職場のセクハラ、パワハラ体験者に聞く4つのハラスメント対処法
LIMO / 2019年8月26日 19時45分
職場のセクハラ、パワハラ体験者に聞く4つのハラスメント対処法
最近、セクハラやマタハラなどのハラスメント行為に対する目が厳しくなってきましたね。それにもかかわらず、様々なハラスメントの被害に遭う人が後を絶ちません。今回は、セクハラ、パワハラ、マタハラ、アルハラなどのハラスメント行為と戦うためのヒントを体験談とともにご紹介します。
加害者と同性の上司に対応してもらう
証券会社で働くAさんは、男性の同僚や先輩からのセクハラ被害に悩んでいました。酔っぱらった勢いで胸やお尻を触ったり、卑猥な言葉をかけられたり、恋人の有無や恋人との会話について根掘り葉掘り聞かれたり。ひどいときには不倫を持ち掛けられる、一晩限りの関係を求めるようなことを言われる、ということもあったそうです。しかし、立場的にも若いAさんは何も言えず、適度にあしらおうとするもうまくいかずに悩んでいたのです。
そこでAさんは、人事部に相談をしました。具体的に名前を挙げ、こういうことをされていると伝えたAさん。話を聞いた人事部も、「真摯に対応する」「Aさんに悪い影響が出ないよう配慮する」と言ってくれ、ひと安心したものの、それから3カ月、半年と時間が経っても何も変わることはありませんでした。不満に思ったAさんは、人事部はもう何もしてくれないと諦めて、男性上司に相談したのだと言います。
主に飲み会の席で行われるセクハラ行為でしたので、よく同席していた男性上司もすぐに状況を理解してくれました。「Aさんはいつもニコニコしてあしらっているから平気だと思っていた」「気が付かなくて申し訳ない」と言われ、その後はやりすぎな行為があると男性上司が「もうやめておけ」「そこまで」とうまく止めに入ってくれるようになったのだと言います。同性の上司からの注意であれば逆恨みなどのリスクも低いですし、加害者も話を聞き入れやすくなりますね。
上層部に事の重大さを認識させる
IT企業勤務のBさんは、パワハラ行為で困っていました。しかし、人事部に相談してもなかなか動いてもらえず、何とかしたいと対策を考えていたと言います。具体的には、怒鳴られたり、人格を否定するようなことをネチネチ言われるのは日常茶飯事。それどころか時には突き飛ばされたり、Bさんのものを投げられたりすることもあったのだと言います。
その事の重大さを認識しないことが問題なのだと考えたBさん。仲のいい先輩に頼んで、人事部ではなく自分の部署を管掌する役員に、世間話をよそおって話をしてもらいました。内容は、最近のセクハラやパワハラなどは「会社の外でやったら捕まって刑罰を受けてもおかしくない」「そうなったら会社の名前が報道されてしまう」「結果として社員が路頭に迷う」などといった話です。社内でやるからこそ、「ハラスメント」で済むものの、街中でやったら犯罪だという話を役員の耳に入れ、事の重大さを認識してもらう方法です。
役員はその場では何も言わなかったそうですが、そのあとすぐに人事部からハラスメント研修などの日程が書かれたメールが来たのだとか。やはり認識の甘さがハラスメント対策を鈍らせてしまう面もあるので、まずはしっかり上層部に認識してもらう必要がありそうです。
感情的な話はいったん脇に置いて証拠を集める
ある証券会社の支店で働くCさんも、セクハラ被害に遭っていました。彼女の場合は、上司に対して「うまくやれ」と同僚男性や先輩から指示されていたと言います。「上司のお酌は当然」から始まり、「上司に体をくっつけて座れ」とか「胸元が見えるようにお酌をしろ」などという前時代的な指示です。やらないと「今日の支店長の機嫌はどうだったのか」「なぜそうとろくさいのか」「そんなことではこの先、キャリアはない」などと言われる日々。
ウンザリしたCさんは、その様子を日記に書き続けました。また、同性の同僚に協力してもらって目撃者をふやし、支店内で指示してくる同僚男性と先輩のことが噂されるようになったと言います。そのうえで人事部に相談。感情的な話は一切抜きにして、「こう言われました」「ああ言われました」という客観的な事実だけを日記を見せつつ述べるにとどめました。
感情的になると聞き入れてもらいにくいのであえてそうしたというCさん。支店の人たちが一人ずつ本社に呼び出され、聴取が始まったと言います。全社的にもハラスメントの警告メールが流れ、ハラスメント防止策に会社が全面的に乗り出したとのことでした。
目撃者と協力者を作る
ハラスメント行為に対しては、目撃者を作るのが一番手っ取り早い対策です。筆者の同僚や先輩も、セクハラやマタハラの被害に遭っていましたが、同性同士で結託して目撃者をふやしたり、お互いに「〇〇先輩に何か言われているときは遠くから呼ぶね」「〇〇部長のセクハラ発言が始まったらお客さんからの電話を装って声をかけるね」などと協力していました。
筆者も、ある女性社員がセクハラ発言をされているのを聞き、電話がかかってきたフリをしてその場から被害女性が離れられるようにしたことがあります。このような連携プレーも含め、自衛する手段を講じることも必要です。ただ、職場の同性が協力してくれなかったり、そもそも同性が圧倒的に少なかったりしてそうはいかない場合もあるでしょう。そのときには人事部や上司に相談したり、外部機関に頼るなどの手もあります。
まとめ
昨今はハラスメント被害が告発されるケースも出てきてはいますが、被害に遭っても我慢している人も少なからずいるでしょう。悲しいことではありますが、何もしないままではなかなか変化は起きません。少しでもいいので、できることから始めてみてください。
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