育休取得は「図々しい」?第2子妊娠時に放たれた衝撃的な言葉とは
LIMO / 2019年8月15日 20時45分
![育休取得は「図々しい」?第2子妊娠時に放たれた衝撃的な言葉とは](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_12739_0-small.jpg)
育休取得は「図々しい」?第2子妊娠時に放たれた衝撃的な言葉とは
近年では男性の育児休業取得者もちらほら出てきている様子ですが、まだまだ少数です。
育児休業といえば、やはり母親の方が取得しやすいというのが現在の日本の常識ではないでしょうか。
しかし、必ずしも女性だからといって育休を取得できるわけではありません。今回は筆者の実体験などをもとに、育休取得の難しさや問題点をお伝えします。
「マタハラ」…女性をおそう鋭い言葉の刃
厚生労働省の「平成29年度(2017年)雇用均等基本調査」によると、2017年度の女性における育児休業取得率は83.2%。この数字から、多くの女性労働者が雇用を継続しながら一定期間の育児休業を取得していることがわかりますよね。
女性が育休を取得して子育てに専念した後、時期を見て職場に復帰する…。
今では主流になりつつあるこの流れですが、様々な理由から「マタニティハラスメント(マタハラ)」(妊娠中に退職を迫るようなハラスメントを行うこと)を受けてしまう女性も少なくありません。
「妊娠したら退職するのが当然でしょ?」「育休中に周りの同僚に迷惑がかかるよね…」「おめでたか〜で、いつまで仕事続けるの?」「育休取得中にまた妊娠?いつまで休む気?」など、鋭い言葉の刃が女性に襲い掛かります。
さまざまな企業が一丸となって「ハラスメント防止対策」に取り組んでいる現状から見ても、マタハラを受ける女性が存在していることは明らかです。
そして何より、筆者も、第二子妊娠中にマタハラを受けた経験を持つ当事者です。そこで今回は、筆者が実際に受けた理不尽な通告や会社側の対応などを、包み隠さずお伝えしていきたいと思います。
「正社員になってくれるなら戻ってくる場所があるんだけど…」
この言葉は、筆者が第二子妊娠を会社側に伝えた次の日に返ってきた言葉です。
筆者が当時勤めていたのは、地元でも有名な私立幼稚園。医者や弁護士のお金持ちの子どもが多く集まる幼稚園で、送迎時の駐車場にはベンツやBMWなどの外車がずらりと並んでいました。
第一子が1歳になってすぐに働き始めたその幼稚園では、子育てに比重を置きたいという理由から「週4日・17時までの勤務」という条件で雇用契約を結んでいました。しかも、入社する時点で第二子のことも考えていたので、面接時に「第二子ができたら育休を取得して長く働いていきたい」という旨をしっかりと伝えて合意もいただいていました。
…にも関わらず、いざ第二子の妊娠を告げると「20時頃まで働いてくれる人じゃなきゃ要らないわ」といわんばかりに態度が代わり、いつもは優しかった園長先生もぎこちない態度に変化。
夕方は子どもの保育園に迎えに行かなくてはいけないため、どうしても17時までしか働くことができなかった当時の筆者。その状況を園長先生はわかっていながら「園としては〇〇先生(筆者のこと)に残って欲しいんだけどね〜」「正社員になってくれたら全て丸く収まるのに〜」などといってくるのです。
始めは筆者も園長先生の「正社員にならないか」との提案を前向きに検討し、育休取得・復帰と考えていましたが…これには同僚が激しく反対!なぜなら、筆者の働く私立幼稚園は県内の保育施設からも「ブラック企業」として有名で、正社員の先生方はいつも夜遅くまでサービス残業をされていたからです。
普段の日でも19時や20時頃まで残業をしていたのは知っていましたが、後から聞いた話では運動会や発表会前になると日付をまたぐことも珍しくなかったそうです。
そんな激務だと知ってしまった以上、とても「正社員でもいいから育休を取得させてください」とはいえず…。結局、泣き寝入りという形で退職をすることになりました。
そして園長先生はマタハラに該当しないようにするためか、筆者に対して辞表を提出するように求めてきたのです。
筆者は心の中で「面接のときは育休OKっていってたのに…」「無理な条件突きつけて辞表を書かせるなんてずるい!」と怒り心頭でしたが、こんなブラック企業はこっちから願い下げ!
そう自分にいい聞かせ、今回はいいきっかけだったと思うように気持ちを切り替えました。
数年後、園長先生からメールが届き「先生が急に辞めちゃって…パートでもいいから復帰できない?」と。
よくもまぁ、どの口がそんな図々しいことをいえるのだろう?と半ば呆れながら、丁寧にお断りをしました。
男性の育休取得率も上昇
厚生労働省の調べによると、企業規模が大きければ大きいほどマタハラ防止対策を実施しているといい、また育児休業の取得率も安定しています。
こうした観点から見てみると、育休取得率が高い大手企業に身を置く方が、安心して子育てに専念できる環境になるのではないでしょうか。
前述した「平成29年度雇用均等基本調査」によると、2017年度の男性の育休取得率は5.14%と非常に低いですが、前回調査(2018年度、3.16%)より1.98ポイント上昇しています。
これからは女性だけではなく、男性の育休取得率もさらに伸びて行くことが予想されます。
まとめ
過去に理不尽なマタハラを受けて、大好きだった幼稚園教諭という職から泣く泣く離れることになりました。
国を挙げてハラスメントの防止対策に力を入れてはいるものの、今すぐに全てなくなるわけではありません。
気持ちよく育休を取得するためには、どのような企業に就職するほうがいいのか?夫は取得できないか?今一度、自身のライフプランと照らし合わせて考えてみるとよさそうです。
【参考】
「平成29年度雇用均等基本調査(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-29r/07.pdf#search=%27%E8%82%B2%E4%BC%91%E5%8F%96%E5%BE%97%E7%8E%87+%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%9C%81%27)」厚生労働省
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