田舎で過ごす夏休み、山や川を甘く見ると危険な目に! 地元の人の忠告に耳を傾けよう
LIMO / 2019年8月20日 10時45分
田舎で過ごす夏休み、山や川を甘く見ると危険な目に! 地元の人の忠告に耳を傾けよう
夏休みに自然に囲まれたキャンプ場を利用したり、祖父母の家に宿泊する家族も多いですよね。しかし、都会に住んでいたり、地方でも町の中心部や住宅街に住んでいると自然が少し遠い存在になりがちです。そのため、自然に囲まれた環境に出かけ、危機意識が薄いまま遊んでいると事故に巻き込まれる可能性も出てきます。
楽しい夏休みが暗転してしまわないよう、筆者の体験談を交えて田舎で遭遇しやすい危険をご紹介していきます。
清流の近くで地元の大人に叱られた
これは筆者が小学3年生の夏休みに初めて母親抜きで祖母の家に泊まった時に体験し、今でもお盆が近づくと必ず思い出す話です。
天気が良いのに誰も遊んでいない穏やかな清流
お盆休みになると孫たちがいっせいに祖母宅に泊まるのが恒例で、その年は伯父が「釣りたての鮎を食べさせるぞ」と子供たちを車に乗せて食事に連れて行ってくれました。頑丈そうな橋の下には、誰が見ても「きれいな川」と感じる、絵葉書に登場してくるような清流が流れていました。川の近くにお目当ての店はあり、店先の大きな水槽に何匹もの鮎が泳いでいたのを昨日のように覚えています。
ふと店の横を見ると、河原へと通じる階段がありました。手すりもなく、明らかに手作りでしたが、おそらく鮎を捕まえる時にこの階段を利用しているのでしょう。濡れているネットや釣道具が置いてありました。これほどまでの清流を見たことのない筆者は、「目の前で鮎が見られるかも」と吸い込まれるように階段に近づき、一歩二歩と降りていったのです。
川に近づこうとしたら見知らぬオジサンに怒鳴られた!
「おい、そこで何しているんだ!」 飛び上がるほどの怒鳴り声に驚き、後ろを振り向くと見知らぬオジサンが仁王立ちしていました。恐ろしさのあまり声も出せないまま立ち尽くしていると、「この川に勝手に入んな」と腕を引っ張られたのです。
騒ぎに気がついた伯父が慌てて駆け寄ってきて、「姪は初めてこの川に来たから。知らないからよく言っておくから」とそのオジサンに説明していました。店主だというオジサンがその場を去ると、伯父が一見すると穏やかな川は思った以上に危ないと筆者に教えてくれたのです。
苔むしたお地蔵様と供え物を見て背筋が凍る
少し落ち着いた筆者は、川の周囲に子供が全くいないことに気がつきました。誰か川遊びをしていそうな天気なのに、子供の歓声は全く聞こえてきません。鮎が焼き上がるまでまだ時間がかかりそうだったからか、伯父は連れてきた子供たちを集めて、草むらの方へ歩いていきました。
ある場所にいくと、伯父は「あそこをよく見てごらん」と言いました。伯父の意図が全く分からなかった筆者は、不思議な気持ちで草むらを見つめました。すると、不自然な空間があり、その周りを取り囲むように苔むしたお地蔵さまが数体鎮座していたのです。「この川は昔から多くの子供が溺れて命を落としている。この辺りの子供たちは絶対に近づかない」と静かに語り始めました。
鮎の解禁日には供養と安全祈願も兼ねて、花やお菓子を供えるようにしていると、伯父は教えてくれました。時代を感じさせるお地蔵様と真新しいお供え物を見た筆者は、背筋が凍る思いをしました。
母も子供の頃に溺れかかったと帰宅後に知らされる
ほろ苦い思い出ととも家に帰った後、母からどこに連れて行ってもらったのか聞かれました。「おばあちゃんの家から近い川にあるお店に行って、鮎の塩焼きを食べた」と目を合わせずに教えました。すると、母から意外な言葉が返ってきたのです。「あの川、見た目は穏やだけど場所によっては急に流れが変わって危ないんだよね」と言うではありませんか。
詳しく聞くと、母も溺れかかったところをお兄さん、つまりは伯父から助けられたと白状しました。「家に帰ったら、親や近所の大人から説教されて大変だった」と母は苦笑いを浮かべていました。
昔は川遊びをしている最中に溺れ、命を落とす子が毎年のように出ていたそうです。そのため、その川の周辺に住む人々は子供たちに小さい頃から勝手に入らないように何度も話をし、地元民以外の子供が近づいているのを見かけたら、迷うことなく大声で止めることを徹底しているのでした。
地元の人が知っている危険地帯とは
地元以外の人が、何も知らずに川遊びや遊泳禁止の海で泳ぎ、命を落とすことは後を絶ちません。ここでは、筆者が見聞した危険地帯をご紹介します。
穏やかそうな小川でも水草に足を取られて溺れる
田園風景が続く田舎では、用水路の役割として小川が流れていることがほとんどです。こうした、水位も低く川遊びに適していると思われる場所でも、水草がびっしり生えていて足元を取られてしまうことがあります。祖母の家の近くにも、穏やかな小川が流れていましたが、車でその川を渡る度に「この川で溺れた子を知っている」と母が言っていたので、子供心に用水路は怖いと脳に刻み込まれました。
簡単に出入りできそうな名もなき山から出れなくなる
山間部の農村に行くと、周囲は名もなき丘のような山に囲まれていることが多いものです。一見すると簡単に出入りできそうな山でも、子供だけで入ると出られなくなることもあります。
そうした場所には、都市部では滅多にお目にかからない蛇や小動物が生息しています。アブや蜂も飛び交っているので、「探検ごっこしよう」と軽はずみな行動で大けがを引き起こすこともあるのです。また、村の鎮守の森的な山もあります。部外者が勝手に足を踏み入れると地域の人々の怒りを買うので、勝手な行動は絶対に避けるのが無難です。
地元の人の苦言には素直に耳を傾けるべき
夏休みに自然を満喫すると、子供は興奮し、はしゃいでしまいます。しかし、自然の力の前で人間が無力になることは多々あります。自然の中では常に危険と隣り合わせということを念頭に、地元の人の忠告や苦言に耳を傾けることが大切です。自然溢れる場に出かけることは子供の成長にもつながりますが、楽しい夏休みを安全に過ごせることを第一に心がけましょう。
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