世界的な景気減速感の中、日経平均株価の自立反発は期待できるか
LIMO / 2019年8月18日 21時15分
世界的な景気減速感の中、日経平均株価の自立反発は期待できるか
2019年8月18日 テクニカル分析
「逆イールド」発生で米株が大幅に下落
2019年8月16日の日経平均株価の終値は、前日より13円16銭高の20,418円81銭となりました。
先週は、連休明けの13日から大きく下げて始まりました。ただしその後は一進一退の動きとなり、14日には反発しましたが15日は反落。15日の終値は20,405円65銭と2月8日以来約半年ぶりの安値となりました。
日本ではお盆休みということもあって、商いも低調でした。東証1部の売買代金は14日から3日連続2兆円割れとなりました。16日の売買代金は概算で1兆7810億円と7月29日以来の低水準でした。
今週以降の動きはどうなるでしょうか。市場環境は懸念材料が多いような状況です。米国による対中制裁関税「第4弾」の発動や中国の対抗措置など、米中貿易摩擦は和らぐよりもむしろ激しくなりそうです。中国では香港の情勢不安に対する警戒感もあります。
さらに大きく心配されるのは、世界経済に減速感が見られることです。14日の米国債市場で、10年物国債の利回りが2年債利回りを下回る「逆イールド」と呼ばれる長短金利の逆転現象が起きました。「逆イールド」が発生するのは約12年ぶりです。
逆イールドは景気後退のサインとも言われます。これを受けて、14日のダウ工業株30種平均は前日比800ドル49セント安の25,479ドル42セントとなりました。下げ幅は今年最大、6月4日以来ほぼ2か月半ぶりの安値です。ただし16日には米長期金利の低下が一服したことで、前日比306ドル62セント高と買い戻されました。
日本株も、悪材料が多いに状況にもかかわらず、2万円を割り込んで急落するような動きにはなっていません。今週初から買われて始まる可能性もあります。下値が固まればここから自律反発もあるでしょう。お盆休み明けで商いが活況になることも期待したいところです。
上値が重い展開だが、20,000円付近では下支えも
先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週末9日は寄り付きでは窓をあけて上昇したものの、その後は伸びず、結局は陰線となりました。
ただし5日移動平均線を割り込まなかったことから、先週ここでサポートされるかどうか注目されました。結果は期待にそぐわず、大きく窓をあけて下落。先週はその後も窓をあけて上下に振られる展開が続きました。
今週以降の展開はどうなるでしょうか。一つ懸念されるのは、先週の値動きにより25日線が75日線を上から下に抜けるデッドクロスが形成されたことです。
ただし、これをもって目線を下に持つべきかというとなかなか判断しづらいところです。というのも、8月15日には一時、20,184円まで下落しましたが、直近の安値である8月6日の安値(20,110円)まで届きませんでした。心理的節目となる2万円に近づくとしっかりと買い戻しが入っています。
こういったことからも、このあたりからの自律反発も期待できます。ただし、今週は大きな材料もないことから、しばらくはもみ合うことも考えられます。安全に行くのであれば、8月9日の高値(20,782円)を超えるのを確認してからでも遅くはないでしょう。そうすると、8月6日の安値を底とする短期的な上昇トレンドも形成されます。
その後は目先意識されやすい21,000円、25日線、75日線が集まる22,000円付近など、節はあるものの、このあたりを超えれば、7月25日の高値(21,823円)あたりが上値メドになります。
逆に今後、8月6日の安値(20,110円)さらに、心理的節目となる2万円を割り込むようだと注意が必要です。
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