「叱らない子育て」は迷惑?「叱れない」親が増えている背景とは

LIMO / 2019年8月17日 12時10分

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「叱らない子育て」は迷惑?「叱れない」親が増えている背景とは

「叱らない子育て」がさまざまな場で推奨されています。
ですが、いまだに肯定派と否定派がいるのはなぜでしょうか?

それは「叱らない子育て」の解釈を間違えている親、勘違いしている親が後を絶たないからに他ありません。

実際にあった「叱らない子育て」エピソードをご紹介しながら、「我が子を伸ばす子育てとは?」検証します。

エピソード1:「注意」と「叱る」を勘違いしている親

「義姉がまさに『叱らない子育て』を実践している親で、親戚同士で集まるときには、とても気疲れしてしまいます。
私の娘と年が近いので、仲良く遊んで欲しいのですが……。
娘が持っているおもちゃを無理矢理奪ったり、突然突き飛ばして泣かせたりと、目が離せません。
2人ともまだ幼稚園児ですから、口より先に手が出る場合もあるとは思うのですが、側で見ている義姉は、自分の子が何をしても常にニコニコ。
『〇〇ちゃん、ダメよ~』なんて優しいトーンで言うだけで、叱ろうとしません。
ある日、義姉の子が手にしていたおもちゃを娘の顔に向かって投げたので、私から少しきつめに注意しました。
そうしたら、鬼の形相で義姉がやってきて『〇〇ちゃんの心が傷付いた!謝って!!』と謝罪を求めてきたのです。
いやいや、本当に傷を負ったのは私の娘なんですけど…。
絆創膏を貼った程度のケガとは言え、危ないことは注意しないとダメですよね?
義姉といると正しい子育てって何なのか、分からなくなってしまいます」

そもそも「叱らない子育て」とは、親が感情的に怒らない・子どもに落ち着いて対応するということを推奨している方法です。

それを勝手な解釈で悪いことをしても注意もしないのは、親としての義務を放棄しているに等しいと言える行為でしょう。

エピソード2:自分の子どもに目を向けていますか?

「幼稚園で同じクラスのAちゃんママは、叱らない子育て実践者。
初めての保護者懇談では『Aはナイーブで傷つきやすいので、叱らず育てています』と公言していたほどでした。
でも、Aちゃんのクラスの様子はまるで違いました。
男の子と取っ組み合いのケンカをして泣かせたり、女の子の中では常に1番でいたいようで『ダメ!!』を連発しています。
そのため、仲良しのお友だちができず、孤立していました。
ある日、Aちゃんに腕を噛まれた子のママが、Aちゃんママにそのことを伝えましたが『分かりました。Aには言って聞かせておきます』と、涼しい顔で答えていて、どこか他人事のような対応でした。
叱らない子育てを否定する気はありませんが、勘違いしているなって言う気がして仕方ありません。」

我が子を過大評価というのでしょうか、『傷付きやすい子だから』『繊細だから』と、叱らない子育てを実践している保護者がいます。

それ自体は悪いことではありませんが、他人の子にまで影響していることを見過ごしてしまうのは違うのではないでしょうか。

エピソード3:「叱らない子育て」を実践。見ていて心配になったけど…。

「友人Kには2人の子がいました。
上が女の子で、大人しくてママの言うこともしっかり守る優等生タイプ。
下が男の子ですが、お姉ちゃんとは違った、とてもやんちゃなタイプの子でした。
Kも、『女の子と男の子の育児は違うのね』なんて言っていたので、下の子の子育てに悪戦苦闘している様子が伺えました。

当時男の子が2歳くらいだったと思います。
私はKの自宅にお邪魔しました。
リビングの側でおもちゃで遊んでいた男の子が、何か気に入らなかったのか、次々とおもちゃを投げ出しました。
危うく私に当たりそうになったのもあり、Kが止めに入りました。
そうしたら、男の子はKを思いっきり平手打ちしたのです!
この姿にはさすがの私も驚きました。

小さい子どもの力とは言えKもかなり痛かったようで、しばらく頬を抑えて下を向いていました。
その後、キッと男の子の方を向くと手を取って、今の行いがどれだけ危なくイケないことかを話し始めました。
その間、男の子が大人しく話を聞いているわけも無く。
『 うるさい!ママのバカ!!』と手を振り払って逃げ出そうとしました。
ですが、Kは決して手を離さず、そして声を荒げずこんこんと言い聞かせました。
最終的には、男の子は私に『ごめんなさい』と謝ってくれました。

Kは謝った男の子をハグし、それぞれに笑顔が戻って一件落着となったのです。
それから数年後、その男の子は中学生になりました。
小学校では児童会長を務め、積極的に物事に取り組むステキな男の子に成長しました。
活発でスポーツ好きな点は、昔の面影そのままです。
あれが「叱らない子育て」だったんだなって、同じ母親となった私には、当時のKの姿がとても眩しく思い出されます」

自分の感情を抑え、悪いものは悪いと言い聞かせる母親の姿。

これぞ「叱らない子育て」の見本とも言える姿では無いでしょうか。「叱る」と「しつけ」をきちんと把握している親の対応です。

親は自分の「しつけ」にもっと自信を

子どもはたくさんの失敗を繰り返して、成長します。その行為の中には、危険な行動、他人に迷惑をかける行動もあります。これに対して「叱らない」のは、親としてどうなのか…。このような意見が周囲から出てくるのは、至極当然のことといえます。

一方で、「周囲の目が気になって、子どもをうまく叱れない」「虐待だと思われるのでは…」と悩む親もいます。

子どもは目立ちます。声が大きい場合もありますし、「失敗している行動」そのものが目立つことも。周囲に注目されながら、親は「正しいしつけ」を暗に期待されています。そのプレッシャーに押しつぶされそうになっている親も多く存在します。

叱らなければ「甘すぎるのでは?」、怒りすぎていると「虐待では?」と周囲に思われ、実際に注意してくる他人も存在します。

時には、親も感情を出しても良いのではないでしょうか。「怒らない親」は確かに冷静で立派に見えますが、子育て中に常に冷静でいられる親などなかなかいないでしょう。

前述のKさんは立派です。素晴らしい母親に見えますが、誰もがいつでもこの行動を真似できるわけではありません。

また「怒らない」「叱らない」と決めてしまうと、「怒ってしまったとき」「叱ってしまったとき」に落ち込み、「自分はダメな親だ…」という考えに陥ってしまいます。

まず子どもの危険行為、他人に迷惑をかける行為がなぜダメなのか、子ども自身に考えてもらう必要があるでしょう。その上で説明し続ける必要があります。何度言っても伝わらない場合は、伝え方が悪いのかもしれません。「絵に描いて伝える」「子どもの行為を真似して伝える」など、言葉以外の方法を模索するのも解決への近道になることも。

感情的になってしまっても、「人格を否定するような言葉は使わない」「暴力は絶対にしない」など、自分の中で絶対のルールを作っておくことで、虐待を防ぐことも可能でしょう。また誰かにその行為をとがめられても、「こういう理由でこのような叱り方をしています」と説明できると思います。

逆に、周囲が気になって「叱りすぎてしまう」親もいると思いますが、叱る「度合い」を事前に自分の中で決めておくことで、「叱りすぎ」を防ぎましょう。

ただ、「怒ること」「叱ること」でストレス発散をしないことがもっとも重要といえるでしょう。「怒る」以外のストレス発散方法を持っておくことも、冷静な判断ができるようになるコツの1つでしょう。

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