャッシュレス化を避ける手段も

老後に向けてしっかりと準備しておくためには、退職金だけでなく日々の生活費からも貯金をする必要があります。しかし、ここで踏まえておきたいのが「キャッシュレスの落とし穴」の存在です。

買い物の際の手間が省けることから、多くの人がクレジットカードや電子マネー、デビットカードなどを利用しているのではないでしょうか。たしかにキャッシュレス化はとても便利ですが、「買うべきかどうか」と考える時間まで短縮されてしまします。

その結果、不要なものまで購入してしまうことも。支出が増えると、貯金できる額も減ってしまいます。貯金のことを踏まえると、「あえてキャッシュレス化の波に乗らない」というのもひとつの選択肢なのかもしれませんね。

まとめ

退職金の金額を聞くと、大きな安心感を得た方もいるのではないでしょうか。とはいえ、「退職金だけで老後資金をカバーできる」と言い切れるわけではありません。余裕をもって老後に備えておくためにも、今のうちから無駄遣いを防ぐ工夫をしておきましょう。


【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

 

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